第11話
文字数 502文字
2人は放課後、小学校の目の前の斑鳩町役場へ向かった。受付のお姉さんに、古墳の責任者に会わせてほしいと言うと、お姉さんはどこかに電話をかけた。2階の教育委員会生涯学習課に行けばよいが、忙しいため15分しか時間がとれないという。
2人は生涯学習課へ行った。責任者の男性は、平井と名乗った。背が低い、小太りのおじさんで、ねずみ色の作業着を着ていた。2人は昨日の古墳での出来事を説明した。勝手に古墳に忍び込んだことについては、案の定、すごく怒られたが、話を聞きおわった平井さんは、とても困った顔になった。
「このクソ忙しいときに、何なんや君たちは。幽霊なんておるわけないやろ。そんなん、夢に決まってる。古墳の中で一瞬、気を失ったと言ってたやろ。そのときに見た、夢や」
「夢じゃありません! もしそうなら、2人一緒の夢を見るはずがないです。崇峻天皇は、石棺の蓋を開けたら日本を亡ぼすと言ったんです。だからお願いです、石棺の蓋を開けないで下さい」
「あのなあ、おじさんはマスコミ対応で、本当に忙しいんや。さあ、帰った、帰った」
「じゃあ、これを見て下さい」
タクミは、平井さんに金の飾りを見せた。とたんに、彼の目の色が変わった。
2人は生涯学習課へ行った。責任者の男性は、平井と名乗った。背が低い、小太りのおじさんで、ねずみ色の作業着を着ていた。2人は昨日の古墳での出来事を説明した。勝手に古墳に忍び込んだことについては、案の定、すごく怒られたが、話を聞きおわった平井さんは、とても困った顔になった。
「このクソ忙しいときに、何なんや君たちは。幽霊なんておるわけないやろ。そんなん、夢に決まってる。古墳の中で一瞬、気を失ったと言ってたやろ。そのときに見た、夢や」
「夢じゃありません! もしそうなら、2人一緒の夢を見るはずがないです。崇峻天皇は、石棺の蓋を開けたら日本を亡ぼすと言ったんです。だからお願いです、石棺の蓋を開けないで下さい」
「あのなあ、おじさんはマスコミ対応で、本当に忙しいんや。さあ、帰った、帰った」
「じゃあ、これを見て下さい」
タクミは、平井さんに金の飾りを見せた。とたんに、彼の目の色が変わった。
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