愚かな市長 PART5

文字数 2,122文字

愚かな市長は市長室で、何時もの様に好きな盗撮人妻自慰動画を鑑賞していた。もちろん勤務時間中にである。
しかし、如何やら何時もの様な高揚感がない。と云うのも、市長としての2期目の任期が残り1年を切り、このタイミングで有力市議が出馬する意思を表明したからである。
この有力市議と云うのは、前回の市長選にも出馬を検討していた。バカ市長が議員時代には、同じ党派でもあり、親しい間柄だった。
この有力市議に出馬されると、ヤバイかもと思ったバカ市長が、
「今回は出馬を見合わせてくれないかネ、そしたら、次はゼッタイ、ゼッタイ、キミにこのポストを禅譲するから、頼むよ、オネガイ、何とか考え直してチョーダイ」と泣きつき、更に遠縁にあたる国会議員にも頼み、有力市議の出馬を無理矢理断念させた経緯があった。
だから有力市議が出馬表明した事を風の噂に聞き、内心焦っていたのである。
有力市議にして見たら、早い段階で騙されたという事に気付き、今度こそはと出馬に踏み切ったのである。
バカは市長を2期しているが、まるで実績などなく、やった事と云えば、自分の趣味でもある自転車の大会を新たに開催しただけだ。市民からは、高齢者ばっかりの本市で、自転車競技なんかやって誰が喜ぶんや、バカタレが、と散々陰口を叩かれている。
ここのところ、若い女子職員からは相手にされず、不細工なおばさんの職員にまで手を出す始末である。このバカは女なら誰でもいいのか。まったく。
このエロでバカ市長の本性が、市民や職員にもすっかりバレてしまい、さすがの市長もこれではやばいと若干焦り始めたのである。
バカ市長がバカの右腕である変態系変質者で嫌われ者の副市長に今後の事を相談すると、アホの副市長は、
「そんなら、来年度の市民税を半分にして、愚鈍な市民を喜ばすしかないね、市長」と深く考えずに云う。
この事を副市長が、後で総務課長に云ったところ、
「そんな事したら、来年度の予算が組めません」と云われ、
「そんなら、今工事中の公園の事業等、取り敢えず来年度は中止にすればいいんじゃない。それでもダメなら、取り敢えずオレの給料は別として、職員の給料4割カットでいいんじゃない?」と簡単に云う。
「ヘッ、副市長、マジで行ってますか?」総務課長が蒼い顔をして云うと、
「マジマジよ、なぁに、市長が当選した暁には、市民税を3倍にでもして取り返したらええんやないかい、どやねん、どうせよ市長だって今度が最後だと思ってるだろうからよ」とアホの副市長が涼しい顔で云う。
アホの副市長はそんな事をしたら後々大騒動になる事等何とも思っていない。
「まぁ、来年は市長選の年だから、忖度してね、そこんところ、ヨロシク。でなけりゃ、キミも総務課長のポストからゴミ収集の局長にでも異動してもらうからね」
ポストにしがみつく事だけが生甲斐の、ゴマすり総務課長は最早黙るしかない。心の中では、
(市長が落選したら、オマエの首だって飛ぶんだからな、そうなったら散々笑ってやるからな、今のうちにほざいとけ!)と呟く。
税収が半減すると、来年度の予算を組むのが難しい。国も地方交付税を出し渋るし、これ以上地方債などの借金を重ねると下手すれば近い将来再建団体に陥りかねない。
しかし、市長も副市長もバカで変態だけに、何を云っても始まらないだろうと云う事は、想像に難くない。これはマイッタとゴマすり総務課長は頭を抱えた。
そんな感じで、楽天的なバカとアホの二人は、取り敢えず良い考えが浮かんで良かったと、胸をなでおろした。
愚かな市長は、こんな時でも、職員の中にオレに抱かれたい良い女はいないかと物色をしている。頭の中は女の事で一杯だ。
若い美人系女子職員は市長室に呼ばれると、必ず飲食に誘われ、酒を飲まされ、グゼングゼンに酔わされた挙句にホテルに連れ込まれる、というパターンを皆知っているので、警戒している。
1期目の時は、若い純朴な職員が多数被害に遭った。しかし2期目に入ると、女子職員の中で市長の女癖の悪さが噂になり、騙されない様に、皆で知恵を絞り対策を練った。
その結果、市長に騙される女子職員は激減した。激減はしたが完全になくなった訳ではない。先に触れた様に、焦った市長がどんどん女子職員のレベルを下げていき、今となっては、40代50代の独身や人妻の職員にまで触手を伸ばしている。
それはつまり、出世欲のある女子職員をターゲットにして、
「オレと寝たら、次の課長にしてやるよ」と云い、オバサン達をゲットしていったのである。巨乳だけの不細工なオバサン職員にも手を出す始末である。よっぽど巨乳好きである。噂によると、変態市長は大人のオモチャの超マニアであり、そのオモチャを使わせ、オバサン達の自慰動画を取るのが何より好きらしいのだ。本当にどうしようもない変態野郎だ。その変態嗜好に耐えられなかった女房には、愛想をつかされて、バカが市長になった数年後に逃げられている。それを女房が若い男と不倫して逃げたと、苦しい言い訳をしている。
こんなバカが市長を続けている限り、本市は良くなるはずはない。再建団体に陥る前にバカとアホの二人を変えなければ、とんでもない事になると思うが、皆さんそう思いませんか。
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