オンライン座談会 会場 Part4
文字数 2,208文字
よろしくお願いいたします。
もうそろそろ終わりということもあり、早いですがまとめ的なものを軽めに述べたいと思います。明日はアポが間々入っているので、まとめられるうちに……。
ぼく自身も宗教方面の事情を色々勉強させてもらいました。とくに架神さんからご紹介のあった看板の話が頭を離れません。こうした単純でささやかな発見が、とても面白かったりするんですよね。
宗教絡みの小説企画は幾つか構想したことがありました。
幼馴染の別宗教同士の男女が布教合戦で世界大戦を巻き起こして世界半壊とか、ネットゲームを一つの宗教として確立して世界政府を創るとか、前にちょっと触れた宗教世界征服モノとか……。
今でも折を見て書きたい宗教モノはあるのですが、他にも書きたい分野があるので、そうしたものとの折り合い次第です。
まぁとにかく宗教には興味深いポイントが豊富です。とくに聖書は様々な物事に繋がるネタの宝庫に違いなく、数々のアレンジが可能ですが、そこを今回はキリスト新聞社さんというこれ以上にない強い版元さんががっちり後ろを固めてくれるということで、大変貴重な機会になってくれていると思います。
ぼくも今後は宗教モノを書くときは、ぜひご相談させてもらえればありがたいと思っているほどです。
作家を大事にしてくれるレーベルさんだと思うので(このあたりの感覚はプロでないとなかなかわからないものですが)、ぜひご応募を考えてみてください。
とくにWEBデビューの方々は、以前の座談会などでも「作家自体のブランド力が皆無」だと語られていることもあるので、ここで尖った武器を確立しましょう。
出版業界において宗教関係は「結構売れる」と認識されているようです(おれはあんまりそんな実感ないけど……)。
「真面目に勉強したくないけど、いちおう、教養として押さえときたいな」という層が多いんだと思います。
そういう人たちに聖書知識を楽しく届けられれば、結構売れるんじゃないでしょうか。
世界展開も睨んでいるのであれば夢も広がりますしね!
そういう意味では! おれの! 『仁義なきキリスト教史』は海外翻訳の可能性がないので……つらい!!!
まさに!この間の私の実感もそれです。
我が社を含めてこの業界はこの間、そういう層に目が向いてきませんでした。
信者の自己満と内輪受けをどう打開するかというのが今後の課題であり、そのための方策の一つが聖書ラノベ新人賞でもあったわけです。
兼業で、まったくの異業種にまで色々と手を広げているぼくが、10年も小説家としても生き残っていられるのは、明確な武器をもっていたがためだったと思います。きっと自分の武器はぼくにしか書けないもので、世界唯一のものだろうという自負もあります。もちろんその武器が売れる売れないには直結していないにしても、特異なものでもあるので、業界内での認知を得、こうして小説も書き続けていられるわけです。尖った武器があったればこそで、それ以外の何ものでもありませんでした。
だから、宝くじを一発当てにいくという話じゃなくて、長く地道にコツコツと自分の道を進みたい人は、運命を共にできる武器があるといいと思います。その意味からいえば、この聖書ラノベという特異性は、今後十分にあなたの作家としての武器になってくれるであろうと思います。
架神さんも作家・漫画原作者として宗教という武器を持っていますよね。宗教は手堅い武器であることは、当の架神さんも語っておられる通り。しかも宗教を武器にすることって、そこまでハードルが高くない美味しい狙い目かもしれませんよ(いや本当に)。
そして今回、キリスト新聞社さんが知識・権威を補強してくれ、微細な政治的な問題まで振り払えている状態にあります。自分なら飛びつきます。
普通に作家デビューするよりも、長く戦線を維持できる武器を持ってデビューしましょう。
派手さはいらないんです。ぼくも架神さんも、まったくちっとも派手なデビューじゃありませんでしたよ。デビュー時は本当に何にもなかった。ただ本が出ていただけ。しかもその本がやたら高いし(1500円とか!)、部数少なすぎだし、完全に無名だし、実際のところ物凄い数の作家がそのレーベルからデビューしたはずですが死屍累々でした。その点で、他の華々しい作家デビューの方々とは違っています。それでも、ぼくらがこうして生き残ってきたのは武器を持つことの強みの証明ではないかと思います。
実際デビューしたところで華々しい生活が待っているわけでもなし、別に何も変わらないんだから、今後末永く人生を共にする武器を、ここで獲得してみませんか。
引き続き新人賞は続きます。
今回の座談会で気づいた点なども生かしつつ、ぜひ大胆なチャレンジをしてみてくだい。
皆様の参加をお待ちしております。
キリスト新聞社はこれからも、新しいジャンルの開拓に挑んでいきます。
どうぞよろしくお願いいたします。