サイテーな杖魔法
文字数 958文字
「本当に信じられないの」
「ドルイドン先生らしいよね」
すずとランカはいつもの温室でおしゃべ りを楽しんでいました。
話題は今日受けた“杖魔法”の授業についての様です。
杖魔法とは名の通り、杖を用いて魔法を行使する技術の事。
魔法は繊細なセンスを要求するものが多く、一歩間違えると大変な事故に繋がってしまいます。
例えば炎を扱う魔法で操作を間違えれば、大火傷を負ってしまいかねません。
そこで指先からではなく杖の先から魔法を出す技術が編み出されました。
これならチカラを集中する場所がズレても、指を焦がす心配がありませんよね。
実は杖って格好良いから持ってる訳じゃ無いんです。
教壇に立つドルイドン先生はお調子者のお爺さん先生。
笑いと実技がモットーの授業は生徒皆から支持されているのですが、今日は思いっきり引かれていました。
「では…今回はオナラの魔法について勉強するぞよ」
…主に女子生徒に。
“オナラの魔法”は掛けられた相手が、オナラの様に精神力を放出する下品でサイテーな魔法でした。
先生曰く退魔のチカラがあって必修科目らしいのですが…
いくら探しても教科書には載っていません。
「調子に乗って友達にかけていると嫌われてしまうかもしれんぞよ!」
そーでしょうとも。
「何事も程々が肝心じゃ!」
・・・・・・。
程々ならいいのでしょうか?
案の定、男子生徒が悪戯を始めて教室は大混乱!
そんなこんなでゲッソリ疲れて帰って来たのです。
「学校であんな魔法を教えるなんてあり得ないの」
「でも一つ星のあたし達じゃ“退魔の魔法”は教えてもらえないし意外と役に立つかもよ?」
「そう笑っていられるのは一度も魔法にかからなかったからよ」
そんな話で盛り上がりながら紅茶を飲んでいると…
大きな揺れと音が聞こえ、下の階からホコリが舞い上がってきました。
更に、明るく晴れていた空が急に暗転して真っ暗に。
やがてうっすらと紫色に染まっていきます。
「な、何なの?」
急に色々な事が起きすぎて、すずは混乱気味。
一方ランカはワクワクを抑え切れない様子。
ガラス張りの壁に近づくと、クルッとターンして笑顔で伝えます。
「本当の箱庭にようこそ。これが“紫の黄昏”だよ」
それは“ゲート”が“異世界”に繋がった事を意味していました。
「ドルイドン先生らしいよね」
すずとランカはいつもの温室でおしゃべ りを楽しんでいました。
話題は今日受けた“杖魔法”の授業についての様です。
杖魔法とは名の通り、杖を用いて魔法を行使する技術の事。
魔法は繊細なセンスを要求するものが多く、一歩間違えると大変な事故に繋がってしまいます。
例えば炎を扱う魔法で操作を間違えれば、大火傷を負ってしまいかねません。
そこで指先からではなく杖の先から魔法を出す技術が編み出されました。
これならチカラを集中する場所がズレても、指を焦がす心配がありませんよね。
実は杖って格好良いから持ってる訳じゃ無いんです。
教壇に立つドルイドン先生はお調子者のお爺さん先生。
笑いと実技がモットーの授業は生徒皆から支持されているのですが、今日は思いっきり引かれていました。
「では…今回はオナラの魔法について勉強するぞよ」
…主に女子生徒に。
“オナラの魔法”は掛けられた相手が、オナラの様に精神力を放出する下品でサイテーな魔法でした。
先生曰く退魔のチカラがあって必修科目らしいのですが…
いくら探しても教科書には載っていません。
「調子に乗って友達にかけていると嫌われてしまうかもしれんぞよ!」
そーでしょうとも。
「何事も程々が肝心じゃ!」
・・・・・・。
程々ならいいのでしょうか?
案の定、男子生徒が悪戯を始めて教室は大混乱!
そんなこんなでゲッソリ疲れて帰って来たのです。
「学校であんな魔法を教えるなんてあり得ないの」
「でも一つ星のあたし達じゃ“退魔の魔法”は教えてもらえないし意外と役に立つかもよ?」
「そう笑っていられるのは一度も魔法にかからなかったからよ」
そんな話で盛り上がりながら紅茶を飲んでいると…
大きな揺れと音が聞こえ、下の階からホコリが舞い上がってきました。
更に、明るく晴れていた空が急に暗転して真っ暗に。
やがてうっすらと紫色に染まっていきます。
「な、何なの?」
急に色々な事が起きすぎて、すずは混乱気味。
一方ランカはワクワクを抑え切れない様子。
ガラス張りの壁に近づくと、クルッとターンして笑顔で伝えます。
「本当の箱庭にようこそ。これが“紫の黄昏”だよ」
それは“ゲート”が“異世界”に繋がった事を意味していました。