第5話 いる世界と、いた世界。
文字数 524文字
「佐原メダカ。今から簡単なことを言うからな。お前がいるこの世界はお前がいた世界じゃないんだ。でも、ほとんどこの世界はお前がいた世界と同じだ」
「はい?」
首をかしげるメダカ。
「やっぱ、覚えてないよなぁ」
涙子は髪の毛をかく。イライラした時の涙子の癖だ。
「お姉ちゃん? 世界? ……うっ、頭が痛くなってきた」
メダカはその場にしゃがみ込む。
「病。この世界で〈ディスオーダー〉と呼ばれているものだ。空間や心を扱う異能、〈ディペンデンシー〉が、知らずに自然発動してるんだよ、佐原メダカ」
「な、なにを言ってるんです、涙子さん?」
「果たして。小学四年生のときに作文に書いた、お前の『死んだお姉ちゃん』は存在したか否か。空間が歪んだのはいつの時点だかを考えてみるんだ」
朽葉コノコは、
「まあまあ、涙子ちゃん。せかさなくていいんじゃないのかな。メダカちゃんの心に負担をかけるのはやめるのだ」
とストップをかける。
それから、
「メダカちゃん。〈ディスオーダー〉の〈潜在者〉さんは、能力に自覚的なひとの話を聞くと頭が痛くなるだけなのだ。さ、仕事の続きでもしよーよ!」
と、メダカに仕事の続きをするよう、促した。
「はい?」
首をかしげるメダカ。
「やっぱ、覚えてないよなぁ」
涙子は髪の毛をかく。イライラした時の涙子の癖だ。
「お姉ちゃん? 世界? ……うっ、頭が痛くなってきた」
メダカはその場にしゃがみ込む。
「病。この世界で〈ディスオーダー〉と呼ばれているものだ。空間や心を扱う異能、〈ディペンデンシー〉が、知らずに自然発動してるんだよ、佐原メダカ」
「な、なにを言ってるんです、涙子さん?」
「果たして。小学四年生のときに作文に書いた、お前の『死んだお姉ちゃん』は存在したか否か。空間が歪んだのはいつの時点だかを考えてみるんだ」
朽葉コノコは、
「まあまあ、涙子ちゃん。せかさなくていいんじゃないのかな。メダカちゃんの心に負担をかけるのはやめるのだ」
とストップをかける。
それから、
「メダカちゃん。〈ディスオーダー〉の〈潜在者〉さんは、能力に自覚的なひとの話を聞くと頭が痛くなるだけなのだ。さ、仕事の続きでもしよーよ!」
と、メダカに仕事の続きをするよう、促した。