(二)-20

文字数 222文字

 翌日、辰巳は仕事から帰宅すると、ダイニングのテーブルの上に置かれた連絡帳に目を通した後、寝室に入った。タンスの上の引き出しから茶封筒一通と便せんとペンを取り出し、ダイニングに戻り席に着いた。便せんの一行目には「辞表届」と書いた。最後に自身の名前を書いたあと、誤字脱字がないかを簡単に頭から見直した。「よし」と呟くと、便せんを封筒に入れ寝室に入った。衣紋掛けにかけてある会社のロゴの入ったウインドブレーカーの内ポケットにそれをしまった。

(続く)
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