女勇者の誤算
文字数 3,155文字
鎧を縮めるだけの下らない魔法。
だがそれは、襲い来る使い魔たちを退けつつ迷宮深部に辿り着いた頃、実に陰険な本性を明らかにし始めていた。
だがそれは、襲い来る使い魔たちを退けつつ迷宮深部に辿り着いた頃、実に陰険な本性を明らかにし始めていた。
ティアリスを集中して狙う怪物たち。
その爪や牙でアーマー胸部はズタズタに切り裂かれ、倒せば更に縮まって、裂け目からいやらしく肉をはみ出させる。
その爪や牙でアーマー胸部はズタズタに切り裂かれ、倒せば更に縮まって、裂け目からいやらしく肉をはみ出させる。
戦闘に乳房が揺れる度、危うくこぼれ出てしまいそうな乳首。剣を振るために脚を踏ん張れば、はみ出てしまいそうになる女の秘肉。
それを、どうしても意識させられてしまうのだ。
これまで気にしたこともなかった仲間たちの視線。それが今や、痛いほどに突き刺さるものとして感じられ、恥ずかしい。
それを、どうしても意識させられてしまうのだ。
これまで気にしたこともなかった仲間たちの視線。それが今や、痛いほどに突き刺さるものとして感じられ、恥ずかしい。
彼女とて子供ではない。男子木石にあらずと知っている。
自分の肉体に目を奪われる仲間を責める気はなかった。
自分の肉体に目を奪われる仲間を責める気はなかった。
だが、その下らない魔法のおかけで、ブリックは戦闘に集中できず、彼女のきわどい姿に気を取られては負傷し、スケアクロウの洞察眼はまさしく目を奪われた状態。
そして、最大の痛手はドロスの不調だった。
そして、最大の痛手はドロスの不調だった。
今も、戦闘を終えて蛮人を介抱するために周囲に聖なる結界を張ろうとしているのだが、上手くいかないでいる。
危険だ。
何か上から羽織るものがあれば隠せもしようが、そんなものはない
結局、このまま戦うしかない。
悔しいが、徐々に鎧を縮めていくだけというこの下らない魔法によって、にっちもさっちもいかない状況に追い込まれたのだと認めざるを得なかった。
思いにとらわれていたティアリスはいきなりドロスに話しかけられて跳び上がった。
よい報せだったが、彼の面持ちは険しかった。
ためらいがちに言葉を続ける。
ためらいがちに言葉を続ける。
胸と股間を隠したままにしたものか、それとも意識してない振りをするべきか迷いながら、ティアリスは結局、身体を腕で覆ったままにしていた。
聖騎士は一瞬ためらった後、彼女の手を取ると、決然と己の股間へと導いた。
鎧に隠れて気づかなかったか、そこには硬く太く滾った男の怒張がすでに外に出されて屹立していた。
驚き、慌てふためく。
突然の突拍子もない行為というだけでなく、それは彼女にとって初めて直接触れる異性の器官だった。
思いもかけない肉熱の激烈に心臓がドキドキと高鳴りを始める。
突然の突拍子もない行為というだけでなく、それは彼女にとって初めて直接触れる異性の器官だった。
思いもかけない肉熱の激烈に心臓がドキドキと高鳴りを始める。
ドロスの表情は真剣だった。
問いかけに対し、ドロスは彼女の手をゆっくりと前後に動かして、自分のものを慰める所作をさせてみせる。
顔を赤らめながら聞き返すと、聖騎士が気持ち良さそうに目を細めて頷く。
確かに、彼の言う通りだ。
ドロスの言いたいことはわかった。仲間のために何でもしてやりたい気持ちもある。
だが、
だが、
戦いと冒険に明け暮れて生きてきた彼女にとって、初めての経験。
しかし、これが淫らな行為であることはわかっていた。
それを自分が、しかも、敵を追っている、そのさ中に……!
しかし、これが淫らな行為であることはわかっていた。
それを自分が、しかも、敵を追っている、そのさ中に……!
背徳感がゾクリと胸を刺す。
行為する自らの姿が頭に浮かび、たちまち羞恥の念が湧き上がった。
そのためらいを察して聖騎士が諭す。
行為する自らの姿が頭に浮かび、たちまち羞恥の念が湧き上がった。
そのためらいを察して聖騎士が諭す。
そうだ。そう考えれば……。
仲間のため。こんな所で全滅してしまうわけにはいかないのだ。
仲間のため。こんな所で全滅してしまうわけにはいかないのだ。
魔法をかけたのはバロクとはいえ、自分の肉体のせいで引き起こされてしまっている事態だ。
せめてその分を自身でどうにかできるのなら……。
せめてその分を自身でどうにかできるのなら……。
ティアリスは心を決め、行為をしやすいようにドロスの前に膝をついた。
掴んだ剛直をおずおずと指の中で滑らせながら尋ねる。
甘い囁き声に一瞬で頭に血が上る。
握るものといえば剣の柄ぐらいの自分が、男にそんな快楽を与えることができるなど、考えたこともなかった。
そのままさすりながら見上げると、ドロスは目を閉じて、うっとりとした顔をしている。
そのままさすりながら見上げると、ドロスは目を閉じて、うっとりとした顔をしている。
そうさせているのは他ならぬ自分なのだと思うと、何故か胸の奥がキュンと締め付けられる。
さすがに驚いて聞き返す。
仲間のためとはいえ、そこまで……! 戸惑い、固まるティアリス。
そこへ、スケアクロウとブリックが気づいてやって来る。
そこへ、スケアクロウとブリックが気づいてやって来る。
慌てて弁明しようとする。頬が燃えるように熱い。
引き取って説明するドロスの落ち着いた口調に、ティアリスもどうにか取り繕うことができた。
それを聞いて二人がおおと感嘆する。
そう言ってドロスが亀頭を突き出す。
胸がドキドキする。
逡巡。落ち着かぬ心。
そのとき、ティアリスの下腹を身震いのような感覚が襲った。
生まれて初めての……切ない痺れ。
しかも、それは甘やかな疼きを伴っていた……。
逡巡。落ち着かぬ心。
そのとき、ティアリスの下腹を身震いのような感覚が襲った。
生まれて初めての……切ない痺れ。
しかも、それは甘やかな疼きを伴っていた……。