文字数 1,267文字

 なにかにつっつかれたきがして、あたしはめがさめた。まだねむいのに……ぼんやりとしたせかいに、めをつむったしらないひとがいた。そのひとは、なにもいわないでただあたしをじっとみていた。

 ここはどこ?? それに、あなたはだぁれ??

 あたしがこえをかけても、そのひとはなにもこたえてくれなかった。おかしいな。きこえなかったのかな? あたしはもういっかい、おなじことをきいてみた。

 ねぇね、ここはどこ? あなたはだぁれ?

 それでも、そのひとはなにもいわなかった。おかしいなぁ。そんなにとおいところにいるわけでもないのに……どうしたんだろう。あたしはもういっかい、そのひとにおなじことをきいてみた。

 ここはどこなの? あなたはだぁれ?? ねぇ、おしえてよ!!

 すると、そのひとはゆっくりふわふわしながらあたしにちかづいてきた。わらっているようにもなやんでいるようにもみえたそのかおは、あともうすこでとどきそうなところでとまるとちいさくおとをだした。

(        )
 え? あなた、おはなしできるの??

(        )
 おはなしできるのに、どうしてこたえてくれないの?

(        )
 ねぇ、ちゃんとおはなししようよ。あなたのいっていることがわからない!

(        )
 もう……いじわるしないで。ちゃんと……あたしは……おはなししたいだけなのに。

 そのひとは、ただたかくおとをだすだけであたしとおはなしができなかった。あたしはおはなしできるのかなとおもったのに、おはなしができないとわかるとだんだんさみしくなって……おめめからなにかがぽたぽたとおちていった。

えええん!! えええん!!! さみしいよお!! えええん! えええええん!!

 あたしはこえにだしてないた。だって、さみしいんだもん。くるしいんだもん。もっと、もっとおはなしがしたかっただけなのに……。

(       )

 あたしはじぶんのてでかおをおさえていたからわからなかったけど、きゅうにあたしはかなしくなくなって、おめめからおちていたものもぴたりととまった。

 あれ? あたし、なんでないていたんだろう?
(       )
 え? あなたがとめてくれたの?
(       )
 あそびたい? ……うん!! あそびたい!! ねぇ、あそぼうよ!!!
(       )
 え? あそんでくれるのは、あなたじゃない……? じゃあ、だれがあそんでくれるの?
(       )
 その……うち? なぁんだ……いますぐあそびたかったのに……
(       )
 あれ? そういえば、なんであなたとおはなしできるんだろ? あれ? なんだか……
(       )
 いっか……いまはとってもねむいの。おやすみなさぁい……。
(       )

 あたしは、なんでこのひととおはなしができるようになったのかわからないまま、またおめめをとじた。だれかとあそべるときまで……おやすみ……なさぁい……。


(       )

 あれ?
 なんだか……ゆれたようなきがしたけど……
 いまは……いいや……
 むにゃむにゃ……
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