01 ジョストリアから謎の部屋へ
文字数 3,032文字
あなたたちは、とある飲食店に来ています。別々の席に座って、コーヒーだったり、ケーキだったり、ナポリタンだったり。思い思いのものを食べているでしょう。
すると、ふと、あなたたちの近くのテーブルから大きな声が聞こえます
女子会にありがちな陰口。
そんな感じだろうかとあなたたちは思うでしょう。
しかし、続いて声がします。
そう楽しそうに笑っているのは、先の発言の矛先の人物でした。
それでも彼女達は楽しそうに食事やお喋りを続けています
あなた達は食べているものが突然びりりと、舌に電気が走るように苦く感じ、脳がショートするような痛みを感じます。
突然の痛みに、あなた達は頭を抱えて悶えます。
そして、意識が途切れ、目の前が真っ白になっていきます。
あなた達はふと、目を覚まします。
どうやらもう一人の男性も目を覚ましているようです。
そこは正方形の部屋のようです。
天井を含めると立方体と呼ぶべきでしょうか。壁や床は白く、真ん中に低く小さい本棚があります。
壁には、いくつもの鏡と一つの壁掛け時計がありました。そして、奥の壁には扉があります。
安田さんはとりあえず出口を探そうということで、奥の扉の方へ向かいました。
本棚は、カラーボックスサイズの木製のようです。中には数冊の本しか入っていません。
岸川さんが本を取ると、それは3冊の童話でした。
一つ目は、「狼少年」。二つ目は、「ピノキオ」。三つ目は、「裸の王様」。
それ以外に本は入っていません。
3冊の本を棚の上に見やすいように並べた後、岸川さんは、安田さんの方へ様子を見に行きました。
扉は白く、硬い素材でできています。
ドアノブには鍵穴がありません。
すると突然、どこからともなく誰かの声がします。
それは、部屋の隅からのような、自分の耳元からであるような、不思議な聞こえ方です。
今から三時間半後は何時?
いつも持っているバッグも、背中にはありません。
安田さんはびっくりしましたがどうやら鍵は開いたようです。
岸川さんの様子を見て、安田さんも扉に耳を当てます。