オルゴール
文字数 3,751文字
――認めたくなかった。もう、この世のどこにもあなたがいないという事実を……――
「いらっしゃい」
しわがれた優しい声に顔を上げた。硝子張りのカウンター越しから、一人のおじいさんが僕に笑いかけている。
「えっ…と……」
「なんのご用かな?」
そう聞かれても、僕にも答える術がなかった。ここが一体何処で、何のお店かさえ分からなかったのだから。
「あ、あの……」
答えに苦心して辺りに視線を彷徨わせる。目に入って来たのは、店内のあちらこちらに飾られた様々なオルゴールだった。据え置き型のものから片手にすっぽりと収まってしまいそうなほど小さなものまで。中でも一番目を引いたのは、蓋に豪華な装飾が施されたいかにも値が張りそうなオルゴールだった。
「ここは、オルゴール屋なんですね」
「オルゴール屋はオルゴール屋でも、修理専門じゃがな」
僕の言葉に、おじいさんは鼻の上の黒縁眼鏡をちょいと上げて答えた。
「修理専門?」
「そうじゃよ。お前さんも修理依頼に来たんじゃろ?」
「え?ぼ、僕は別に……」
さも当たり前の様に言うおじいさんに、僕は困って口を噤んだ。
つい先程までここがどんな場所かすら知らなかっ僕が、修理依頼のためにここへ来るわけがない。
「違うのかい?なら、その手に持ってるオルゴールは、わしの見間違いかの」
言われて手元を見ると、確かに僕は白っぽい木で作られた長方形のオルゴールをしっかりと両手で持っていた。
「……いつの間に……」
「ここへ来た時から、手に持っていたじゃないか」
唖然として手元を見つめる僕に、おじいさんは呆れた声でそう言って溜息をついた。
「それで、一体どんな壊れ方をしているのかな?そのオルゴールは」
「壊れ方?」
「音が出ないとか、ゼンマイが巻けないとか色々じゃな」
「……わかりません……」
僕は素直に答えた。
『ふざけるな!』と罵倒が飛んで来るかと身構えたが、おじいさんは難しい顔をして考え込んでしまった。
「あの……?」
「お前さんは、本当に何も分からずここへ来てしまったんじゃな」
急に顔を上げると、おじいさんは僕が今まで見た事ないくらい真剣で寂しい笑みを浮かべた。
――違う、知っている……
「……え?」
「オルゴールを見せてくれんか?」
頭の中にぼんやりと何かが浮びかけた時、おじいさんが優しく尋ねて来た。
「あ、はい」
カウンター越しに伸ばされたおじいさんの手に、オルゴールを渡した。おじいさんはオルゴールを引っくり返したり、目の高さまで持って行ったりして仕切りに感心したように頷いていた。
「ふむ。なるほどのう。これは、誰かの手作りじゃな。良くできておる」
「手作り……?」
――これ、作ったのよ。あなたの……
「……僕……」
「じゃが、どうやら音が鳴らないようじゃのう」
「え……」
また何かを…何かを思い出しかけた。一体なんなのだろうか?
「音が、鳴らない?」
「まるで、今のお前さんみたいじゃな」
「え?」
おじいさんは目を細めて僕を見た。
「歌を忘れたカナリアじゃよ。お前さんは、なんでここへ自分が鳴らないオルゴールと共に来たのか少しも分かっておらん」
「……」
「ここはのう。オルゴール専門の修理店であると同時に、人の心の病を治すところなんじゃよ」
「心の病?」
「この店に飾られとるオルゴールはのう、」
そう言いながら店内をぐるりと眺めるおじいさんにつられて、僕も視線を周囲へと向ける。
「たった一人のために作られた、世界でたった一つしかないオルゴールたちなんじゃよ」
「たった一人のための、たった一つしかないオルゴール……」
――あなたのために。
「僕のために……」
「そうじゃ。このオルゴールはお前さんのためにお前さんのことを思ってくれておる、誰かさんが作った物じゃ」
おじいさんは自分の子供を慈しむ様に、そっと手の中のオルゴールを撫でた。
「僕のことを思っていてくれる誰か……」
――あなたが、私を……
「その人は、」
ズキンと胸が痛んだ。
これは……悲しみ?
――覚えていてくれるように。
「……思い出したみたいじゃな」
スッと頬を涙が流れ落ちた。
「……忘れないよ。忘れるわけ、ないじゃないか」
いつも僕の傍にいてくれた人。自分よりも僕のことばかり心配してくれた人。いつも優しい笑みを僕にくれた人。誰よりも本気で僕のことを叱ってくれた人。
そして、誰よりも…何よりも失いたくなかった人。
「お前さんは、その人のことを認めたくなかったのかい?」
おじいさんの労わる労わる様な問いかけに、僕は涙を拭うことなく黙って首を横に振った。
「じゃあ、何故このオルゴールは鳴ろうとしないのかの?」
今度は叱る様に問いかけて来る。
「……僕が…僕が認めたくなかったんだ。僕の一番傍にいてくれた人が…誰よりも幸せにならなきゃいけなかった人が、もうこの世の何処にもいないってことを……」
真っ白な建物。真っ白な部屋。真っ白な洋服。真っ白な手足。真っ白な――
その中で、姉さんだけが真っ赤に染まった。
お医者様は、「残念ですが、治る確率は限りなくゼロに等しいでしょう」と目を伏せた。
お父さんとお母さんは、「可哀そうに」と連呼して、一日中泣いていた。
近所のおばさんたちは、「気の毒に」ばかり僕に言って通り過ぎて行った。
姉さんの友達がお見舞いに来る度に、「早く元気になってね」と、上辺ばかりの言葉を残していった。
僕は……僕は、ずっと傍にいてずっと姉さんを黙って見ていた。何か喋れば僕は嘘をついてしまいそうで。目をそらしたら姉さんが消えてしまう様で。少しでも席を外したら、その存在さえなかったことになってしまいそうで……怖かった。
「お前さんの大切な人はお前さんがそうなってしまうことを、望んではおらんかったはずじゃ」
黙ったままの僕に、おじいさんは優しく、だけど強い口調で諭すように語る。
「お前さんは、認めねばならん。お前さんの大切な人が、もうこの世におらんという事実をの」
「分かっています。もう、姉さんはこの世にいないこと。分かっているんです。分かって――」
――分かっているからこそ、余計に認めたくなかった。
涙になって零れ落ちた言葉に、おじいさんはしっかりと受け止めるように僕の頭をゆっくりと撫でた。
「お前さんなら大丈夫じゃ。ゆっくりでいい。ゆっくりでいいから、受け止めて行きなさい」
静かなおじいさんの言葉に、僕は涙を拭いながら何度も頷いた。
――修理は終わりじゃ。お前さんのオルゴールは、ちゃんと直ったようじゃよ。
――え?
夢現。ぼんやりとぼやけたお店とおじいさんの声に、僕の意識は遠のいていった。
* * * * *
開いた視線の先に、天井が映りくるくると回るぼんぼりの灯りが見えた。
「……?」
起き上がって辺りを見ると、そこは畳十二枚分ぐらいの表座敷だった。畳の痕が付いた頬を撫でながら、僕はまだぼやけた目を擦ってぼんぼりの回る先へと視線を向けた。
「……姉さん」
ぼんぼりの灯りに照らされて、黒い額縁の中で姉さんが笑っていた。
ああ、そうか。今日は、姉さんのお葬式の日だった。
姉さんとの別れは突然だった。でも、僕も姉さんもその日が最後になるだろうと、何となく分かっていた。
『これ、あなたにあげるわ』
そう言って差し出されたのは、一つのオルゴールだった。僕が不思議い思いながらそれを受け取ったのを覚えている。
『あなたのために作ったのよ。あなたが私のことを、憶えていてくれるようにね』
そう言って笑った姉さんの言葉が、最後の会話になった。
それからずっと、オルゴールの蓋を僕は開けられずにいた。
「……そうだ、オルゴール」
ハッとして、思い出したその存在を求めて僕は立ち上がった。
表座敷の脇にある二階への階段を駆け上がり、少々乱暴に自分の部屋のドアを開けた。入って右側にある本棚の上から二段目奥から、白い小さな木製のオルゴールを探り出す。そっと片手の平に持ち、空いた指先でその表面を撫でた。ニスで光るそこには、確かにボコボコとした手作りの感触がしていた。このオルゴールがどんな音色を奏でるのか、そんなことさえ僕は知らない。
「……姉さん……」
思いが募って、零れ出した涙が手の中のオルゴールを濡らしていく。
蓋に手をかけて、そっと開けた。中から溢れた優しい音色が、耳をくすぐって部屋中に満ちた。あの時、姉さんが僕のために手ずから巻いたネジが、今やっと解けて行く。
“浪漫飛行”
姉さんの一番大好きなオルゴール曲。
「ああ、そうだ。そうだったね。この曲だったよね」
涙の中で、僕はオルゴールに向かって微笑んだ。
「ごめんね。ずっと鳴らしてあげなくて。僕のために姉さんが作ってくれた、僕だけの君なのにね」
なんとなく。なんとなくだけど、オルゴールが一層綺麗な音色を鳴らしたような気がした。それはまるで嬉しそうに、笑っているかのように僕には思えてならなかった。
あの時以来、オルゴール専門修理店を僕が訪れることはできなかった。
おじいさんにお礼を言いたいけど、それも叶っていない。けれどもきっと、それでいいのだろうと思う。おじいさんが直してくれた僕のオルゴールは、これからもずっと鳴り続けて行く。僕の中の、姉さんの記憶と共にずっとずっと僕の傍らで。
おしまい
「いらっしゃい」
しわがれた優しい声に顔を上げた。硝子張りのカウンター越しから、一人のおじいさんが僕に笑いかけている。
「えっ…と……」
「なんのご用かな?」
そう聞かれても、僕にも答える術がなかった。ここが一体何処で、何のお店かさえ分からなかったのだから。
「あ、あの……」
答えに苦心して辺りに視線を彷徨わせる。目に入って来たのは、店内のあちらこちらに飾られた様々なオルゴールだった。据え置き型のものから片手にすっぽりと収まってしまいそうなほど小さなものまで。中でも一番目を引いたのは、蓋に豪華な装飾が施されたいかにも値が張りそうなオルゴールだった。
「ここは、オルゴール屋なんですね」
「オルゴール屋はオルゴール屋でも、修理専門じゃがな」
僕の言葉に、おじいさんは鼻の上の黒縁眼鏡をちょいと上げて答えた。
「修理専門?」
「そうじゃよ。お前さんも修理依頼に来たんじゃろ?」
「え?ぼ、僕は別に……」
さも当たり前の様に言うおじいさんに、僕は困って口を噤んだ。
つい先程までここがどんな場所かすら知らなかっ僕が、修理依頼のためにここへ来るわけがない。
「違うのかい?なら、その手に持ってるオルゴールは、わしの見間違いかの」
言われて手元を見ると、確かに僕は白っぽい木で作られた長方形のオルゴールをしっかりと両手で持っていた。
「……いつの間に……」
「ここへ来た時から、手に持っていたじゃないか」
唖然として手元を見つめる僕に、おじいさんは呆れた声でそう言って溜息をついた。
「それで、一体どんな壊れ方をしているのかな?そのオルゴールは」
「壊れ方?」
「音が出ないとか、ゼンマイが巻けないとか色々じゃな」
「……わかりません……」
僕は素直に答えた。
『ふざけるな!』と罵倒が飛んで来るかと身構えたが、おじいさんは難しい顔をして考え込んでしまった。
「あの……?」
「お前さんは、本当に何も分からずここへ来てしまったんじゃな」
急に顔を上げると、おじいさんは僕が今まで見た事ないくらい真剣で寂しい笑みを浮かべた。
――違う、知っている……
「……え?」
「オルゴールを見せてくれんか?」
頭の中にぼんやりと何かが浮びかけた時、おじいさんが優しく尋ねて来た。
「あ、はい」
カウンター越しに伸ばされたおじいさんの手に、オルゴールを渡した。おじいさんはオルゴールを引っくり返したり、目の高さまで持って行ったりして仕切りに感心したように頷いていた。
「ふむ。なるほどのう。これは、誰かの手作りじゃな。良くできておる」
「手作り……?」
――これ、作ったのよ。あなたの……
「……僕……」
「じゃが、どうやら音が鳴らないようじゃのう」
「え……」
また何かを…何かを思い出しかけた。一体なんなのだろうか?
「音が、鳴らない?」
「まるで、今のお前さんみたいじゃな」
「え?」
おじいさんは目を細めて僕を見た。
「歌を忘れたカナリアじゃよ。お前さんは、なんでここへ自分が鳴らないオルゴールと共に来たのか少しも分かっておらん」
「……」
「ここはのう。オルゴール専門の修理店であると同時に、人の心の病を治すところなんじゃよ」
「心の病?」
「この店に飾られとるオルゴールはのう、」
そう言いながら店内をぐるりと眺めるおじいさんにつられて、僕も視線を周囲へと向ける。
「たった一人のために作られた、世界でたった一つしかないオルゴールたちなんじゃよ」
「たった一人のための、たった一つしかないオルゴール……」
――あなたのために。
「僕のために……」
「そうじゃ。このオルゴールはお前さんのためにお前さんのことを思ってくれておる、誰かさんが作った物じゃ」
おじいさんは自分の子供を慈しむ様に、そっと手の中のオルゴールを撫でた。
「僕のことを思っていてくれる誰か……」
――あなたが、私を……
「その人は、」
ズキンと胸が痛んだ。
これは……悲しみ?
――覚えていてくれるように。
「……思い出したみたいじゃな」
スッと頬を涙が流れ落ちた。
「……忘れないよ。忘れるわけ、ないじゃないか」
いつも僕の傍にいてくれた人。自分よりも僕のことばかり心配してくれた人。いつも優しい笑みを僕にくれた人。誰よりも本気で僕のことを叱ってくれた人。
そして、誰よりも…何よりも失いたくなかった人。
「お前さんは、その人のことを認めたくなかったのかい?」
おじいさんの労わる労わる様な問いかけに、僕は涙を拭うことなく黙って首を横に振った。
「じゃあ、何故このオルゴールは鳴ろうとしないのかの?」
今度は叱る様に問いかけて来る。
「……僕が…僕が認めたくなかったんだ。僕の一番傍にいてくれた人が…誰よりも幸せにならなきゃいけなかった人が、もうこの世の何処にもいないってことを……」
真っ白な建物。真っ白な部屋。真っ白な洋服。真っ白な手足。真っ白な――
その中で、姉さんだけが真っ赤に染まった。
お医者様は、「残念ですが、治る確率は限りなくゼロに等しいでしょう」と目を伏せた。
お父さんとお母さんは、「可哀そうに」と連呼して、一日中泣いていた。
近所のおばさんたちは、「気の毒に」ばかり僕に言って通り過ぎて行った。
姉さんの友達がお見舞いに来る度に、「早く元気になってね」と、上辺ばかりの言葉を残していった。
僕は……僕は、ずっと傍にいてずっと姉さんを黙って見ていた。何か喋れば僕は嘘をついてしまいそうで。目をそらしたら姉さんが消えてしまう様で。少しでも席を外したら、その存在さえなかったことになってしまいそうで……怖かった。
「お前さんの大切な人はお前さんがそうなってしまうことを、望んではおらんかったはずじゃ」
黙ったままの僕に、おじいさんは優しく、だけど強い口調で諭すように語る。
「お前さんは、認めねばならん。お前さんの大切な人が、もうこの世におらんという事実をの」
「分かっています。もう、姉さんはこの世にいないこと。分かっているんです。分かって――」
――分かっているからこそ、余計に認めたくなかった。
涙になって零れ落ちた言葉に、おじいさんはしっかりと受け止めるように僕の頭をゆっくりと撫でた。
「お前さんなら大丈夫じゃ。ゆっくりでいい。ゆっくりでいいから、受け止めて行きなさい」
静かなおじいさんの言葉に、僕は涙を拭いながら何度も頷いた。
――修理は終わりじゃ。お前さんのオルゴールは、ちゃんと直ったようじゃよ。
――え?
夢現。ぼんやりとぼやけたお店とおじいさんの声に、僕の意識は遠のいていった。
* * * * *
開いた視線の先に、天井が映りくるくると回るぼんぼりの灯りが見えた。
「……?」
起き上がって辺りを見ると、そこは畳十二枚分ぐらいの表座敷だった。畳の痕が付いた頬を撫でながら、僕はまだぼやけた目を擦ってぼんぼりの回る先へと視線を向けた。
「……姉さん」
ぼんぼりの灯りに照らされて、黒い額縁の中で姉さんが笑っていた。
ああ、そうか。今日は、姉さんのお葬式の日だった。
姉さんとの別れは突然だった。でも、僕も姉さんもその日が最後になるだろうと、何となく分かっていた。
『これ、あなたにあげるわ』
そう言って差し出されたのは、一つのオルゴールだった。僕が不思議い思いながらそれを受け取ったのを覚えている。
『あなたのために作ったのよ。あなたが私のことを、憶えていてくれるようにね』
そう言って笑った姉さんの言葉が、最後の会話になった。
それからずっと、オルゴールの蓋を僕は開けられずにいた。
「……そうだ、オルゴール」
ハッとして、思い出したその存在を求めて僕は立ち上がった。
表座敷の脇にある二階への階段を駆け上がり、少々乱暴に自分の部屋のドアを開けた。入って右側にある本棚の上から二段目奥から、白い小さな木製のオルゴールを探り出す。そっと片手の平に持ち、空いた指先でその表面を撫でた。ニスで光るそこには、確かにボコボコとした手作りの感触がしていた。このオルゴールがどんな音色を奏でるのか、そんなことさえ僕は知らない。
「……姉さん……」
思いが募って、零れ出した涙が手の中のオルゴールを濡らしていく。
蓋に手をかけて、そっと開けた。中から溢れた優しい音色が、耳をくすぐって部屋中に満ちた。あの時、姉さんが僕のために手ずから巻いたネジが、今やっと解けて行く。
“浪漫飛行”
姉さんの一番大好きなオルゴール曲。
「ああ、そうだ。そうだったね。この曲だったよね」
涙の中で、僕はオルゴールに向かって微笑んだ。
「ごめんね。ずっと鳴らしてあげなくて。僕のために姉さんが作ってくれた、僕だけの君なのにね」
なんとなく。なんとなくだけど、オルゴールが一層綺麗な音色を鳴らしたような気がした。それはまるで嬉しそうに、笑っているかのように僕には思えてならなかった。
あの時以来、オルゴール専門修理店を僕が訪れることはできなかった。
おじいさんにお礼を言いたいけど、それも叶っていない。けれどもきっと、それでいいのだろうと思う。おじいさんが直してくれた僕のオルゴールは、これからもずっと鳴り続けて行く。僕の中の、姉さんの記憶と共にずっとずっと僕の傍らで。
おしまい