第1話 本当の性は何ですか?
文字数 1,859文字
男性に質問です。
女の子になりたいと思ったことはありませんか?
唐突に何を、と思われるかもしれません。
そんなわけないじゃないか、と。
……でも、本当にそうでしょうか。
実はこれは多くの男性が一度は抱いたことがある願望だと思うのです。
例えば、女性の恋人を作るということ。
女性のアイドルを応援するということ。
アニメの女の子キャラにはまるということ。
自分のアバターをかわいい女の子にするということ。
こういうことも女性への強い憧れに端を発しているのかもしれないと思うのです。
かつて「ぼくの頭の中には女子高生が住んでいる」と言ったプロデューサーがいました。
たくさんのアイドルや歌手を育てた人です。
アイドルや歌手、マンガ、アニメ、キャラクターの作り手の多くは男性です。
もちろん三次元の場合はそこに女の子の身体や意志、情熱がなければ成立しません。
でもそれだけでも成立しません。
アイドルも歌手もキャラクターも、存在そのものとイメージや妄想が結びついて初めてこの世に生まれるのです。
「こういう女の子に会いたい」
あるいは「こんな女の子になってみたい……」
多くの男性たちが抱くそういったイメージと、それに呼応しようとする女の子の意志や夢が結びついたところに物語は誕生します。
「アイドルになりたい」
そう願っている女の子たちの多くは、ただ自分の世界を生きているだけではアイドルにはなりえないことを知っていきます。
恋人を作る。
アイドルを応援する。
アニメのかわいいキャラクターにはまる。
その先にあるのは果てしない「女性」への憧れではないでしょうか。
そしてそれをさらに追及していった人の頭の中には、ある日不意に女子高生が誕生することもあるのです。
先ほどのプロデューサーもそのひとりです。
そしてこういう人はきっとたくさんいるのです。
ではその憧れをもっと追求していくとどうなるのでしょうか。
それは、自らが理想の女の子になりたいという思いが芽生え始めるのです。
そういう人もいるのです。
これはそれほど不自然なことではありません。
そういう人にとっては、すべてが同じ線上の出来事であり、途中で止まるか、最後まで突き進むかの違いでしかないのです。
自分の思いに気づくことを恐れている、あるいは気づきたくないと思っている人もきっとたくさんいます。
女の子になりたい?
そんなことありえない。
……そうでしょうか?
ぼくはかつて女の子を目指したことがあります。
女の子に憧れすぎて、どうしても女の子になりたいと切望したのです。
例えば幼稚園や小学校の頃、男子同士で遊ぶよりも女の子と遊ぶ方が楽しかったり、ある程度の年齢になっても女の子っぽいものが好きだったり、自分はもしかして女の子なのではないかと思ったり、あるいは女の子になりたいと願ったり……。
そういうことは珍しくありません。
誰にでも起こりえることです。
ぼくが初めて女の子になりたいと思ったのは思春期の頃だったと思います。
実際に認識したのはもう少し後でした。
ある日、自分の本当の気持ちに気づいたぼくはとても戸惑いました。
嘘だ。そんなわけない。
ぼくはその気づきを否定しました。
それまで、まかりなりにも「普通の男性」として生きてきたのです。
自分にそんな部分があるなんて信じられませんでした。
もしかしてこれは性同一性障害なのでしょうか。
そもそも女の子になりたいというのは性別転換したいということなのか。
それとも女性らしくしてみたいということなのか。
何も分かりませんでした。
困り果てたぼくはとりあえず自分がしたいことをすることにしました。
そうすることでしか答えが出せないと思ったのです。
世の中には色々な人がいます。
心と体の性が一致しない人。
ゲイの人、レズビアンの人、バイセクシャルの人。
男性でも女性でもない人。
いわゆる「普通の女性」の中にも、実は男性になってみたいと思っている人が一定数いるはずです。
性というのは実に不思議なもので、最近の生物学的見解では、「オス」「メス」「男」「女」とはっきり分けられるものではなく、個体や時期により少しずつ異なったり変化したりする、いわばグラデーションを描いているものである、と定義されつつあるのです。
このぼくの少し変わった青春の記録を通して、多様な性の世界、LGBTQの人々の価値観、そして埋もれているかもしれないあなた自身の新しい可能性に少しでも触れて頂ければ幸いです。
女の子になりたいと思ったことはありませんか?
唐突に何を、と思われるかもしれません。
そんなわけないじゃないか、と。
……でも、本当にそうでしょうか。
実はこれは多くの男性が一度は抱いたことがある願望だと思うのです。
例えば、女性の恋人を作るということ。
女性のアイドルを応援するということ。
アニメの女の子キャラにはまるということ。
自分のアバターをかわいい女の子にするということ。
こういうことも女性への強い憧れに端を発しているのかもしれないと思うのです。
かつて「ぼくの頭の中には女子高生が住んでいる」と言ったプロデューサーがいました。
たくさんのアイドルや歌手を育てた人です。
アイドルや歌手、マンガ、アニメ、キャラクターの作り手の多くは男性です。
もちろん三次元の場合はそこに女の子の身体や意志、情熱がなければ成立しません。
でもそれだけでも成立しません。
アイドルも歌手もキャラクターも、存在そのものとイメージや妄想が結びついて初めてこの世に生まれるのです。
「こういう女の子に会いたい」
あるいは「こんな女の子になってみたい……」
多くの男性たちが抱くそういったイメージと、それに呼応しようとする女の子の意志や夢が結びついたところに物語は誕生します。
「アイドルになりたい」
そう願っている女の子たちの多くは、ただ自分の世界を生きているだけではアイドルにはなりえないことを知っていきます。
恋人を作る。
アイドルを応援する。
アニメのかわいいキャラクターにはまる。
その先にあるのは果てしない「女性」への憧れではないでしょうか。
そしてそれをさらに追及していった人の頭の中には、ある日不意に女子高生が誕生することもあるのです。
先ほどのプロデューサーもそのひとりです。
そしてこういう人はきっとたくさんいるのです。
ではその憧れをもっと追求していくとどうなるのでしょうか。
それは、自らが理想の女の子になりたいという思いが芽生え始めるのです。
そういう人もいるのです。
これはそれほど不自然なことではありません。
そういう人にとっては、すべてが同じ線上の出来事であり、途中で止まるか、最後まで突き進むかの違いでしかないのです。
自分の思いに気づくことを恐れている、あるいは気づきたくないと思っている人もきっとたくさんいます。
女の子になりたい?
そんなことありえない。
……そうでしょうか?
ぼくはかつて女の子を目指したことがあります。
女の子に憧れすぎて、どうしても女の子になりたいと切望したのです。
例えば幼稚園や小学校の頃、男子同士で遊ぶよりも女の子と遊ぶ方が楽しかったり、ある程度の年齢になっても女の子っぽいものが好きだったり、自分はもしかして女の子なのではないかと思ったり、あるいは女の子になりたいと願ったり……。
そういうことは珍しくありません。
誰にでも起こりえることです。
ぼくが初めて女の子になりたいと思ったのは思春期の頃だったと思います。
実際に認識したのはもう少し後でした。
ある日、自分の本当の気持ちに気づいたぼくはとても戸惑いました。
嘘だ。そんなわけない。
ぼくはその気づきを否定しました。
それまで、まかりなりにも「普通の男性」として生きてきたのです。
自分にそんな部分があるなんて信じられませんでした。
もしかしてこれは性同一性障害なのでしょうか。
そもそも女の子になりたいというのは性別転換したいということなのか。
それとも女性らしくしてみたいということなのか。
何も分かりませんでした。
困り果てたぼくはとりあえず自分がしたいことをすることにしました。
そうすることでしか答えが出せないと思ったのです。
世の中には色々な人がいます。
心と体の性が一致しない人。
ゲイの人、レズビアンの人、バイセクシャルの人。
男性でも女性でもない人。
いわゆる「普通の女性」の中にも、実は男性になってみたいと思っている人が一定数いるはずです。
性というのは実に不思議なもので、最近の生物学的見解では、「オス」「メス」「男」「女」とはっきり分けられるものではなく、個体や時期により少しずつ異なったり変化したりする、いわばグラデーションを描いているものである、と定義されつつあるのです。
このぼくの少し変わった青春の記録を通して、多様な性の世界、LGBTQの人々の価値観、そして埋もれているかもしれないあなた自身の新しい可能性に少しでも触れて頂ければ幸いです。