第17話 港側の孤児院の事
文字数 1,356文字
最近の私は、エドをお見送りした後は少しのんびりして、午後から港側の孤児院に散歩がてらに行っている。
特に何をするでも無いのだけど、子ども達が畑の世話をしたり遊んだりしているのを、ケイシーと二人でぼ~っと眺めている。
私たちが座っている柵は丈夫だわ。木で出来ているのに、2人で座っていても、きしみもしない。
ビリーは畑仕事が終わった後、子ども達が遊んだりお昼寝をしたりする間、執務室で書類の整理をしていた。
出来る限り、子ども達の身元も調べ直しているようだ。
ただ、ストリートキッズなんてやっていた子どもたちだ。
身元なんて分かる方が、珍しい。
もし分かっても、親も荒れた生活をしていて、生きていたとしてもとても親元に帰せる状態じゃないのが現状だ。
そんな港側と違って、サマンサが管理をしている孤児院の子ども達は、災害孤児が多い。
災害が無ければ、親元できちんとした生活が送れていた子達だ。
だから、もともと住んでいた土地を領地で管理をしていて、成人した子ども達はその土地で暮らしている。
ビリーが管理している孤児院の子ども達はそういう訳には、行かない。
物心ついた頃から、生きるためとはいえ、ひったくりや盗みをして来た子供たちだ。
里親を探すにしても、難しいのかもしれないわ。
「あらあら、奥様。どうぞ中へお入りくださいませ。お茶でも入れましょう」
子ども達がお昼寝に入った頃、メリーおばさんが声を掛けてくれる。
この時間に仕事が一段落するのだろう。
「まぁ、ありがとうございます。さぁ奥様、参りましょう」
メリーおばさんの声掛けに、ケイシーが反応して私を促し建物の中へ入って行った。
中は閑散としている。扉を開けるとすぐに大きなテーブルが目に入る。
子ども達が起きていると手狭に感じるこの空間も、今は年長者が二人テーブルにいるだけなので、広く感じる。
私たちも、同じテーブルに着いた。
メリーおばさんが、私たちにお茶を入れてくれた。
「ありがとう」
私は、お茶に口を着けながら考える。
ドムとヘンリー。
歳はドムが14歳、ヘンリーが12歳なのだそうだ。
この国の成人年齢は男女ともに18歳なのだけど、貴族なら16歳にもなれば社交界デビューし、更に男性なら仕事を任される歳だ。
まぁ、女性は16歳で婚姻をしている人も多い。私もだけど……。
働き始めるのは平民の方が早いわね。
親がいれば、親の仕事を手伝っている歳だもの、二人とも。
だけど、働ける伝手も無ければ、幼い子ども達と違ってこの歳まで犯罪まがいの事をしていたのだから、このままでは信用してもらえないわよね。
このままでは…………、ってそうか。
このままで無ければ良いのだわ。
良いことを思いついた。
「何だよ。気持ち悪いな。ニタニタして……」
私の顔を見て、ドムが言ってくる。
「気持ち悪いなんて、失礼ね。ドム」
「いきなり、茶を飲みながらニタニタしだしたら何企 んでるんだって思うだろ?」
「うん。悪だくみしてる時の顔だ」
ヘンリーもそう言ってきた。
「失礼ねぇ」
私は、そう反論したのだけど、ケイシーまで
「さすがに、ストリートキッズなんてやっていた分、感が良いですわね」
なんて、感心して言っていた。
何なのよ、もう。悪だくみなんかじゃ無いわよ、失礼しちゃうわ。
特に何をするでも無いのだけど、子ども達が畑の世話をしたり遊んだりしているのを、ケイシーと二人でぼ~っと眺めている。
私たちが座っている柵は丈夫だわ。木で出来ているのに、2人で座っていても、きしみもしない。
ビリーは畑仕事が終わった後、子ども達が遊んだりお昼寝をしたりする間、執務室で書類の整理をしていた。
出来る限り、子ども達の身元も調べ直しているようだ。
ただ、ストリートキッズなんてやっていた子どもたちだ。
身元なんて分かる方が、珍しい。
もし分かっても、親も荒れた生活をしていて、生きていたとしてもとても親元に帰せる状態じゃないのが現状だ。
そんな港側と違って、サマンサが管理をしている孤児院の子ども達は、災害孤児が多い。
災害が無ければ、親元できちんとした生活が送れていた子達だ。
だから、もともと住んでいた土地を領地で管理をしていて、成人した子ども達はその土地で暮らしている。
ビリーが管理している孤児院の子ども達はそういう訳には、行かない。
物心ついた頃から、生きるためとはいえ、ひったくりや盗みをして来た子供たちだ。
里親を探すにしても、難しいのかもしれないわ。
「あらあら、奥様。どうぞ中へお入りくださいませ。お茶でも入れましょう」
子ども達がお昼寝に入った頃、メリーおばさんが声を掛けてくれる。
この時間に仕事が一段落するのだろう。
「まぁ、ありがとうございます。さぁ奥様、参りましょう」
メリーおばさんの声掛けに、ケイシーが反応して私を促し建物の中へ入って行った。
中は閑散としている。扉を開けるとすぐに大きなテーブルが目に入る。
子ども達が起きていると手狭に感じるこの空間も、今は年長者が二人テーブルにいるだけなので、広く感じる。
私たちも、同じテーブルに着いた。
メリーおばさんが、私たちにお茶を入れてくれた。
「ありがとう」
私は、お茶に口を着けながら考える。
ドムとヘンリー。
歳はドムが14歳、ヘンリーが12歳なのだそうだ。
この国の成人年齢は男女ともに18歳なのだけど、貴族なら16歳にもなれば社交界デビューし、更に男性なら仕事を任される歳だ。
まぁ、女性は16歳で婚姻をしている人も多い。私もだけど……。
働き始めるのは平民の方が早いわね。
親がいれば、親の仕事を手伝っている歳だもの、二人とも。
だけど、働ける伝手も無ければ、幼い子ども達と違ってこの歳まで犯罪まがいの事をしていたのだから、このままでは信用してもらえないわよね。
このままでは…………、ってそうか。
このままで無ければ良いのだわ。
良いことを思いついた。
「何だよ。気持ち悪いな。ニタニタして……」
私の顔を見て、ドムが言ってくる。
「気持ち悪いなんて、失礼ね。ドム」
「いきなり、茶を飲みながらニタニタしだしたら何
「うん。悪だくみしてる時の顔だ」
ヘンリーもそう言ってきた。
「失礼ねぇ」
私は、そう反論したのだけど、ケイシーまで
「さすがに、ストリートキッズなんてやっていた分、感が良いですわね」
なんて、感心して言っていた。
何なのよ、もう。悪だくみなんかじゃ無いわよ、失礼しちゃうわ。