第4話
文字数 676文字
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見た目という意味では雷桐だって変わらない。
彼女が転校してきたときは普通の人間だと思っていた。
が、お互いがビーイングであるとわかって、エージェントの手伝いが始まり。
普段の態度や笑顔が上っ面であることがわかった。
「何よ?」
待ち合わせ場所にやってきた雷桐が声をかけてくる。
見た目との違いに思いを巡らせていたせいか雷桐に不信の目を向けてしまう。
「別に何も」
まだ不信の態度を雷桐は崩さない。
「ビーイングはみんな同じ初対面反応をするのか? と考えていたんだ」
雷桐の顔が不機嫌そうに歪んでいく。
「今回のことはまだ悪者と決まったわけではないから」
ハルは炎人間が犯罪者かどうか疑っている。
「なんでよ」
「そういう風に結論を急ぎ過ぎるからだ」
「すまん、犯人捜しを続けよう」
「調べてわかった場所は4カ所だ。手分けして探そう」
「2か所ずつ分担するわけね」
「そう、僕はハルと一緒に探すよ」
マシロがハルの肩の上に跳び乗る。
お互いに炎人間を見つけたら連絡して援護に向かう。
見つけなくても場所をすべて調べ終わったらもう片方の手伝いに向かう。
そのような取り決めになった。
「それはそうと手分けする意味あるかな? 多いわけでもないのに」
雷桐の姿が見えなくなってからマシロが話しかける。
「雷桐は見た目で判断するところがあるから、今回は一緒でない方がいい」
ハルは自分の担当する場所の位置を確認してそこまでの道筋を選び始める。
「だから先に見つける」
「あっちが先に見つけたら?」
「先に見つけるしかない」