(三)-7

文字数 287文字

 加島は、再びうつむいてうなだれた。説教を食らってびっくりしたのだろうか。ともかく、彼を諦めさせねばならない。それは私のためでもあるが、それよりも翔太君のためでもあるし、なにより加島本人のためだ。このまま行くと、本当に警察沙汰のストーカーになりかねなかった。
 ともあれ、言うべきことは言った。それで加島が改心するとも思えなかった。
「もう二度と、今日みたいな真似はしないで。それから翔太君には二度と近づかないように。そうしなければ、本当に警察に突き出すことになるから」
 私はややドスをきかせた声で加島に聞かせた。そして伝票を手に取り席を立つと、会計を済ませて店を出た。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み