糸の心

文字数 138文字

 空を舞う風船の糸を、つかむようだった。

 私の心は、パッとつかまえられた。

 きっかけは領収書の指摘のため、彼のデスクに赴いたこと。

 相好を崩し、わざわざありがとう、と言ってくれた。

 数ヶ月後、私は想いを告げ、彼のものになった。

 バッグの中で、スマホが揺れた。

 たぶん夫だろう。

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