4.決戦の時は来た!

文字数 7,697文字

 すっかり遅くなって携帯ショップにやってきた。
 中に入って売り場を回る。
 せっかくなので新しい機種をねだりたかったが、強く押せる材料もない。前に使っていた機種が売り場になければせめて違うデザインのものを買えただろうが、しぶとくそれはあった。
 前に買ったときよりも安くなっていたので、「こづかい減らすの三ヶ月でもいいくらいだね」とお母さんにいってみたが、つれない返事だった。
「なんでもかんでも買ってもらえると思ったら大間違いよ。イマシメだと思いなさい」
 そんなことまでいわれても、わたしはわざと壊されたのだと告白することができなかった。
 まったく同じデザインのスマホを手に入れ、「あるだけましか」と思うことにした。
 幸い、SIMカードとSDカードは生きていた。番号もそのまま使えるし、アドレス帳も消滅していなかった。消えてしまった写真もあるが仕方ない。

 細かい設定とかアプリとか元に戻す作業を帰宅する車の中でしていたら、お母さんに「依存症なんじゃないの」といわれたが、リア充こそスマホがなければ生きていけないってことをわかってはくれない。
「お母さんにはわかんないよ」
 ついさっきまで仲がよかった友達にそっぽを向かれてしまうことの恐ろしさなんか、わかってもらえるはずもなかった。
 そのとき、不意にスマホが鳴った。
 その旋律にビクリとする。今朝見た夢と同じことを思った。
 ――いつもの着信音と違う。
 というのも当たり前のことだった。以前の着信音はダウンロードした音楽を使っていたが、まだ新しいスマホでは設定していない。スマホメーカーが用意したオリジナルの楽曲が着信音に設定されていたのだった。
 液晶に表示されていたのは数字の羅列。アドレスに登録していない番号ということだ。SDカードにアドレスをバックアップして以降、新たな友達もできていないはずだ。
 親しい友人ではないとしたら……。
 落合さんの顔が浮かぶ。彼女たちだろうか。
 だが、いやがらせの電話をかけてくるにしたって、スマホを壊して繋がらないことを知りながらこの番号にかけてくるのもおかしなものだ。
 とりあえずわたしはいつも通りの調子で「もしもし」と電話にでた。
「もしもし、朱音ちゃん、だよね?」
 寒気がすると同時にわたしは通話を切っていた。
 あいつだ。あの男だ。
 夢の中で荻原を刺したあの男。
 わたしはスマホを握りしめたままブルブルと震えた。
 落ち着け、まだ大丈夫だ。ここに荻原がやってきて、あの男に刺されるなんてことはまずありえない。まだそのときじゃない。
 この番号を着信拒否にする。あの男と関わりを持ったらいけない。なぜ番号を知っているのかわからないが、無視することしか方法はないのだ。

 自宅に戻ると、今度は家の電話の方が鳴った。そのタイミングに胸騒ぎがする。
 お母さんはリビングに駆け込んで電話を取った。
 ひとことふたこと話す声が聞こえ、「朱音」と大きな声で呼んだ。行ってみると、お母さんは受話器を手で押さえていた。まだ繋がっているようだ。
「スズキさんっていう刑事さん。同じクラスのヤスダさんっていう女の子のことで話が聞きたいっていうんだけど」
「ヤスダさん?」
 心当たりがある名前ではなかったが、「わかった」と受話器を受け取った。
「もしもし」
「また拒否られたら今度は家に行くところだったよ」
 のどの奥の方でクックックと笑いながら男はいった。
 夢の中のあの男だ。
 しゃべり方からして、男は思ったよりも若いのかもしれなかった。
「次は携帯のほうに出てよ。家の電話じゃゆっくり話せないでしょ」
 そういって男は一方的に通話を切った。
 わたしはお母さんに受話器を返した。
「切れてるんだけど」
 お母さんは受話器を耳に当て「あら、本当だ。イタズラ電話かな」と、受話器を電話に戻した。
「二階にいるから」
 わたしはいつもの通り、お父さんが帰宅する夕食時まで自室にいることにした。
 どういうわけか、お母さんにわざとスマホが壊されたことも、不審な男から電話がかかってきていることもいえなかった。
 着信拒否の設定を解除すると男からの電話はすぐにかかってきた。
「もしもし。あなた誰? どうして家電まで知ってるの」
「朱音ちゃん、いじめられてるんでしょ」
「いじめられてないし。関係ないでしょ」
「ツイッターでたまたま見つけたんだ。裏アカだからって安心してるのかな、悪口書いているわりには無防備でね。僕も『始末屋』という名前でつくったアカウントで飛び入り参加したんだ。朱音ちゃんはぜんぜん知らなかったでしょ。そうだよね。そんなことするような子じゃないもんね」
 口調がだんだんなれなれしくて甘えたかんじになってきて、気持ち悪い変質者そのものみたいになってきた。
「だからなんなの。悪口ぐらい、普通だよ」
「ふーん。朱音ちゃんもSNSでそんなことやってるの?」
 ああ、面倒くさい。だいたいなんでLINEのグループとかで話さないんだ。わざわざオープンな場でさらすとか。
「わたしはやってない。そんな友達もいないから」
「ああ、そうか。友達いないんだよね。いじめられてるんだもんね」
 男はそういってまた含み笑いをした。
 腹が立ってくる。いじめられてる人は下等な人間だとでもいいたいのだろうか。あんたのほうがよっぽどクズ人間なのに。
「どうやら、『プリンセス』という子がリーダーみたいだったけど、心当たりある? その子を中心にいろんなことを書き込んでたよ。原因は『さすらいの王子』っていう転校生みたいだったけど。ちょっと嫉妬しちゃってね、その転校生に。でも、『王子』については何も教えてくれなさそうだから、こういったんだ。僕もそのいじめに参加したいから、ムカつくその子の連絡先を教えてって。誰か知ってる?ってことになって、『10インチ』っていう名前の子が書き込んでくれたんだ。10インチって、顔の長さかな。二十五センチも顔が長いなんて、化け物みたいに顔がでかくてブサイクなんだろうね。『プリンセス』以外はへんな名前ばっかりだったから、勝手に決められちゃったんだろうなぁ、かわいそうに。その他大勢の子たち、ハブられないように必死なのかもね」
 ペラペラとよくしゃべる男だった。
 プリンセスというのは落合さんのことだろう。
 二十五センチといえば、あの足跡。スマホを踏んで壊した大女――近藤さんか。近藤さんは一年生の時に同じクラスだったから、番号を交換したかもしれない。よっぽどキライにでもなるかメモリがいっぱいにでもならない限り、登録件数が減るのがいやで削除するのは滅多にないことだから、まったく連絡を取り合わない近藤さんが知っていたとしてもおかしくはない。
 知らない人に番号を勝手に教えるなんて最大のタブーだが、ネットに悪口を書き込むうちにそんな常識も取り払われてしまったのかもしれない。
「そうそう。朱音ちゃん、スマホ壊されたんだってね? つながらないといけないから自宅の番号まで教えてくれたよ」
 そういうことだったのか。一年生の時の連絡網がおいてあったら、それもわかるだろう。
「朱音ちゃんも仕返しすればいいんだ。『プリンセス』に。向こうも朱音ちゃんの電話番号を教えたんだから、いっちゃいなよ。僕が、始末してあげるから。僕が朱音ちゃんを救ってあげる」
「なにいってるの? わたしはそんなことしてほしいとも思わないし、だいいち、『プリンセス』の連絡先も知らないから」
「なんだよ、いい子ぶって! そんなんだからいじめられるんだろ!」
 男はいきなり声を荒げ、怒りで声を震わせていた。そのスイッチの入れ替わりに恐ろしくなる。男はひどく幼稚な一面も持っているようだった。
 男はしばらく黙ったあとこういった。
「いいよ。『さすらいの王子』を呼び出すから」
「え? 知ってるの?」
「ああ、知ってるよ。知ってるんだよ!」
 プツッと電話はそこで切れた。
「え? ちょっと!」
 かかってきた番号に折り返しかけ直すと、電波の届かないところにいるか電源が切られているとう案内が流れて繋がらない。
 スマホを握ったまま、どうすることもできなくて呆然とした。
 荻原のことを知ってるなんて。
「そうだ。荻原くんに知らせないと」
 わたしはシンに連絡先を聞こうと電話をかけた。すると、窓の外から電話のプルルルというベルが聞こえた。窓を開けて見下ろすと、シンがうちの前に突っ立っていた。スマホを耳に当ててこちらを見上げた。
「おい、なんだ、ビックリさせんなよ」
「シン。こんな時間に何してんの」
「え? あの……ああ、ちょっと友達んとこ遊びに行ってて、その帰り。どうしたの、慌てて」
「荻原くんのメアド教えてくれない?」
「なんで。聞かなかったの? せっかく呼び出してやったのに」
「聞くの忘れちゃった。緊張してて」
 と、ウソをつく。シン相手にこの程度のごまかしは通じた。
「メールで送ってやるよ」
「サンキュー。じゃあ、またね」
「おい、なんだよ。何があった?」
「そんな野暮なことを聞くんじゃないの。人の恋路をじゃましたらだめだよ」
 そういってわたしは窓を閉めていつもの定位置のテーブル前に戻った。
 シンまで巻き込むわけにはいかなかった。
 バタバタしていたせいか、お母さんが階段の下から「朱音、なにしてんの?」と呼びかけている。
「なんでもないよ!」
 と、大声で返しておいた。なのに、お母さんが階段を上がってくる音が聞こえる。
「入るよ」
 お母さんはドアを開けて顔をのぞかせた。
「さっきの電話はなんだったんだろうね。ヤスダさんっていう子は知ってるの?」
「うん、不良少女なの。友達のところにも電話がかかってきたみたいで、家出したとかで情報集めてたんだって。なのに、さっき補導されたとかで、もういいですだって」
 わたしはそのかたわらでメールを打っていた。『長文でゴメン・・・』というタイトルで、荻原にあの男から電話がかかってきたことを書いていた。
「またメール?」
 お母さんは見向きもしないわたしにいった。
「だって、ヤスダさんが家出なんて、ちょーおもしろいじゃん」
「いやなこというんじゃないわよ」
 納得したのかお母さんは下に降りていった。わたしもウソをつくのがうまくなってきた。だけど、親はその何百倍もわたしたちにウソをついているんじゃないかっていう気がしてしまうのだった。
 荻原からはすぐに返信があった。
『わかった。気をつける。こっちは大丈夫だから。長澤さんは絶対家から出ないでね』
 絵文字もない素っ気ない文章だけど、それが荻原らしくもあって、少し笑ってしまった。
「絶対家から出ないでね――か」
 荻原からの返信をながめながら考え込んだ。
 これでいいのだろうか。今日の夢は途中からだったので、どういう状況からあんなふうになってしまったのかがまるでわからない。夢を見てしまったおかげで、すべてがそっちの方向に動き出しているように思えてしまう。だって、わたしと荻原が音楽室で会わなければスマホを壊されることもなかっただろうし、わたしの連絡先を見知らぬ人に教えてしまうこともなかったのではないか。
 一連のすべての出来事は荻原が刺される夢を見たことに端を発しているのだ。
「どうなっちゃうんだろう……」
 わたしは完全に未来を見失っていた――本当にこれでいのだろうか。
 そのとき、また着信音が鳴った。電話番号のみの表示だ。出なかったらまた自宅にかかってきてしまうので、わたしは電話に出るのにためらわなかった。
「もしもし?」
「ああ、朱音ちゃん? すぐに出てくれたね。やっぱり自宅はいやなんだね。僕のいうことを聞いてくれたら遠回りなことをしなくてもすんだのに」
「さすらい王子とは連絡ついたの?」
「おかげさまでね。今から会うところなんだ」
「ウソでしょ。そんなんでわたしを脅しているつもり?」
「確かめにくる?」
 男はそういって、ここから二駅先のところにある「セレビアン」という店の前で『さすらい王子』と会うのだと付け加えた。
「あんたのいうことなんかに騙されないよ」
 わたしがそういうと男はなにもいわずに一方的に電話を切ってしまった。
「もう……どっちなの……」
 わたしは顔を覆って泣き崩れそうになってしまった。
 荻原から聞き出そうにも、きっと彼は本当のことをいわないだろう。男から連絡があったことをふせてひとりで行くにきまっている。転校してきたばかりの彼だが、なぜだか信用できた。
「あのとき、あの男は……」
 夢の中でのことを思い出そうとした。
 あの男は「今度逃げたら」というようなことをいっていた。ということは、わたしはあの夢以前にも男から逃げたことがあるということだ。そうだ、今日じゃないんだ。だってわたしはまだあの男に会ったことがないんだから。荻原が刺されるのは、今日じゃない。むしろわたしが行かなかったせいで荻原が男と直接対決して刺されてしまうことだってありうるじゃないか。
 うん、そうだ、今日はわたしが荻原を連れて逃げ帰る日なんだ!
 そう考えつくといてもたってもいられなくて、わたしはハンガーに掛かっていたパーカーをはおった。ポケットに財布とスマホをつっこむ。今度はお母さんに見つからないようにひっそりと家を出た。

 男が言っていた駅で降りる。ここに来るのは初めてだった。駅は大きくはない。西口の方が明るかったのでそちらへ行ってみる。電車から降りた人たちがいたので、人は少ないということはなかった。
 やはり外は肌寒い。スーツのおじさんたちはコートを着ていなかったが、女の人は何人か軽いコートをはおっていた。
 聞いたことのない店の名前だったので通りかかった人に聞いてみようと思った。話しかけやすそうな人を引き留めた。ブラウスにカーディガンを着ているだけで寒そうに身をすくめた女性だった。
 店の名前をいうと、逆に「何しに行くの?」と問い返されてしまった。あなたが行くような店じゃないでしょって。大きなお世話だけどわたしはここでもウソをつく。どういったお店か見当がついたので、「自分のお姉ちゃんがそこにいるから連れ戻したい」といった。
 女の人は道順を教えてくれたけど、ついてきてはくれなかった。
 そこは、夢で見た風景と同じだった。やたらと看板が多くて、そのどれもが派手な電飾で目立とうとしているが、かえってそれが互いを相殺しあっていた。
「セレビアン」という店がなかなか見つからない。通りにも荻原らしき人物も発見できなかった。
 突然「朱音!」と声をかけられ、振り向く。両手を振って無邪気に駆け寄ってきたのはシンだった。
「どうしてシンが?」
「荻原に頼まれたんだよ。朱音がへんなところに行こうとしてたら引き留めろって」
「ずっとつけてたの?」
「まぁな。どこで声をかけたらいいのか迷ったんだけどね」
「もしかして、家の前にいたのもわたしを見張ってたため?」
「そう。急に電話かけてくるからびっくりしたよ」
「荻原くんはどうしてるの?」
「状況をメールで送ってたら、オレも行くって」
「だめよ! 戻ろう。荻原くんにもメールして」
 わたしはシンの手を取って駅へと引き返そうとした。だが、わたしの手からシンの手がすりぬけ、シンは腕をひねり上げられていた。
 電話の男だ、と直感した。スーツを着たどこにでもいそうな男。スーツだと思い込んでいたけど、制服にも見えなくない。紺の上下にノーネクタイ。やはり、電話の声と同様、それほど年はくってない。たぶん、夢の中で見た男はこんな顔をしていたと思う。
 目の前に現れてもぱっとしないこの男が。荻原を……。
 男は誰に聞かせるわけでもなくぽつりとつぶやいた。
「こいつが王子か? こんな普通なヤツが――」
 男はシンを突き飛ばすとポケットから飛び出しナイフを取り出した。いうが早いか、男はシンに駆け寄り、振りきろうとしたシンを突き刺した。シンははじき飛ばされたように後ろにひっくり返った。
「シン!」
 わたしが駆け寄ろうとすると、なにか物が飛んできてそれが男の手に当たってナイフが飛んでいった。地面にたたきつけられた物を見れば、粉々に割れたビール瓶だった。
「あ! 懸賞金三百万円がかかってるひき逃げ犯だ!」
 という叫び声が聞こえたかと思うと、ひとりの青年が飛びかかっていた。
「え? 荻原くん!?
 それを見ていたひとりが「え? 懸賞金?」と、目の色変えて荻原に加勢した。そのあとはもうあっという間に男に人が群がり、たちまちにして男は周辺のおとなたちによって取り押さえられてしまった。
「警察だ、警察」
 と誰かがわめいていたり、あたりは騒然となった。男にはもう反撃する余力も残っていない様子だった。
「シン!」
 倒れて動かないシンに駆け寄る。シンは微動だにしなかったが血は流れていない。肩を揺さぶるとシンは咳き込んで目を覚ました。
「シン! だいじょうぶなの?」
「ああ、朱音……オレ、死ぬところだった……」
「本当よ、死ぬところだったのよ」
「でも、オレにはこれがあるから」
 と、シンは自分の着ていたシャツをめくって見せた。
「なにこれ……」
 シンはお腹にさびたブリキのような物を巻き付けていた。
「荻原が朱音をつけ回しているヤツはナイフを持っているかもしれないから気をつけろって。だから体育の時間さぼって、一斗缶を切り開いて防弾チョッキをつくったんだ。ナイフは通さなかったけど、あいつ、意外に力が強くて、息が詰まったよ」
「バカ……本当にバカ」
「泣いてくれんの?」
「泣いてないよ、バカ」
 わたしは手の甲で目尻をぬぐった。シンの前でなんか泣けない。今までだって一度も泣いたことがないんだから。
 でも――本当に泣かずにすんだのは、シンが助けてくれたからかもしれなかった。バカ面だけど、いつもこうやって笑っていてくれてたのだ。
「これで解決、かな?」
 と荻原くんはいった。誰かに引っかかれたのか、目の下に切り傷ができていた。
「わたし、あの男に家電まで知られてるんだけど」
「よし、わかった」
 荻原はもう一度捕まえられた男のところへ戻っていった。
「オレのスマホ、こいつが盗んだみたいで」
 といってスーツのポケットをまさぐって黒いスマホを見つけて持ってきた。
「これかな」
 荻原からスマホを渡され、わたしは発信履歴を見てみた。さいわいとパスワードがかけられていない。わたしのスマホにかけたのが最後のようだ。わたしの家へもこのスマホからかけられていた。
 ついでにアプリを立ち上げて『始末屋』のアカウントも確認した。『プリンセス』や『10インチ』のアカウントともやりとりがある。
 スマホが重要な証拠になるかもしれないと思ったが、ムカついたから地面にたたきつけて液晶画面を何度も何度もかかとでふみつけた。
「おお、長澤さんがそんなにダイナミックな人だったとは」
 荻原はおおげさにわたしをからかったが、楽しそうに笑っていた。
 わたしはそのスマホを思いっきり蹴飛ばした。スマホは弧を描いて空高く舞い上がり、街の雑踏の彼方へと消えていった。
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