3 発表

文字数 1,069文字

 そのころになると、ほかのみんなも図書館へと集まって来た。
 もじゃもじゃ頭のアノネ、ロークルとリークルの兄弟。
 のっぽのノール、くりくり目玉のボージャー。
 ほんとはここへ来たくなかったテッダ。そして、ユティにリダン。
 みんな、驚かずにはいられない。
 一度に三人を失って、この国ルウィンラーナの人数は、八人になった。ここのところ、「新しい人」は、ほとんど現れなくなっており、やっとこの間、リダンが一人で来ただけだった。
「ああ、皆さん。ぼくたちは、もうおしまいなんでしょうか?」
 誰かが、おどけて言った。
「おい。いやなこと言うなよ、リークル。何とかなるさ」
と、アノネが言った。
「しかし、八人とはひどいや」
 ロークルが、ため息をついた。
「だからさ。謎解きなんかやめようぜ。これ以上減ったら、知らないぞ」これは、テッダだ。
 みんなが、がやがやしている所へ、ユティとリダンが出てきた。
「お二方、何か新発見がおありですかな?」
「よせやい。リークル、お前いつからそんなしゃべり方するようになったんだ?」
 実際、リークルは、八人の中で最年少に見えた。
「みんな、聞いてくれないか。向こうの大きなテーブルへ行こう」
 リダンは、そう切り出して、そこで始めて、予言書『黄金律』と、ラーベスの見つけた24行詩の手紙のことを話した。きのうの夜に話しても良かったが、問題が重なるし、説明も長くなるので、やめておいたのだ。
 さて、その説明も終わり、お昼になった。
 みんな、図書館の食堂へと行った。
 
「うまいね。館長は、毎日こんなもの食べてたのかな」
 図書館の食堂は、時間ごとに、棚から料理がひとりでに出てくるのだ。
「ほんと。おれ、ここに住んでもいいぜ。向こうより、ずっといい」
「あら、アノネさん。あなた誰の料理にけちつける気?」
「え。いやユティ、とんでもない」
「つまりだ。これだけおいしいもの食べてたんだから、館長だっていい思いをしたってことさ。そうだろ、アノネ」
「ふふ。テッダったら、ほんとに口がへらないのね。いいわよ、わたし気にしないわよ」
 おまけにムル酒も豊富だし、とテッダは一人言を言った。
「第二の旅行者は、出るんだろうか?」
 ボージャーが言った。まわりが、ちょっと静かになった。
「ここまで来たんだから、謎は全部解いちゃった方がいいと思うんだ」
「そりゃそうだけど」
「行くやつ、いるのかい?」
 空気がざわつく。旅行に行く人なんか、いるわけない。
「いるさ。ぼくが行こう」
 リダンの声だった。
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登場人物紹介

リダン|大陸の旅人

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