創作秘話:vs,SJK

文字数 8,224文字


 本作『vs,SJK』は『孤独の吸血姫』と並列展開していた掛け持ち連載でした。
 とは言うものの、実は『孤独~』同様にオフライン時代に執筆していた作品であり、それを投稿していた形になります。
 ですが、既に完結まで綴られていた『孤独~』とは異なり、後半~終盤は草稿的原版であり、そこは連載しながら完成形としてブラッシュアップしていきました。
 つまり『半完成/半執筆』という形態ですね。
 ちなみに流れや結末は概ねながらも脳内構想通りに落としただけになります。

 執筆理由としては、私自身が〝異なる作品を掛け持ちした方が相互影響でモチベーションが上がる〟というのは大きいです。
 『孤独~』のオフライン執筆時に「まだ少し余力があるぞ?」と感じたので並列執筆を決意。
 書きたい作品像は湯水のようにあるので、少しでも多く消化したかったというのが本音です。

 そして『闇暦』が〝ヘビーシリアスな激アツ系〟なので、対極的に〝明るく楽しいライト作風〟を抱えた方が精神バランス的に鬱積しない。
 コレ〝創作モチベを保つスタンス〟としては大きいです。
 ひとつの方向性に根を詰めても窮屈さに閉塞しますから、どこかで〝開放〟を抱えて伸び伸びとした精神常態を保たないと面白い着想も出ません。
 そして、そんな歪な遮二無二では〝良質な作品〟は描けない……というのは、浅はかかもしれませんが私的持論なので。
 例えるならば、私にとって『闇暦』は『デビルマン路線:業に抉り込む作風』であり、一方で『vs, SJK』は『マジンガー路線:明快な勧善懲悪劇』的な位置付けになります。

 にしても、当時の連載展開を鑑みると(WEB小説初挑戦という無知さがあったにせよ)かなり異常な更新をしていましたね。
 毎週(月)に『孤独~』を更新していながら、隔週(水)には『vs,SJK』更新を織り交ぜていたんですからw
 しかも初出当時の『vs,SJK』は『孤独~』同様に約8000文字構成でしたから……うん、異常ですwww(完結後に他サイト転載展開を見据えてから約4000文字へと分割しました)
 いまにして思えば、同時展開ではなく順番に発表していれば、程好く時間稼ぎできたのにねw


 副次的に立ち上がった本作ですが、実はアーリータイプは『孤独~』の雛形とほぼ同時期に作られていた古参です。
 頓挫ゲーム作品『天上天下 大剣斬 』のシリーズ三作目として企画された『機動要塞ウォルダイン』という作品が、それ。
 とりあえず『大剣斬』については、そちらの『創作秘話』を参照してもらうとして割愛しますが、この〝日本妖怪+80年代風スーパーロボット〟というコンセプトの対比として〝西洋怪物+美少女ロボット〟でやろうとしたのが『孤独~』のプロトタイプ『紅蓮のアルマギア』──第三弾として〝宇宙怪物+リアルロボット〟でやろうとしたのが『機動要塞ウォルダイン』になります。
 で、せっかく複数の『ツクール』を持っていましたから、各作品で『ツクール』も替えるつもりでした。
 第一弾『大剣斬』が『シミュレーションRPGツクール』だったので『アルマギア』は『RPGツクール』として作成着手──そして『ウォルダイン』は『恋愛シミュレーションツクール』で作成予定でした。
 つまり『パイロット育成&恋愛シミュレーション』だったのです。
 ところが、御存知『大剣斬頓挫事変』により後続作品も御蔵入り。
 そして創作表現媒体が『小説』へと推移した事で、第二弾『アルマギア』は『孤独~』へと新生しました。
 で『ウォルダイン』は『vs,SJK』へと新生……ではないのです、実はwww
 純粋な誕生動機は、やはり冒頭記述の通り『孤独~』との対比と掛け持ち意向です。
 ですが〝宇宙怪物+美少女チーム+インヴェーション〟というコンセプトは物の見事に踏襲しました。
 要するに『ウォルダイン』は直接的アーリーではなく、遠因的ルーツという事になるのです(この辺りが『孤独/アルマギア』とは決定的に違うところです)。


 さて、やがて自己表現媒体が『小説』へと推移すると、いよいよ『vs,SJK』の雛形企画が着手されます(まだ『vs,SJK』というタイトルではありませんでしたが)。
 理由は冒頭で述べた通り。
 ですので根底的には『孤独~』と真逆の方向性で行こうと……作風はじめ何から何まで。
 そうなると自ずと必須要素も浮き彫りになります。
 最低限重視の構築要素は〈美少女/SF/宇宙人&ベム&UMA/ライトポップ作風〉といったところですか……『ウォルダイン』時期の〈ロボット〉という要素が無くなったので、戦闘要素として〈変身ヒロイン〉という項目も加味されました。

 同時に、作風に於ける直接的な動機は(タイトルで嗅ぎとった鋭い人もいるかと思いますが)大島永遠先生の名作『女子高生』が(最初の)完結を迎え、大ファンだった私が『女子高生ロス』に陥ったからです(変な語弊があるなw)。
 その後『女子高生』は新シリーズ含め二回復活しましたが、その当時はそんな流れになるなど思っていなかったので「あの素敵な遺伝子を、せめてマイワールドへ受け継ぎたい!」と……。
 つまり『女子高生』に終わってほしくなかったワケですね。
 しかし、私が逆立ちしたって、あの見事なJK世界観が描けるワケもありません(ヤローだし当たり前)。あれは大島先生の〝女性ならではの感性〟と〝鋭くもおおらかな人間観察力〟あっての無二な作風なのですから。
 で、それは最初から解っていたので、後追いはしない方向で割り切りました。
 その代わり〝私は私らしく〟を念頭に「好きなもの同士を混ぜちゃえ」とばかりに〈SFバトル〉の要素と混ぜて〈JKライフ〉との化学反応を楽しむ事にしたのです。
 そうした経緯で、前述の『ウォルダイン』のコンセプト〈侵略宇宙人防衛SF〉と重なったワケですね(まぁ『ロボットもの』から『変身ヒロインもの』に変わりましたが)。
 結果、JKとは名ばかりの脱線をして、ありがちな『萌娘バトルもの』に……。
 でも「コレはコレでいいかぁ……出来上がったものが〝その作品らしさ〟だもんな」とも割りきっています。

 そんな経緯から企画段階でのタイトルは『戦え!宇宙女子高生』でした。ベタベタなダサネーミングですが、コレは意図的なものです。つまり『内容自体はコテコテで御約束な凡百』でしたから、あえて『レトロチック強調のダサネーミング』に直球表現したのです。
 ところが次第に「このタイトルでは、さすがに今時の読者から好奇心を誘発できないか」と思い直し、新タイトルを再考案……初見読者に「お? 何だコレ?」と思わせつつ、作品像そのものを反映したタイトルを模索しました。

 本編で述べられている通り〈SJK〉とは〈SpaceJK〉の略──つまり〈宇宙女子高生〉の英訳略語です。
 ですが、第2案タイトルでも〈SJK〉という発想までは行かず『戦え!スペースJK』でした(惜しい!w)。
 が、何かしっくり来ない。
 で「いっそ全部略したら、どうだろか?」と思い立って、ようやく〈SJK〉という名称が浮かびます。
「やった! この耳慣れない略語なら初耳に『何だコレ?』と興味を惹けるし、意味も本質を要約している! おまけに字面的にも見映えがいい!」と会心の出来を自覚しました……が〈SJK〉が〝セカンド女子高生/女子高生二年〟を意味する用語として後年に確立するとは、この時は露とも予測できず(この時には存在しない略語だったのよ)www
 これと同時に『戦え!』という接頭語が、どうしてもダサい心象を生むと把握して廃止。
 ですが、単に『SJK』だけでは語感が悪い。
 やはり接頭語は据えたい。
 かと言って『戦え!SJK 』では、やはりカッコ悪い。せっかく会心の略語を作っても脱却できないまま後戻りです。
 ここでまたまた試行錯誤に陥ります。
 打開ヒントとなったのは『ゴジラシリーズ』です。
 あの作品は『ゴジラ対 ● ● / ● ● 対ゴジラ』と対戦相手名を代えて冠しているだけで、根本的な『ゴジラ対/対ゴジラ』の部分は変わりません。
 本作は毎回(毎章)対戦相手を代える『ウルトラマン』図式と決まっていましたから、これは同質の法則だぞ……と。
 で、この『対』を『vs』へとすげ替えて、ようやく現タイトル『vs,SJK』となったのです。
 すごく苦心して満足のいくタイトル……だったんですが、最近になって気付いた盲点が!
 これ『VS嵐』と同じコンセプトだ!www


 この『vs,SJK』は『ウルトラマン』を強く意識して作風着手されました。
『毎回新たに現れる侵略宇宙人or怪獣を、同方向性の異形存在に変身して迎え撃つ』というプロットはもちろん、主人公マドカがメタリックボディに生体変身するのも、また〈アートルベガ〉というネーミングも、原点は『ウルトラマン』に起因しています(〈アートル〉は英語スペルで〈ARTLU〉……〈ULTRA〉の逆読アナグラムなのです)。
 主人公・マドカにしても公開版直前までは〝日向マドカ〟ではなく〝天谷マドカ〟という名前で、コレは〝天谷円〟→〝天(宇宙)+谷円〟→〝円谷〟というネーミングなのでした。
 心酔的にリスペクトしている〈円谷プロ〉に対する、私なりのオマージュパロディです。
 私にとって〈SF〉を語るには『ウルトラマン』は分析論基盤のひとつなのです。


 マドカの根本モチーフが〈ウルトラマン〉という事は述べましたが、実は〝星河ジュン〟にもモデルがいます。
 昭和スペースオペラアニメの佳作『OKAWARI-BOY スターザンS』のヒロイン〝八神ジュン〟です(ええ、そうです。私は昭和世代ですwww)。
 このヒロインは当時からかなりの萌え対象で、忘れられない偏愛娘でした(まぁ記憶風化の脳内美化もあって、現在見るとどうなのかな……とは思いますけど)。
 それをマイキャラクターとして新生させたのが、彼女なのです。
 なので髪型は、ほぼまんまwww
 ただし中身は別物ですけど。
 実は企画段階では、彼女も〈ベガ〉でした。
 ですが〝普通感覚の視点〟を受け持ってもらおうと没にしています。つまり〝非日常〟に踏み入ってしまうマドカを〝日常感〟に繋ぎ止めるパイプ役ですね。
 敢えて名残とも言えるのが〈規格外のコンダクター能力〉という異能特徴になります。


 主役三人娘の一人であり重要なキーパーソンでもある〝クルロリ〟ですが、もしかしたら『新世紀エヴァンゲリヲン』の〝綾波レイ〟がモデルと思われている方もいるかもしれません。
〝銀髪シャギーボブ〟に〝無抑揚&感情欠落〟ですから、そう思われても仕方ありません……が、実は違いますw
 構築要素となったのは〝古典的な人間型宇宙人像〟に他ならないのです。
 キャラクタースタンス的には古典SF小説『幼年期の終わり』に決まっていました。ですが〈アレ〉の容貌では怪物なので『萌えっ子もの』として成立しない──という事で〝懐古的宇宙人像〟から発想しています。
 昭和初期~中期には〝オカッパ美女〟が〈女性型宇宙人〉の王道にして花形でした(海外特撮ドラマ『空飛ぶ円盤UFO』とか『ゴジラ』の〈X星人〉とか)。それを踏襲したものの現代的には〈ヒロイン〉として機能しづらいダサさがあるのも事実なので、軽くシャギーを入れたのです。
 一方で〝銀髪〟は名作SFホラー映画『光る目』から来ています(ジョン・カーペンター監督版が大好きなので)。
 この辺りの着想は、作品完結後に放映された『妖怪学園Y』の〝来星ナユ〟が全く同じだったので、個人的に微笑ましかったりして(当然、容姿も酷似した……源泉同じだからw)。


 ちゃっかり日向家に居座った〈ラムス〉ですが、彼女は出世魚です。
 本来は『vs, ブロブ篇』の敵役に過ぎず、倒されて終わりでした。
 ところが書いている内に個性が好きになりまして……ですが、その段階でも「この章で出番終わり」でした。
 それをブチ壊したのは……バカマドカの「そうだ! 家族になろう!」発言ですw
 自分で綴っていながらも「今後の展開も考えずに、コイツ何言い出したッ?」と困惑しました……ホントwww
 ですが、こうした〝場当たり的な展開変質〟こそが本作で狙っていたスタンスでもありました。そうする事で『読めない展開(脱テンプレ)』を謀れ、また〝勢い〟も生まれます。
 なので、ある意味ラムスは象徴的な着地をしたキャラクターでもありますね。
 ちなみにデザインが『幽★遊★白書』の〝雪菜ちゃん〟にソックリとなりましたが、これは偶然。
 脳内モチーフは『ニセコイ』の〝橘真理花〟です(だから〝長もみあげ〟〝ですわ言葉〟〝辛辣毒舌〟なワケです)。
 それに対する微々とした差別化と〈ブロブ〉としての特徴(緑の髪色とか)を加味したら……何故か〝雪菜ちゃん〟に。


 一番曰く付きなのが〝シノブン〟こと〝胡蝶宮シノブ〟です。
 姉妹コンテンツ『凰太郎WORLD~CHARACTER FILE~』で彼女の項を御覧頂いた方は承知でしょうが、物の見事に大ヒット作品『鬼滅の刃』の人気ヒロイン〝胡蝶しのぶ〟と名前が被りましたwww
 しかしながら、これまた偶然。
 冒頭から述べている通り本作は(未完成とはいえ)かなり昔のオフライン環境期から執筆していました。
 当然『鬼滅』は存在していません。
 WEB環境を得て投稿活動を始めた時期になると『鬼滅』は存在していました(フィーバー直前期?)。
 けれど、その段階では気付かず……完結しばらく経ってから「被っとるやん!」とwww
 ですが、まったく違うネーミング由来です。
 そもそも〈宇宙忍者ライバル〉というのは据える予定でした。この〈宇宙忍者〉というコンセプトはグッと来るんですよ……『ウルトラマン』の〈バルタン星人〉とか『トランスフォーマー ザ★ヘッドマスターズ』の〈シックスショット〉とか。
 で、花形宇宙怪物である〈モスマン〉というのも決まっていました。
 この〈モスマン〉から〈蛾〉を詩的転化して〈蝶〉──少し前に執筆した掌篇『籠宮胡蝶は何故死んだのか?』で〈胡蝶〉という響きが気に入っていたので転用(だから〝宮〟も付いている)。そして〈忍者〉という特性から〝シノブ〟となったのです。
 正直、改名も一考しましたが、それをすると全発表サイトを全面改訂という大作業になりますし、何よりも「ああ、やはり『鬼滅』から頂いたのか」と誤認が強まりそうなのがイヤなので、そのまま通す事にしました。
 でも、本編を読んで頂ければ……全然起点が違う別物というのは感受出来るよね?www


 そして〝モエル〟……この娘に関しては、ラムスやシノブンと違って脳内イメージは無く、執筆する実作業段階で場当たり的に生まれました(とはいえオフライン執筆期ですけど)。
 先述の二人の〈ベガ〉とは毛並みを変えなきゃならないので困った感はありますね。もう、先の二人で〝やりたい像〟は出しちゃったので。
 おまけに〈モスマン〉〈ブロブ〉と並ぶスターベムとして〈フラットウッズ・モンスター〉というのは決まっていましたから、それを〈萌えっ娘〉にするには〈パイロット〉にするしかないかなぁ……と。ただし〈フラットウッズ・モンスター〉自身である必要はあるので〈分身体〉としました。このヒントは『トランスフォーマー』の〈マスター戦士型〉ですね。
 漠然ながらもビジュアルイメージを固める糸口になったのは〝清廉フェロモンの王道萌えっ娘〟という点と〝ムチムチ肉感のパイロットスーツ〟という要素で……脳内イメージでは自然と『 To LOVEる』の〝ララ〟が浮かんでいました。
 ですが、そこは『vs,SJK』www
 マトモなキャラでは通せません。
 綴る最中で自然と〝ストーカー設定〟が付随しました。
 あまり強く思い入れはしてなかったのですが、最終決戦では重要なキーパーソンと機能しましたね。
 コレ、偶発的展開です。
 私自身は〝そういう展開〟になるとは想像もしていなかった。
 こうした〝偶発的な展開〟こそが『FSF』を〝行き当たりばったりノープラン執筆〟にした目的でもあります。
 ま、面白くなれば脳内構想から掛け離れても善いw


 さて、実は本作には〝もうひとつの着手理由〟があります。
 それは最近マニア主観で定着している〈ハードSF至上主義〉に対するアンチテーゼです。
 要するに「リアルじゃなければ〈SF〉とは呼べない」という偏った価値観ですね。
 私的にサブいんですよ……「難解な理論武装に溺れている俺達はパンピーレベルよりもハイレベルなんだぜ ♪ 」とかいう感じの自己満選民意識がw
 斜にカッコつけたところで『SF』の本質は『大衆娯楽』に過ぎません。
 論に溺れたきゃ、本気で〈科学者〉目指した方がいい。その方が有益ってモンです(本人的にも社会的にも)。
 で、そこに対するアンチテーゼ提唱として〝科学論ビギナーでも肌感覚で楽しめるSF〟をやりかった。
 そして、そうした理由から、私は自己小説『vs,SJK』『G-MoMo』を『FSF /Fuzzy Science Fiction』とシリーズを銘打ちました(この辺りは『創作論:SF定義の大前提』参照)。
 やがて本作完結後、この〝バカバカしくも明るく楽しい等身大なSF〟という路線は『G-MoMo~銀暦少女モモ~』へと受け継がれました。
 マドカからモモカへと新旧バトンタッチです。
 実際、シリーズ展開の視野は不鮮明でしたが、本作完結時に、この『楽しく賑やかな世界観』が終わるのが寂しくもあり……新作着手の経緯となりました(この辺りの詳細は、また『創作秘話:G-MoMo』を綴る際に……)。
 少なくとも〈NOVEL DAYS〉では両作品とも御好評頂いているようで……という事は「私の『FSF 』という理念は、ある程度受け入れられている」って事でいいのかな?w


 本作及び『FSF 』は主柱作品『闇暦戦史』との対比からテーマ性やメッセージ性よりも一過的娯楽に意図的特化したシリーズです。
 『闇暦』が「読者の琴線を震わせる骨太重厚なドラマツルギーを!」と描かれているのに対して「バカバカしくもゲラゲラ笑えて、それでいながらほっこりとエモる」がコンセプトです。
 そうした対比構成から、基本的には何処のサイトでも『闇暦』に比べて支持率はガクンと下回ります(此処〈NOVEL DAYS〉のように『闇暦』と互角以上に張れる事象の方が稀有)。
 やはりドシリアスに抉り込む『闇暦』に比べると「チープな凡百」と映るのでしょうね。
 ま、その作風こそが本シリーズの〈狙い〉でもあったワケですが。
 どうしても最近は『深刻に掘り下げたシリアス作風』や『綿密に練り込まれている全体構成』が無いと二流三流のレッテルで軽視されがちな風潮があります……が〈娯楽/エンターテイメント〉って〝それ〟だけが総てじゃない。
 特に何も負わずに、何も考えずに、ただゲラゲラ笑えて「あー面白かった」で終わる作品も、立派な〈エンターテイメント〉だと私的には捉えています(無論、紡ぎ手は〝そこ〟に対して真っ向から切磋琢磨しなければいけませんが)。
 うん、別段〝高尚趣味〟である必要はない。
 だって全部が全部『ジブリ』や『エヴァ』や『Fate』ばかりじゃ閉塞感に神経焼ききれちゃうでしょ?w
 混在的に『おそ松さん』や『ウルトラマン』や『ドラえもん』とかも無いとね?
 うん『大河』も『ドリフ』もあっていい。
 それが『娯楽エンタメ』というもの。
 少なくとも本作は、そうした『一過的にでも読者を明るい気持ちにさせる通俗娯楽』として描いています。
 だから、読者に「マドカやモモカと遊んでるみたいで楽しかった」と感じてもらえれば(そして、キャラクターに親近感と愛着を抱いて頂ければ)作者的には「成功した」と言えるシリーズですね。
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✒小説『vs,SJK』✒

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