子供の可愛さ

文字数 556文字

教師ではなかったが,慣れて来たら,学校訪問の業務を楽しめるようになった。

何より,子供の言うことが面白かった。
「先生は,なんでそんなに中国語が話せるようになったの?」

「先生は,どこに住んでいる?」
「この町に住んでいる。」
「じゃ,日本人?」
「いや,中国人だよ。」
「でも,日本に住んでいるでしょう?」

子供は,日本人しか,日本に住んでいないと思い込んでいる節があった。私が毎日,中国の家から,彼らが通う日本の学校に通っていると信じ込んでいるようだった。

朝家を出るときに寒かったからニット帽子を被ってバスに乗ったら,降りるときには,暖かくなっていて,バスを降りるとすぐに子供に訊かれた。
「今,中国は,寒い?」

結婚したことを話すと,
「なら,なんで指輪をしていない?」と訊かれ,旦那さんに要らないと言ったからと説明すると,「じゃ,もう一回結婚したら?」と提案された。

子供と一緒に遊んでいると,いきなり,「いちごケーキと唐先生が大好きと言われ,抱きつかれたこともあった。

「コーヒーは大人の飲み物だけど,そして,私は子供だけど,コーヒーが好き。そして,お母さんは,大人だけど,コーヒーじゃなくてビールが好き。」
と真剣に言われ,思わず吹き出してしまったこともあった。

子供は,素直で,純粋で,考え方も単純でいつも心が温まる時間だった。
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