第3話 え!…ウソっ (秋のロマン)

文字数 1,555文字


そんな青春から

弾丸の様に時は過ぎ

あれから何十年


空き家の多い住宅街

久しぶりに訪れた実家

今は誰も住んででおらず

吹き抜ける北風に閑散としている。



となりの家に挨拶していたら

「こんな所ですが…またお越し下さい」お隣の来客にも頭を下げた



実家の周りを遠巻きに見る

地味な制服の保険の勧誘員ぽい人がいる…

ちょっとアイドルのマコちゃん見たいな小悪魔系

関わると面倒だから…が

「あのう…」 先日ご解約頂いたこちら住所の〜

間が悪く話しかけられた。

駅まで頼んだあったタクシーが来る、時間が無いからタクシーの車内で話しを聞く

「ごめんね、もう保険は入れないよ。」

あまり上手じゃ無い勧誘


「宜しければ…東京駅スライドドア 口で降ろして頂けませんか…」

なぜだか一緒にタクシーを降り

同じ方面のバスは混んでいる

話しつつも距離は近づく、彼女の降りるバス停が近ずく

「民間の保険会社なら、私服のスーツだし…君なら結構契約とれると思うよ、ルックスもチョット可愛いし…」

「本当?」

頑張ってと言うまもなく

二人分の料金は支払われ、不意に手を引かれる…とステップを降りて

手を繋いで歩いている 何故だろう?

不思議と嫌でなく

懐かしい恋人といる感じで

楓の音と

肩を抱き寄せたくなる感じ

街中から住宅地へ、最近は街路樹が伐採されて

秋の雰囲気には程遠い

コンクリートの塀がまだ、緑の生垣に変わったところ

彼女は周りを見回し 手を離し

両腕でポンと肩を押し、生垣の切れ目へ押し出した

枯葉がある土に地面

あぁ こういう事するのね

ここで?

ライトKiss

どちら共なく…

黄色い秋の風景になる。


ふと、他所の御宅の庭先?

そこの家が気になり、また…ふと、振り返る。

「え?!……ウソっ」

長い歳月がカセットテープの頭出し見たいにフラッシュバックした

夜勤の時は日中コタツで、一緒にジグソーパズルをした

それで添い寝とか

見覚えのある右手前の部屋

「えっ…どうしたの?」

隠し立て出来ず、来た事ある事を伝える。ここに

「いま開けるね…」と言われてのは左手前の部屋

「そう言えば、二階の妹の部屋に来てた人いたねっ」

「いや…僕の頃は一階」

ちょっと寂しげな表情で

「そう、一階は子供部屋…今はねっ」

銀杏の葉が風に舞う

「あの頃ね〜結構激しかったわね。

色々聞こえるたわよ桃色吐息」

「5tの テストドライバーとか聞いてたたけど

あの激しさ分けてって言ってたかしら?」

「庭先に止めたクルマから

そう…明け方の紫の空の時間ね」

「そ・色々ね知っていたのよ〜

良かったかしら…ミルクティーでねっ」


ヤバイ…本当だ

流石にタバコを辞めた事は知らないだろうが…

恐ろしい?いや嬉しい?複雑な複雑

嫉妬かなぁ


どうなる 俺

27年の歳月は、どう転んでも…もう良い感じにだ

だが…

分かれ目の道のもう一方に

置かれた自分にドキマキしている。


「ねぇ…よく見せて その繊細な指」

あの時と同じ術中の落ちていく

引かれた手が胸の元に

ドキ ドキ



LOVE

紅い秋の時は静かだ

て事は、二階に住むのは恋敵のあいつか?

二世代兄弟姉妹同居の家

「妹の物は、私のものよ」

待っていたのは

もっと大きな保険契約か…

(おねいちゃんの物は私のもの)

記憶に残る言葉

そして、ややこしい事になりそうな気がしなくもない。






出会いは何時も隠れてる

キット落ち葉に埋もれて気付かないだけだ

ただ

風が吹いただけ


鉄工所@述Bell
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