勝者のセオリー (4区 3km-4km)
文字数 2,348文字
「さて、レースは中盤、4区に入っています。
先頭、アイリスの歌川茉莉は、「かながわの橋100選」にも指定されています観光の名所、夕照橋(せきしょうばし)、現在は(ゆうしょうばし)とも呼ばれますが、早くもそのポイントに差しかかっています。」
3区 通過順位
順位変動/通過タイム/トップとの差/大学名
02→01位/1:25:08/+0:00/アイリス
03→02位/1:25:32/+0:24/ジャスミン
04→03位/1:25:59/+0:51/ローズ
05→04位/1:26:12/+1:04/デイジー
01→05位/1:26:14/+1:06/デルフィ
07→06位/1:26:52/+1:44/ネモフィラ
08→07位/1:26:57/+1:49/リリー
「初出場のアイリスが、3区で先頭に立ちまして、優勝争いから一歩抜け出す形となりました。
そこから24秒後ろ、優勝候補筆頭とも目されていましたジャスミンが、ここまで区間賞は無いんですが、確実に繋いで2位につけています。
そして51秒差で3位のローズ、1分4秒差の4位デイジー、1分6秒差の5位ネモフィラまでがおよそ1分の間。非常に激しい争いを繰り広げています。以下、ご覧の通りになっています。
続いて区間順位です。」
8.4km 3区 区間順位
1位 27分07秒 安藤 ヘレナ (アイリス・1年)
2位 27分19秒 洋見 佳織 (ジャスミン・1年)
3位 27分21秒 松浦 花音 (ローズ・3年)
4位 27分28秒 森 遥香 (リリー・2年)
5位 27分33秒 三浦 珠美 (デイジー・4年)
アナ
「区間賞は、えー、やはりアイリスの安藤が獲得しました。
27分7秒というタイムは去年、ローズ大・松永が3年生の時に樹立しました区間記録にあと8秒と迫る好タイムでした。
その次、区間2位、こちらも1年生、ジャスミンの洋見。
それから区間3位、ローズの松浦、こちらも頑張りました。順位を1つ上げる走りを見せました。
それでは、区間賞の安藤ヘレナ選手のインタビュー、準備ができたようです。」
「そのアイリスはどれくらいの差で来るでしょうか。いま、先頭の歌川茉莉が、金沢八景駅前を、通過していきました。
中継所まで残りおよそ900m、これからいよいよ最後のスパートに入って行こうかというところ。」
「えーそして、その後ろが、ローズの歌川瑠莉ですが・・・あっ、45秒差・・・!?
序盤はローズの歌川瑠莉が、一時差を詰めているという情報もありまして、先ほど3km過ぎ、夕照橋のチェックポイントで測っても33秒にまで迫っていたんですが、
松田さん、これ、また差が中継所の時とまた同じくらいになりましたね。」
松田
「どっちかっていうと、姉の茉莉さんのほうが後半ペースアップしてる感じがします。
私、高校時代から見てますけど、茉莉さん、今日は以前の勢いが戻ったような、素晴らしい走りをしてますよ。
やっぱりね先頭だと、前半抑えて後半上げるっていう走りができますから、先頭の有利性をここまでは上手く活かしてますね。」
ローズ大・鬼塚監督
「(くそっ、たぶん瑠莉が途中から自滅し始めてんのも、このせいだ。
まさか自分の手で正部員から外した選手に、こんな形でしっぺ返しを喰らうことになるとは。
ただの陸上オタクかと思ってたが、さすが駅伝を知ってやがる。)」