第21話 芸

文字数 408文字



そうそう、二羽のカナリアだ。
ここに飛んできて。
あんたが飼ってたカナリヤだったのか。
そうさ、一生懸命教えたさ。
ピーピー歌って、くるくるっと回る芸さ。
評判はよかったよ。
でも、おとといの朝起きたら、逃げ出してたよ。
どこ行ったのかな。
ちょうど俺も探してたところさ。

でも凄いだろ、この鳥。
世界でもできるのは、この俺とこの鳥だけだろう。
この技にみんなビックリするんだ。
あのカナリヤたちは、この芸は駄目だったな。
舌の上に乗るが嫌だったみたい。
汚いって思ったのか、俺の息が臭かったのか。
それはわからん。
まあ、でもよく稼いでくれたよ。

そうだな、一週間しかいなかったから。
今まで探して、何か分かったのかい。
そうかい。
わかった。
いつか日本に行ってパフォーマンスを見せたいって思ってる。
俺の大好きな日本の若者のために、探してみるよ。
ほら、このお金持っていきな。
いいんだ、これはお前のカナリアが稼いだお金だ。
気にするな。
気をつけていくんだぞ。
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