第5話

文字数 977文字

 二人が敬礼をすると、「よく来てくれましたね」とにこやかに敬礼をした。なんでも、フラングレー司令官はフランス人の両親を持つ生粋のフランス人だ。

 リーエとクリスと同じ切れ長な目をした端正な顔立ちだった。滝のように流れる長い赤髪のリーエに、金髪のショートカットのフラングレー。クリスは黒のロングヘアだ。
 
 美人三人も揃うと、司令部は今日も凛としているがどこか華やかさがあった。

「来て早々で悪いな……早速、南西部の危険エリアの砂漠地帯へ向かってほしい。場所はサソリの砂粒の谷だ。一人はもう行ったぞ。……リーエ……これを……」
「?」
 フラングレーはリーエにアドレナリン超加薬を5本も渡した。
「フラングレー司令官! そんなに渡してしまっては! 全部使ったらリーエの身体が確実にもたないわ!!」

 クリスが心配して叫ぶ。
 だが……。

「サソリの砂粒の谷で、未確認のSFTSを確認した。我々はそれをSEA HOIE(海の穴)略してSHと呼んだ。一体で大勢のSFTSを産み出すんだ。非常に強力な戦闘能力を持つSFTSだから……二人とも死ぬなよ……これは命令ではなくて……少々強引なお願いだと思ってくれないか」
「SHか」
 リーエは首を鳴らした。

 サソリの砂粒の谷までクリスの運転するオープン・カーでリーエはウトウトとしていた。クリスはそんなリーエを気遣った。度重なる戦闘で疲れているはずだ。それとアドレナリン超加薬は、様々なドーピングの中でも特に人体に負担が大きかった。

「ハッ!!」
 リーエは突然起きだし「クリス!! スピードを上げて!!」と叫んだ。
 すぐさまソードエネルギーの一刀を抜いた。
 空から超巨大な恐竜型SFTSの首が忍び寄っていた。
「フン!!」
 その首に円を描くようにソードエネルギーを振った。SFTSの血液が高速の車の後方へと大雨のように降りしきる。
「そのまま走って!」

 ソードエネルギーをもう一本抜いたリーエは、猛スピードのオープン・カーから飛び降りた。

「な、何事です?!」
 車のソニエルはさすがに驚いていた。
「いいのよ、リーエに何もかも任せましょう!」

「多分、あれがSHね」

 クリスは真っ青になってハンドルを操り恐竜型のSHの追跡を逃れようとした。
 だが、恐竜型SHは猛スピードで追ってくる。
 SHの走ることで発生する衝撃振動でクリスの車は上下に激しく弾む。
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