第2話

文字数 2,316文字

 「はぁー」
 帰り道思わずため息が出てしまう。
 「今日は失敗いっぱいしちゃったなー、はぁー」
 ともあれずっと落ち込んでても、始まらない、頬パンパンと叩く。
 家に帰れば、雨沙の笑顔があると思えば! そう思いながら、走って帰宅する。

 家のドアを開け。
 「ただいまー」
 そんな風にいつもどおり挨拶をする、いつもならここで、雨沙が笑顔で。
 「おかえり」
 と言ってくれるのだが、今日は違った。
 髪型をツインテールにして、眼鏡もかけている、雨沙は視力は良いので、多分伊達だ。
 「おかえりなんて言いたくないけど、言ってあげる感謝してよね!」
 雨沙はこちらから目線を、そらしながら、そんな事を言っている。
 何々と思いながら冷静に、考える今週まだ1回もあれ来てないし、あれだなと自分の中で納得する。
 続けて雨沙が喋りだす。
 「玄関に立ってないで、早くお風呂入っちゃってよね!」
 言われた通り、家に上げりすぐさまお風呂に入る。
 お風呂に入りながら、今週の男の夢が何なのか、考える、ドSか? いやあれはドSとはまた違う感じだった。
 じゃあ単純に、ツンツンしてるだけなのか? でもツンツンしてるだけだと、なんか男の夢って感じがしないけど、まぁ世の中にはそれが好きな人もいるし、今週は、ツンツンかな、自分の中で納得し、お風呂出る。

 お風呂を出てリビングに向かうと、今日もまた美味しいそうな料理が並んでいる。
 机に座り、食べ始めようとすると、雨沙が喋りだす。
 「別に晴太のために作ったわけじゃないんだから!」
 この量1人で食べるのか凄いな、まぁならしょうがないコンビニで何か買ってくるか、そう思いながら席を立つ、すると服の裾を引っ張られる。
 「どこ行くのよ!」
 少し頬を赤くしている気がするが、まぁ気のせいだろう、そう思いながら答える。
 「料理、雨沙が1人で食べるって言うから
 しょうがないコンビニで買ってくるかって思ったんだけど」
 そんな風に答えると、雨沙は目線をそらしながら。
 「別に晴太のために作ったわけじゃないけど、私1人で食べるなんて言ってないじゃない!」
 まぁ確かに、1人で食べるとは言ってなかった、じゃあ食べるかと、手を合わせて。
 「いただきます」
 食べ始める。

 料理を食べ終わり、ソファに座っていると、食器を洗い終わった雨沙が歩いてくる。
 「今日の料理どうだった?」
 今だに目線は合わしてくれず、ツンツンしている。
 ただあれ? と思ったことを口にしてみる。
 「あれでも? 俺のために作ったわけじゃないって言ってたけど、それでも感想は聞くの?」
 そう聞くと、雨沙の顔は全体を赤らめていた。
 「別に晴太のために作ったわけじゃないけど、感想ぐらいは聞いてもいいでしょ!」
 まぁそうだね、素直に感想を答える。
 「うん、いつもどおりめちゃくちゃ美味しかったよ!」
 すると雨沙が小声で何かを喋りだした。
 「ありがと」
 小声で聞き取れなかったので、聞き返す。
 「何? なんて言ったの?」
 すると雨沙は体をモジモジさせながら、先ほどよりも少し大きめな声で。
 「ありがとって言ったの!」
 頬を赤らめながら、まさしく照れているという、のがぴったりはまるぐらいに、照れている。
 あれでも今週は、ツンツンなんじゃ? よし1個試してみよう。
 俺は、雨沙の肩を掴みながらこう言った。
 「雨沙、好きだよ!」
 いつもならこの後、私もと返ってくるが今日は違う。
 「別に私は、晴太のことなんて好きなんかじゃないんだからね!」
 この時俺は気づいた、これはツンツンじゃなくて。
 属性の中でも光り輝く、7つの属性の1つ。
 ツンデレ!
 そう気づくと、もっとデレを見たいと思い始めた。
 「雨沙、一回、おかえりなさいあなた、って言ってみてくれない?」
 すると雨沙は。
 「は、はぁなんで私が、晴太のお願い聞いてあげなきゃいけないのよ!」
 そっぽを向きながら、そう言ってくる雨沙に俺は、全力でお願いした。
 「お願い! 一回でいいから! 俺雨沙にあなたって呼ばれたことないからさ」
 この気持ちは本心だ。すると雨沙が。
 「別に晴太に頼まれたから、やるとかじゃないからね! 私がちょっと言ってみたいって思っただけなんだから!」
 あーデレだーと思いながら雨沙の言葉に耳を傾ける。
 「おかえりなさい、あなた」
 ありがとうございますと、思わず手を重ねてしまう。
 「これで満足?」
 雨沙は少し照れている。
 「うん、めちゃくちゃ満足! ありがとう、それじゃあ俺もう寝るわ」
 そう言いながら寝室に足を、運ぼうとした時、服の裾を引っ張られる、う? という目で雨沙の顔を見る。
 「別に私はいいんだけど、晴太がもうちょっと私と喋りたいのかな? と思ってるだろうから、もうちょっとここにいてあげる」
 え!? なにこれ可愛い、もうちょっと喋っていたいってことでしょ。
 そう思うと、思わずソファに座っている、雨沙に抱きついて。
 「可愛い、好き」
 そう言いながら、押し倒した。
 「そんなの晴太に言われなくてもわかってる!」
 これは、可愛いって言われて喜んでるのかな?
 そのまましばらく、俺が何かを言って、雨沙がツンかデレか、両方か、そんな風な会話していた。

 そんな会話が終わり、2人で寝室に向かい、一緒のベッドに入り、寝ようとした時、雨沙が喋りだす。
 「晴太、好きだよ」
 そう一言言って、寝てしまった、これ以上可愛いデレはこの世にはないと、感じた瞬間だった
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