詩小説『三年a組』3分で青春を。卒業する人へ。

エピソード文字数 726文字

三年a組

村島商店の自動販売機で炭酸を二本買って。
くだらないことを大袈裟に笑って、いつまででも話し続けた。

「そろそろ帰ろっか」その言葉と。
立ち上がるその身体が。
何故だかとても淋しかった。
寝癖のついたその背中が。

三年a組今日から私は、戻りはしない時を走り抜ける。
三年a組今から私は、迷わず君の元まで走り抜けるよ。

グランドの隅、足洗い場。
夏休みはやけに静かな風。
ホースの先を摘んで、シャワーにして。
君は虹を作りました。

裸足になって冷たい水につかり。
消えそうなほど薄い光、眺めていました。
黙り込んだ私に、水をかけた君。
怒った顔の後に、不安そうな顔。
笑った顔の後に、驚いた顔。

三年a組今日から私は、手の平ですくえば溢れていく水を。
三年a組今から私は、未来のシャワーを浴び続ける。

河原の芝に座り込んで。
ぽつり、ぽつり、零すように。
橋の上を走り抜けた電車の音に。
大事な言葉はさらわれました。

期待に応えることの出来ない君なら。
そこから先は望まなかった。
未来だとか、希望だとか。
そんな眩しい言葉じゃなくて。

三年a組今日から私は、今が続けとは願わないように。
三年a組今から私は、いつか繋がることをそっと夢みる。

家を飛び出して、街灯の下。
携帯電話が照らすTシャツの君。
ずっと続くような気がしてたんだ。
音も立てずに消えてしまいそうな今。

三年a組今日ここで私は、自分で引いてた一線の向こうへ。
三年a組今からきっと私は、誰かが引いたゴールテープのその先へ。

三年a組今日から私は、戻りはしない時を走り抜ける。
三年a組今から私は、迷わず君の元まで走り抜けるよ。

三年a組の、その先へ。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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