短歌

文字数 284文字

猫十首



固そうにキャットフードを食う猫だテトラポッドをかじるみたいだ

百円のえんじ色したネクタイで猫にジャンプをしてもらう趣味

四本の足をのばして二十本の指をひらいて伸びをする猫

正しさによって猫背を直そうとする者もないネコ相手なら

神妙な顔して用を足す猫をしばし見つめる関心がある

オレたちが見ればかわいい猫だけどこの可愛さがネコにわかるか

眠ってる猫がねじれて世界から裏返ろうとするうるう秒

前足と肘の間を舐め耳に擦りつけ猫は清潔保つ

死んでいるネコが道路の隅にいて小学生のふたり駆け出す

猫耳をかぶせてみれば猫耳がとてもかわいいオレの弟
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