第1話
文字数 670文字
楽しい夜の月曜日。
「そろそろ寝ようか」
彼がビールの空き缶を持って、腰を上げる。
「まだ飲もうよ~」
わたしは彼に甘えると、彼は仕方なく「じゃあ、あと30分だけね」と腰を下ろす。
楽しい夜の月曜日。
シンデレラにだって負けてない。
私も彼もスーツ姿をしているし、お互い仕事で疲れた顔。
食べているところだって、安さが売りの居酒屋さん。
ドレスもオシャレも、豪華なお料理や飲み物なんてひとつもない。
それでもシンデレラにだって負けない。
シンデレラが舞踏会で王子様と踊っていたのになんか負けないくらい、私にとってはこの時間が大切な時間。
けれど、シンデレラと同じように12時までにはお別れしなければならない。
終電なんてなければいいのに・・・。
仕事の時間はあんなに進むのが遅い時計の針は、遅れた分を取り戻すかのように、私たちの大切な時間を奪っていく。憂鬱な一週間はまだまだ先を残している。
「ほら、帰る時間だよ」
彼のやさしい一言は、今の私にとっては悲しい一言。
けれど、彼には迷惑をかけたくない。
わたしはしぶしぶ立ち上がり、玄関でクツを履く。
「あっ」
わたしの安いクツはヒールが簡単に壊れてしまう。
大事な大事なわたしのクツ。
辛い時もわたしを会社へ連れて行ってくれたクツ。
この足じゃ終電にはきっと間に合わない。
まるで、シンデレラと比べるなんておこがましい、と誰かが怒って罰を与えたようなできごとに、わたしはまるで魔法が解けたように、酔いが冷めていく。
「泊っていく?」
時計の針のようにわたしと彼は重なり合う。
ガラスのクツがない私は、どうやらまだまだ夢を見ていていいようだ。
「そろそろ寝ようか」
彼がビールの空き缶を持って、腰を上げる。
「まだ飲もうよ~」
わたしは彼に甘えると、彼は仕方なく「じゃあ、あと30分だけね」と腰を下ろす。
楽しい夜の月曜日。
シンデレラにだって負けてない。
私も彼もスーツ姿をしているし、お互い仕事で疲れた顔。
食べているところだって、安さが売りの居酒屋さん。
ドレスもオシャレも、豪華なお料理や飲み物なんてひとつもない。
それでもシンデレラにだって負けない。
シンデレラが舞踏会で王子様と踊っていたのになんか負けないくらい、私にとってはこの時間が大切な時間。
けれど、シンデレラと同じように12時までにはお別れしなければならない。
終電なんてなければいいのに・・・。
仕事の時間はあんなに進むのが遅い時計の針は、遅れた分を取り戻すかのように、私たちの大切な時間を奪っていく。憂鬱な一週間はまだまだ先を残している。
「ほら、帰る時間だよ」
彼のやさしい一言は、今の私にとっては悲しい一言。
けれど、彼には迷惑をかけたくない。
わたしはしぶしぶ立ち上がり、玄関でクツを履く。
「あっ」
わたしの安いクツはヒールが簡単に壊れてしまう。
大事な大事なわたしのクツ。
辛い時もわたしを会社へ連れて行ってくれたクツ。
この足じゃ終電にはきっと間に合わない。
まるで、シンデレラと比べるなんておこがましい、と誰かが怒って罰を与えたようなできごとに、わたしはまるで魔法が解けたように、酔いが冷めていく。
「泊っていく?」
時計の針のようにわたしと彼は重なり合う。
ガラスのクツがない私は、どうやらまだまだ夢を見ていていいようだ。