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文字数 940文字



やりたいことをやりたい
心の中で留めておくことできますか
子供の頃は心の中が狭くて
やりたいことが全部外に出ていた
やりたいことを鎖で繋いで
心の檻に閉じ込めたのは
いつからだったのだろうか
物心ついた頃にはオルガンがあった
友達がピアノを習ってるのを
一緒に見て真似して遊んでいた
気がついたら家にはエレクトーン
いつのまにか置いてあった
ギターも置いてあった
テレビの向こうで楽しそうに
楽器を演奏している人がいる
何か聞けば楽譜もなくても
なんか弾けるくらい耳も良かった
それでも音楽に興味がなかったのは
音楽の先生があなたは音痴だからと
口に油性マジックで×を書いたから
まだ8歳の子どもだったのに
クラス中のみんなから笑われた
音楽からものすごく遠ざかった
楽しいと思ってやった事が
ダメになったから何もかも
したくない子どもになってた
転校して友達ができないと可哀想だから
そんな理由で作文を書いたのを
先生がコンクールに出したら
雑誌に載ったからみんなが見てくれた
絵を描いたら金賞をもらった
先生によって楽しいと楽しくないが
降って湧いてくるとしった6年間だった
音楽に興味があったのに
その後もずっと遠ざけた
音楽の興味は俄かに流行ったカラオケ
誰かが歌ってるのを聞けば
知らない曲も割と歌えたから
少し楽しくなって興味を持ち出した
CDを買うようになったのは
それでも20歳前後もう大人だ
その後もカラオケ以外は聞くばかり
英語の歌も聞くようになった
30歳前後に色々転機がやってきた
ライブハウスとかに行くようになった
コンサートも初めて行った
楽しい場所を少し知った
ちょっとずつ音楽が近付いて来た
40歳前後に自分の方から近づいた
ドラマを習いに行ったしギターも買った
推し活も始めたのもこの頃だった
初めてファンクラブなんかにも入った
同じツアーに何度も足を運んだ
まさかの地方遠征まで行った
あんなにつけていた足枷が
どんどんと消えていくのがわかった
コロナ禍一日中音楽を聴いている
もっと早くこの世界に
足を踏み入れたかった
今からでも遅いなんてことはない
そう教えてくれたのも
大好きになった彼らだった
好きなことをやりたいことを
縛り付けているのなら
そっと解放してみたら
もしかすると何かいいことが
明日待っているかもしれない
そう思うとうちにずっといるのも
いいのかもしれない



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