私が聖女だった?

文字数 909文字

「今日はテントを張って・・・・・・、明日から家作りを始めて畑も作って・・・・・・、住める環境を作らないと。」
 私は大聖樹に祈りを捧げた後、近くにテントを張った。
 実家の領地は大自然に囲まれていてよくキャンプや狩りをやっていたのでこれぐらいの事は朝飯前だ。
 私はリュックサックからパンを取り出した。
 半分を御供え物として大聖樹の近くに置き残りを食べた。
「パンだけじゃ流石にお腹がすくわね・・・・・・、木の実とか果実があれば良いんだけど。」
 そう呟いた瞬間である。
 ボトンっ!
「ひゃっ!?」
 いきなり『何か』が足元に落ちてきて私は驚きの声をあげた。
「こ、これって・・・・・・、大聖樹から落ちてきたのよね。もしかして、食べても良いのかしら?」
 黄金に輝く果実は神聖な物に見えて躊躇してしまう。
 しかし、お腹の虫の誘惑に勝てず半分に切って食べてしまった。
 結論、今まで食べてきたフルーツのどれよりも美味しかった。
 更に言うとここまで歩いてきて疲れていた体が一気に軽くなった。
「もしかして、私歓迎されているのかしら?」
『その通り。だって貴女は聖女なんだから。』
「へぇ~、私が聖女・・・・・・、って誰っ!?」
 いきなり声が聞こえて私は何気なく返事をしてしまったが、思わず私は辺りを見回した。
 するとさっきパンを置いた所に少女がいた。
「貴女・・・・・・、誰なの?」
『私はこの大聖樹に宿る聖霊、この世界を管理している女神様の部下、て言う所かな。』
 まぁ普通の少女では無い、のはわかっていたけど聖霊様とは・・・・・・。
「あの、私が聖女てどういう意味ですか? 私は聖女になれなかったどころか、何故かわかりませんけど罪人にされかけたんですが。」
『それは貴女の国が勝手に決めた事、大聖樹の実を食べた時点で恩恵を得た貴女が実質上の聖女でありこの聖域の管理人になるんだよ。』
「管理? それってつまり・・・・・・。」
『この聖域は貴女の物、て言う事だよ♪』
 うん、わかってた、物分かりは昔から良かったけど、正直わかりたくなかったよっ!!
 明らかに厄介な事に巻き込まれたのはわかったしっ!!   
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