学生寮の温室
文字数 995文字
学校から少し離れた丘の上に、古くてボロボロな洋館が建っています。
一見、幽霊屋敷と間違いそうなその建物は、すずがお世話になっている“学生寮”でした。
特別枠で推薦入学をはたしたすずは学生寮を無料で利用しています。
と、言っても寮生はすず1人。
他の生徒達は町のお洒落なアパートか流行りのツリーハウスを借りて生活していました。
実はすずも町に住みたいのですが、高い家賃を支払う事が出来ません。
色々な理由があって彼女にはお金が無いんです。
そんなワケで有り難く学生寮を使わせてもらってるんですが…
カビ臭いし、虫は出てくるしで気が滅入ります。
唯一、屋上にある温室は気に入っているのですがソコに行くには“開かずの扉”の前を通らなければなりません。
ソレは管理人のおじさん“テツ”さんから『絶対に開けるなよ?』と念をおされた扉でした。
もちろん好奇心大勢な彼女はノブに手をかけましたが扉には鍵がかかっています。
『なぁんだ。つまらないの』
そう思った瞬間、コンコンと確かにノックの音がしました。
ドキッとして扉に視線を移すと…
間違いなく扉の向こうに何かと視線が合った…気配を感じたんです。
裂ける様な悲鳴を上げてテツさんの元へ走りました。
結果ゲンコツをもらったというのは寮生活初日の楽しい思い出です。
放課後、すずとランカは温室に集まりました。
いわゆる捜査会議です。
温室は丸いドーム型で体育館程の広さがありました。
壁は総ガラス張りで、一部はステンドグラスとお洒落な造り。
床は煉瓦造りの小道を除いて一面が芝生で敷き詰められています。
真ん中には丸いガーデンテーブルが置かれて、その周囲を囲む様に様々な植物が植えられていました。
こんな豪華な温室があるコトから、昔は特別な建物であった事をうかがわせます。
寮生が1人しか居ない今、温室はすずの貸し切り状態なので、すずとランカはよくココに集まりおしゃべりをしていました。
すずの淹れた紅茶とランカが持ってきたクッキー。
2人は学校で聞き込み…と、言うか噂話で仕入れた情報を交換し始めます。
「ねぇねぇ、昨日の夜に当直の先生が見回りした時はまだ有ったみたいよ」
「異変に最初に気付いたのは三ツ星の先輩らしーの」
雰囲気は捜査会議と言うより、ただのお茶会ですね(汗)
そんな調子で順調に会議が進む中、ランカはちょっとした異変に気が付きました。
一見、幽霊屋敷と間違いそうなその建物は、すずがお世話になっている“学生寮”でした。
特別枠で推薦入学をはたしたすずは学生寮を無料で利用しています。
と、言っても寮生はすず1人。
他の生徒達は町のお洒落なアパートか流行りのツリーハウスを借りて生活していました。
実はすずも町に住みたいのですが、高い家賃を支払う事が出来ません。
色々な理由があって彼女にはお金が無いんです。
そんなワケで有り難く学生寮を使わせてもらってるんですが…
カビ臭いし、虫は出てくるしで気が滅入ります。
唯一、屋上にある温室は気に入っているのですがソコに行くには“開かずの扉”の前を通らなければなりません。
ソレは管理人のおじさん“テツ”さんから『絶対に開けるなよ?』と念をおされた扉でした。
もちろん好奇心大勢な彼女はノブに手をかけましたが扉には鍵がかかっています。
『なぁんだ。つまらないの』
そう思った瞬間、コンコンと確かにノックの音がしました。
ドキッとして扉に視線を移すと…
間違いなく扉の向こうに何かと視線が合った…気配を感じたんです。
裂ける様な悲鳴を上げてテツさんの元へ走りました。
結果ゲンコツをもらったというのは寮生活初日の楽しい思い出です。
放課後、すずとランカは温室に集まりました。
いわゆる捜査会議です。
温室は丸いドーム型で体育館程の広さがありました。
壁は総ガラス張りで、一部はステンドグラスとお洒落な造り。
床は煉瓦造りの小道を除いて一面が芝生で敷き詰められています。
真ん中には丸いガーデンテーブルが置かれて、その周囲を囲む様に様々な植物が植えられていました。
こんな豪華な温室があるコトから、昔は特別な建物であった事をうかがわせます。
寮生が1人しか居ない今、温室はすずの貸し切り状態なので、すずとランカはよくココに集まりおしゃべりをしていました。
すずの淹れた紅茶とランカが持ってきたクッキー。
2人は学校で聞き込み…と、言うか噂話で仕入れた情報を交換し始めます。
「ねぇねぇ、昨日の夜に当直の先生が見回りした時はまだ有ったみたいよ」
「異変に最初に気付いたのは三ツ星の先輩らしーの」
雰囲気は捜査会議と言うより、ただのお茶会ですね(汗)
そんな調子で順調に会議が進む中、ランカはちょっとした異変に気が付きました。