地球世界からの来訪者のための『Physicis et magicae』GB

文字数 8,993文字


(これはうちのハイファの共通設定集です。スルー下さい)

はしがき
 ようこそ! 地球世界からの来訪者の方々。
 この世界は地球言語において『Physicis et magicae』とよばれるべき異世界です。
 この世界は地球と似た部分と異なる部分がございます。そこで些少ながら、基本的な事項を本書にガイドブックとして(したた)めました。
 ご参考になりましたら幸いです。

第1 世界を構成する要素
1.世界を構成する基礎原理
(1)物理について
 物理力、力の理とも呼ばれています。地球世界とほぼ同じ物理定数を持ちます。現在は世界の中で等しく積り満ち、ほぼ固定しています。大きな撹拌が発生した場合、場が乱れることがあります。
(2)魔法について
 魔法力、理の力とも呼ばれます。物理を離れた、有り体に言うとエレメンタルな世界で物理と同様基本原則があります。これを魔法定数と呼びます。流動性があり、時折揺れ動きます。

2.物理と魔法の共通点
 物理世界で基礎の基礎となるような物理法則は、多くの場合魔法世界にも共通して該当します。
 例)質量保存の法則、慣性の法則、作用・反作用の法則等

3.物理と魔法の関係
(1)物理について
 地球物理では世界は『電磁気力』『弱い力』『強い力』『重力』で構成されています。これらをまとめて理解しようとする理論が統一場理論ですが未だ解明されていません。
(2)魔法について
 『Physicis et magicae』ではこれに加えていわば『X力』『Y力』というような物理力とは異なる力が存在し、それは世界力とか精霊力とか魔法と呼ばれています。しかしこれら魔法的な力は目に見え実感できる物理定数とは少し異なる魔法定数原理を有しています。
 魔法へのアクセス方法は個々の物体または人物の構成要素によって異なるため、統一的な理解は未だ進んでいません。
 物理理論と魔法理論の基礎部分に共通点があることから、大統一場理論が存在すると言われていますが、その解明ははるか未来のお話でしょう。

4.物理力と魔法力の現在の力場分布状況
(1)物理力について
 物理力は世界のありとあらゆる場所に満ちています。そしてその性質は基本的には安定しており、変動することは極めて稀です。けれども絶対的なものではなく、例えばダンジョンの奥深く等の閉じ込められた扉では物理力が全てキャンセルされた場所もあると聞きます。
 大災害等が発生し物理定数が乱れた場合は、調停者が調整を行い、状況によっては隔離されます。
(2)魔法力について
 魔法力は世界にまだらに分布されています。おおよそのところで少しは存在しますが、全く存在しない場所も稀に存在します。全く存在しない場所は純粋に魔法的存在は生存できません。
 魔法力が満ちている場所ではより強大な魔法の力が行使できるため魔法が発達し、魔法力がほとんどない場所では物理が発達する傾向があります。

5.この世界の外
 この世界の外には様々な世界が存在します。
 地球概念でいうところの多元宇宙論に近いでしょう。それらの様々な宇宙が近似し接触することで多くの異世界人がこの世界に落っこちてくることがあります。
 多くの異世界では物理定数が異なるため、それらの他世界人はこの世界からはじき出されたり生存が困難となったりしますが、地球を始めいくつかの物理定数の殆どが近似する異世界から、様々な形で来訪者が訪れています。

第2 地政
1.国勢・地理
 この世界にはたくさんの国や地域、小規模の集落があり、あるいは個体単位で様々な営みを行っています。
 純粋物理のみの生物も、純粋魔法のみの生物も存在します。純粋魔法生物はその生存に魔法力を利用していることが多いため、純粋物理国家での生存が困難です。

2.国家群について
(1)全般
 この世界では多くの生物が集団で生活しています。同種族が集まり住む場合も多種族が集まり住む場合もありますが、傾向としては下記3つに大別されます。
(2)物理的国家群
 この世界で魔法力がほとんど存在しない場所においては物理が発達します。物理化学や機械工学といった分野が発展しています。作り出されたものがてこやバネのような原始的物理具であればおおよその場所で使用でき、汎用物理具であれば中程度の魔法国家群での使用に耐えるでしょう。より先鋭的・高度な物理具は物理国家郡の中でのみ使用することが推奨されます。
 物理とは厳密な世界のことわりであり、魔法力の干渉がある場合には正しくその効果を発動させることが難しくなります。電子回路の前に待機した光の精霊が電子にいたずらをするような国では物理具は正しく作動しません。
(3)魔法的国家群
 この世界で魔法力の濃度が安定して一定値を超える場合は魔法が発達します。魔法に関連する技術も発達しますが、どのような発達が行われるかは国家や集落単位で異なります。そして魔法とはその文化やバックボーンから形成されるものであり、その同一文化圏を外れた場合、他の魔法力の濃度の高い地域に移動しても正しく作用しない場合が多いでしょう。
 魔法具について、例えば日の精霊を閉じ込めてランプにする等の原始的な魔法具は、魔法力がある地域であれば大凡のものが使用できます。火と風を閉じ込めて着火する汎用魔法具は最低限の魔法力のある地域では使用できるでしょう。けれどもより高度で複雑な魔法具や場所によって性質の異なる精霊を用いた魔法具は同一文化圏外では使用が推奨されません。
(4)その他の国家群
 この世界には魔法力が安定しない、または特定の魔法力しか存在しない、あるいは魔法力の構成自体が変動しやすい場所が多く存在します。
 その原因はただ単に地勢的に移ろいやすい場合、大精霊等といった変動要因が存在する場合、他世界からの干渉が多い場合等様々ですが、変動することを前提に特殊な物理具または魔法具が開発されています。これらはその特殊性により、その文化圏以外ではほとんど使用ができません。
 けれども通常の国家群では思いもよらないその常識と発想は旅人を大いに魅了するものでしょう。

3.種族及び部族について
 この世界の知的生命体には二足歩行のいわゆる人型の種族のみならず、様々な形態の種族が存在しています。
 地球世界でいうところのエルフやドワーフといった種族も存在しますが、地球世界では想定されていない様々な種族が存在します。
 各国の価値観に従い、それぞれの種族がどのように扱われているのかが異なります。例えばエルフについても、多くの国では特段の扱いの違いは見られませんが、国によっては高貴なものとみなされたり野蛮なものとみなされることがあります。これは人種も同様です。
 これは各国家によってその重視すべきものが異なるためです。

第3 魔法の行使について
1.魔法概論
 魔法とは世界にアクセスし、その不可視の力を引き出すことを基礎とした現象を指します。
 その方法は古来から存在し、場所によって魔法、世界力、理の力、呪力等様々に呼ばれていますが、実態として同じ現象の異なる発露であることは近年まで知られていませんでした。現在ではおおよその国家群で共通認識となっていますが、異なる認識を持つ国家群も存在します。現代でも未分類の魔法的力が存在しますが、最終的には同一の現象であると予測されています。

2.魔法の行使方法の多様性
(1)概説
 この世界には魔法力がまだらに分布しています。つまり、魔法が使える場所と使えない場所が存在します。
 おおよその魔法は、行使者が有するまたは準備した魔力を対象となる根源または魔法事象に触れさせ、それによって様々な反応を引き起こさせることによって世界に影響を及ぼす行為です。
 『根源』とはその魔法がもたらす本質です。例えば火の根源は魔法力がある場所であればどこからでも同じ根源にアクセスすることができると考えられています。そのアクセスにはより強い魔法的素養が必要ですが、その引き出せる力は膨大ます。一方、魔法事象とはこの世界にあふれる魔法力が具象化したものます。火の根源から分かたれ世界を巡る火の力(その個別の力を精霊やマナ等と呼ばれることがあります)や焚き火やコンロといった現実に存在する火そのものの物理現象からその媒体にアクセスするものです。行使できる魔法はそのアクセスする媒体の力や質量によります。また、おおよその魔道具は火の力を閉じ込めたり、具体的な火を投入することでその力を引き出すものが多いです。
(2)魔力行使の方法
 魔法行使者及びその背景文化がどのように根源又は魔法事象を捉えているかによって異なります。
 例えば体に魔法陣を刻んで世界にアクセスして魔法を発動する部族や、体系的に解析された呪文(言霊)によって世界にアクセスして魔法を発動する部族、何らかの犠牲や依代を用いて魔法を発動する部族等があります。
 そしてそれぞれの部族が魔法を発動するために、魔法がより発露しやすいよう、文化に組み込まれている場合が多いです。例えば魔法陣を刻む部族は予めその魔法力を凝縮されたインクを用います。呪文によって世界にアクセスする部族はその言霊の中に魔法力を折込み、日常使用される言葉自体が魔法力を折り込みやすいように設計されています。都市開発の段階でそのような仕組みが組み込まれていることもあります。
(3)魔法干渉
 魔法行使の方法は文化によって異なりますが、多文化圏に移動した場合魔法を行使することが困難となることがあります。他の魔法文明によるアクセス方法が禁止されている場所もありますし、特に魔法事象を用いる場合はその場所によってその魔法文明に基づく仕様が最適化されている場合が多いことから、他の魔法文明の魔法行使方法では装丁より効力が発生しないという事象は多くみられます。
 そういった場合は変換のための魔法具をレンタルすることができる国も多くあります。
(4)魔女による魔法干渉
 この世界において魔力とは不安定で移ろうものであるため、場所によっては後述の魔女が管理している場合があります。魔女は術式行使のためのプリセットを用意し、その領域の魔法行使を既定します。その場合、魔女の術式に則れば円滑な魔力の行使が可能となる一方、その術式は該当領域及び近似領域でしか行使できないことが多いです。ですので本格的に魔力に干渉する場合はその原理を理解し、自ら魔法を組み上げることを推奨します。

第4 調停者について
1 調停者の働き
(1)調停者とは
 調停者は地球世界からの来訪者の方には、『神』という概念が近しいと思われます。この世界における魔法力というものは強大であり、その揺れ動きは状況においてはこの世界自体を滅ぼしうる力を内包しています。また、その力は個人又は集団で対処するには巨大すぎることから、調停者というものがその調整の役割を担っています。
 この世界における調停者の数は明らかではありませんが、少なくとも数百の調停者が存在しうるのではないかと言われています。
(2)調停者の作用
 前述のとおり、世界には魔法の力が溢れていますが、その力は揺れ動いています。そのため魔法の力が強い場所と弱い場所が存在します。この揺れ動きは何らかのきっかけがない限り、想定外に大きく動くことは少ないのですが、戦争やあるいは大移動、飢饉等による生物の死滅等、気候変動その他の環境的要因、精霊と呼ばれるものの気まぐれ、他世界からの過干渉等によってバランスが崩れる場合があります。
 そういった事象が発生した場合、調停者が世界にアクセスし、世界を調整します。そのため、この世界では調停者のおおよそは世界と同じものと認識されています。
 調停者は状況と場所により、特殊な範囲効果を設定することがあります。例えば一定範囲の場所はずっと夜だったり時間の流れが遅くなったりしています。これは世界の運航を目的として行われることが大半ですが、長い時間の経過によりその意義が散逸していることも多くみられます。
(3)調停者の所在
 調停者はこの世界各地に存在します。おおよその担当区域が存在するのではないかと言われています。
 その担当は場所により1人の場合もあり、数十人の場合もあるとのことです。必要人数を満たさず世界のバランスが崩れた場合は相互に連絡を取り合い、調整を行っているようです。

2.調停者の種類
 調停者の多くはもともと人であったもの、人が作り出したものと伝わっています。
(1)真なる調停者
 世界には極少数ですが、物理干渉の大凡を放棄した真なる魔女・魔法使い又は魔法博士と呼ばれる者、魔法干渉の大凡を放棄した真なる物理者または物理博士と呼ばれる者が存在します。真なる彼らは調停者と呼ばれています。
 彼らはこの世界の理に直接触れ、干渉する存在です。その干渉の仕方はそれぞれの魔法行使の方法と同様、調停者によって異なります。
 調停者は一般的なヒト及び生物と異なる理で活動しています。ですから、人のような姿形をしていたとしても、決してヒトと誤解しないようにご注意ください。そして、極力近寄らないことをおすすめします。真なる調停者は通常人里に存在する可能性は乏しいのですが、各地の役所等で尋ねればその存在の有無を知ることができます。また、ヒトに好意的な調停者の場合は現地民と交流を深めている場合がまれにあります。ですから、現地民に質問することでその有無をしることができる場合があります。
(2)准なる調停者
 前述の通り、真なる調停者はヒト及び生物の理から外れて行動しています。調停者の半数は意思疎通が不可能です。そこでヒトと真なる調停者を取り持つための准なる調停者が存在することがあります。
 准なる調停者は真なる調停者のもとでその有り様を学んでいる者や、なんらかの理由で真なる調停者となった者の家族、時には国の役職として存在します。
(3)お触れもの
 調停者は世界を観測しその有るべき姿を保全するために世界を観測しています。そのために調停者は精霊、式神、呪詛、妖霊、根、元素等を用いて世界を観測しています。それらは世界に触れるものという意で「お触れもの」と呼ばれています。通常正常な働きを営んでいるヒトは「お触れもの」に干渉することはできません。

3.調停者による調整
 世界のバランスが崩れた場合、調停者が世界にアクセスして世界を調整することはすでに述べました。
 調停者は調整のため、またその他の様々な理由に基づいて世界に制限をかけることがあります。
 例えば一定範囲の場所はずっと夜だったり時間の流れが遅くなったりする制限をかけるなどがその現れです。これは世界の正常な運航を目的として行われることが大半ですが、長い時間の経過によりその意義が散逸していることも多くみられます。

4.調停者会議
 この世界に危機が迫った時、又は定期的に、あるいは気まぐれに、調停者はこの世界の深き所で会議を行っているようです。複数の場所で同時期に准なる調停者に接触した際、複数の調停者が不在にしていることがあったとの事象が時折観測されます。

第5 戦争について
1.この世界における戦争概論
 この世界においても集団的闘争、つまり戦争は発生しています。
 その目的は示威行動、人的・物的資源の略奪、供犠等の消費のため等様々です。しかし、この世界では魔法的力が存在することから、その様相は地球世界と異なります。場合においては、戦争は発生し得ません。

2.各関係性における戦争
(1)物理的国家群間の戦争
 可能且つ存在します。物理力はこの世界ではほぼ一定であり、科学及び工学的な作用が共通するためです。これは魔法力の濃度の低い国家群であればある程度は該当します。それは物理力が影響を及ぼしうるためです。『地勢』の項目をご参照ください。
(2)物理的国家群間及び一定以上の魔法的国家群間の戦争
 困難となりがちです。なぜなら物理的国家群の使用する物理的機器が魔法的国家群内では魔法的効力によってその作用が撹拌撹乱されるため、高度であるほどまともに使用できる兵器が乏しくなるためです。そのため、巨大投石等を物理力で射出する等の単純物理作用によって攻撃を行うことがもっぱらですが、魔法力による防衛によって防御を行いやすくなります。一方、魔法的国家群の魔法力の作用も物理的国家群内ではその魔法力の乏しさから適切な効果の発揮が困難となります。火の魔法を行使したとしても、物理的国家群内では魔法力を維持するための魔法力がそもそも乏しいからです。そのため、巨大投石等を風等の魔法力で射出する等、射出後は単純物理作用にたよる攻撃を行うことがもっぱらですが、射出はできてもその後落下地点を定める等の魔法的な制御が行えないため適切な効果の発揮が困難となります。
 以上、及び統治の問題から、物理的国家群間及び一定以上の魔法的国家群間の戦争が起こる可能性は乏しいといえるでしょう。
(3)魔法的国家群間の戦争
 『魔法の行使について』ですでに述べたとおり、この世界では魔法的力の干渉があり、魔法的干渉の方法自体が集団によって異なるため、異なる文化的価値観を有する国家間で侵略戦争を行うことは稀です。魔法の行使方法は多くの国々でから文化に組み込まれていますが、例えば体に入墨を刻んで世界の理にアクセスして魔法を発動する部族と階級社会を中心として体系的に解析された呪文(言霊)によって世界の理にアクセスして魔法を発動する部族はそもそも背景文化自体が異なるのです。そしてそれは長年その居住地に固定され、巨大な魔法装置となっている場合が多くあります。魔法の発動機序が異なるということは、自らの魔法が相手方の領域でどのような作用をもたらすかが不明であるということです。そのため、状況によっては自軍に壊滅的な被害を生じさせることもしばしばです。
 以上、及び統治の問題から、魔法的国家群間の戦争が起こる可能性は乏しいといえるでしょう。
 ただし、同じ又は似た文化を有する魔法的国家群同士は魔法の行使手段が共通するため、戦争が頻繁に起こっています。物理的国家群同士の戦争と同様と考えてよいでしょう。
(4)統治の問題
 たとえば魔法的国家群が他の魔法的国家群を支配下においたとしても制度と人が異なりすぎることから、相互の魔法が両立・共存することは困難です。また、これは物理的国家群との間でもいえることですが、物事の動かし方(物理国家では油や摩擦熱様々な物理的な力で火を起こしますが魔法国家では火のエレメンタル(表現は国によって違う)に語りかけ空気を震わせて火を起こす等、そもそもの生活原理が全く異なるので、統治制度自体を新しく構築しなければ文明維持すら困難です。通常、そのような労力を得てまで戦争を行うことは稀です。
 遠い昔、特定の相手の魔法的国家群の文化の全てを破壊し全ての民の脳を洗った国も存在しましたが、長い年月をかけて構築され誰も管理を行わなくなった旧来の魔法の理が暴走して一帯が壊滅した事象がありました。
 以降、この世界では戦争とは似た文化を持つ国同士がもっぱら行うものとなりました。

第6 Enjoy the World!
1.まとめ
 さて、これまでつらつらとこの世界について述べさせていただきましたが、基本的には下記の点にご注意いただければそれなりに快適な異世界ライフを送ることができるでしょう。

 1.この世界に慣れるまでは危険な場所には立ち入らないこと
   この世界に慣れるまで、不用意に見知らぬ場所や未知の場所に立ち入らないようにするのがよいでしょう。地球世界の常識とは異なる事象が多く発生しています。
 2.良き地球世界人として生活すること。
   この世界への地球世界人の来訪はままあることです。そしてその不慣れさにこの世界の住人は慣れています。ですから、この世界に慣れるまでは自らが地球世界人であることをアピールしたほうがよい結果を産むでしょう。国によっては地球世界人証明書を発行してもらえる場合があります。
 3.調停者には近づかないこと
   調停者に近づいてはなりません。調停者はあなたがどんなチートを有していたとしても、敵うとは思わないでください。相手は世界です。地球でも地面と闘ったりはしないですよね?

2.おすすめ世界
 あなたがこの世界のどこに降り立ったのかはわかりませんが、この世界では地球人にとって比較的安全な地域が存在します。そのいくつかをおすすめいたします。
(1)マジカ・フェルム
 末尾の地図で赤く描かれた地域です。ここはいわゆる地球世界におけるハイファンタジー的世界です。
 この近くに地球世界人が転移することが多かったため、無駄な軋轢をさけるよう調停者がデフォルト機能として言語共通、『ステータス・オープン』等のベースメントシステムを構築しています。また、その他にも教会で適職の斡旋を受けたり、いわゆる冒険者ギルドといったものが存在します。
 この国の調停者は決してこの世界の一般ではないのですが、地球世界人を最も受け入れやすい地域の1つです。
(2)エレメンタ・クエスト
 末尾の地図で黄色く描かれた地域です。ここは物理と魔法が極めて曖昧な場所です。地球世界ではおそらく存在しないタイプの場所であると思われます。極めて魔法力が高いながらも比較的文化的束縛の弱い地域です。極めて強い魔法の素養を有する地球世界人はまずここで魔法力自体に慣れることが推奨されます。
 転生・転移以降、体の中に妙な動きがあるだとか、体の外縁が空気に溶けていくと行った不可思議な感覚を感じる場合はこの地域への移動をおすすめいたします。
(3)ヴィ・ストリクティス
 末尾の地図で青く描かれた地域です。ここはいわゆる物理的国家群の中でも共和制をとる比較的安全な地域です。地球の環境と最も似た地域となります。地球世界人であれば知識の提供を引き換えに中等市民の資格を得ることができ、比較的地球世界と同様の暮らしを営むことができます。

3.おわりに
 この世界の説明は以上です。
 では、これからのあなたの人生に幸多きことを。

ー狭間の調停者より。
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