リテイクする側、される側

文字数 2,606文字

依頼する側にも、依頼される側にも避けて通れないリテイクの問題。

ここで対応を間違えてしまうと、お互いのモチベーションや信頼関係を損なってしまいかねません。

広瀬さんの経験から、好ましいリテイクや、受け入れ難いリテイクの例などを教えて頂きたいと思います。

リテイクはできれば無い方が良いですよね~

しかし、イラストレーターをしていく上でリテイクと縁を切る事はできません。

イラストレーターさんによっては、リテイク3回までとか追加料金がかかる、など制限を付けて対応している場合もありますね。

イラストレーターさんによってキャパシティーもバラバラです。

やはり大変な作業なんですよ。


基本に私はイラスト制作する上でリテイクは必要な作業かと思っているので、イラスト受注した際にはリテイクも想定しています。

ただ「好ましいリテイク」と「受け入れ難いリテイク」があるのは事実です!

好ましいリテイクは

私が出したアイディアに対して、さらに発案したり、現状を改善させる為のリテイクです。

イラストを良くしたいという気持ちは皆一緒なので、イラストが良くなるご意見は大歓迎です!


例えば、王妃様ではキャラクターデザインで王妃様の襟を白から黒に変更しています。

これはアイコンを作る場面で大変助かり、私が気付いていなかった部分まで考えて発案下さった事に凄く感謝しています。

こういったリテイクは納得して自分で飲み込んだ上で直すので、イラストの向上につながると思っていますし、私自信モチベーションになっています。


作品を良くしよう!と一緒になって考えてくださる方が居る事は心強いですよね。

信頼できるからこそ、快くリテイクのご意見も飲み込む事ができるのだと思います。


また適格に修正箇所を伝えてくださるリテイクも、助かります。

修正箇所を伝えるのは気を使うと思いますし、面倒かとは思うのですが、少しだけ時間を割いて’伝える’という事に労力を割いていただけると大変助かりますね。

受け入れがたいリテイクは

一転二転と内容が変わるリテイク、改善の為ではなくてディスカッションが不十分な為のリテイクです。


例えば

「この文章を読んでもらって、そこからイメージするイラストを自由に描いてください」

という指示書に対して自由な発想でラフを起しました、すると

「イメージと違うので、全部描き直してください。この一文なんかをイラストにするのが良いんじゃないでしょうか?」


また

「ここをこうしてみてください」

というリテイクに対してラフを修正して提出すると

「やっぱり前の方が良かったので戻してください」


・・・・!!!!!!??????

こういう事も実際にあります^^;


ふんわりとしたイメージしかないままイラスト発注をして、描かせたものの、出来上がった物を見たら「なんか違う」とやはりふんわりした理由でリテイクしてしまう。

悪気はないと分かっているのですが、こちらのMPをゴリゴリ削られますね。

依頼する側もリテイクはなるべく避けたいと思うので、最初にどんなイメージなのか箇条書きでも簡単な図でも、既存の作品でも、ともかく伝えるように意識して頂ければ嬉しいなぁと思います。

面倒な事は分かっているのですが、スムーズな進行をお求めならば、伝える努力を惜しまないください。


それでも、そのイラストレーターの作風を尊重したいから、あまり指示書に縛られてほしくない!

という場合は、「リテイクは出さないので」とぜひ丸投げしてみてください。

そうすれば、イラストレーターもリテイクに怯える事無く、伸び伸びと作風を出してくれるはずです。

広瀬さん、こんばんは。
リテイクは難しい問題ですよね。
作品を作り上げるまで、時間がかかりますし、
長い間接してきた作品には特別な思い入れもあると思います。
ご提出頂いた作品はできれば全て通したいという気持ちはあります。
それでも、お客さんの手元に作品が届く前に、チェックをする最後の機会ということで、
心を鬼にしなければならないというのが、リテイクを出す方の胸中なのではないでしょうか。
リテイクはないにこしたことはない。
どうしても、避けがたい時、どうすればいいか。
とても難しい問題です。

リテイクを出す方の危惧として、
リテイクを出すということは、作品を否定し、ひいては作者を否定していると受け取られることがあるということです。
決してそんなことはなく、そもそも作品や作者を肯定しているからこそ、お仕事を依頼させて頂いているというところは、理解いただきたいと思っています。

作品はお客さまに届けられるものです。
より良い作品にするにはどうすればいいのか、ということにお互い目を向ければいい。
それが唯一の解決のようにも見えますが、良い作品、についての価値観が異なることもあって、問題が複雑化することもあります。

結局のところ、腐らずに相手をリスペクトする気持ちを忘れないことが肝心なんだと思います。

それにしても、広瀬さんのような方なら、とても仕事がやりやすいと思いました。

岡崎さん、こんばんは^^


>リテイクを出すということは、作品を否定し、ひいては作者を否定していると受け取られることがあるということです。


リテイクは否定的な内容を伝えなくてはいけないので、文章自体が否定的になってしまいがちですよね。

またメールで、となるとちょっとしたニュアンスで受け取り方が変わってしまうので難しいところです。

特に初めてお仕事する方とは気をつかいますよね。


共幻社の編集さん方は、リテイクの内容は必ず褒める点と一緒に指摘してくださいます。

皆様、作者が否定されたと勘違いしてしまわないように、すごく気を付けていらっしゃるのが伝わってきます。


クライアントさんによっては、リテイクを出す事にすっっっごく気負ってらっしゃるのが伝わる時があります。

そういう時は「ご意見やアイディア、ご遠慮なくご相談ください」と一言添えます。

私は何でも受け止めますよ!

正直に言ってくださいね!

といった雰囲気をこちらも出しておくのが大事かなぁと思ってます。



>より良い作品にするにはどうすればいいのか、ということにお互い目を向ければいい。


これは本当に大事ですね。

リテイク出す方も、受けるほうも結局目的は一緒なので、

一緒にリテイクをして一緒に改善させるという姿勢が揃えば、ストレスフリーでリテイクをクリアする事ができると思います。


仕事がやりやすいと感じて頂けて嬉しいです!


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
※これは自由参加コラボです。誰でも書き込むことができます。

※コラボに参加するためにはログインが必要です。ログイン後にセリフを投稿できます。

登場人物紹介

名前:広瀬コウ (Kou Hirose)

絵を描く雨蛙。

ラノベ、TL、BL、一般電子書籍イラスト多数担当。
共幻社作品、表紙も数多く手掛ける。
その他アプリゲームイラスト、マスコットキャラクターデザイン、演劇作品、同人乙女ゲーム・ギャルゲーイラスト、CDジャケット、アパレルDM用人体イラストなど
様々な媒体、ジャンルで活動中のイラストレーター。

pixiv:https://www.pixiv.net/member.php?id=2928784
HP:http://mtfrog.web.fc2.com/index.html
Twitter:@hirosekoudesu

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色