第50話

文字数 144文字

 私は葱を切っていた。テレビのリモコンをとろうとして、つまづいて、持っていた包丁を自分のお腹に刺した。
(こんな死に方……ごめんね、ドジな女で……)
 意識が遠のいていく。フローロングには血の海。私は最期の力を振り絞って、指で愛する夫の名前を書いた。
 待って、これじゃ夫が疑われ――。
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