第12話 鳥男とロボット

文字数 694文字

「プラズマ波を発生させた。電子機器の塊のようなやつらを倒すには、電磁パルスが一番有効な方法だ」
 鳥男は落下していくロボットたちを横目で見ながら、大声で説明してきた。
 だが、その威力はそう長くは続かなかった。地面に激突したロボットたちだが、破壊されてはいなかった。直ぐに起き上がり、また追ってくるのが肩越しに小さく見えた。
 どうやら、自動再起動能力を備えているようだ。
 また背後に近づき出すと、ロボットたちの動きが鈍った。第2、第3と、プラズマ波を浴びているようで、その距離は徐々に離れていった。
 そして、ロボットたちの姿は次第に点のようになっていった。
「まずい、奴ら誘導ミサイルも撃ってきた」
 鳥男は声を張り上げると、一気に急降下を始めた。
 ミサイルも方向転換をした。獲物は絶対に逃さないとばかりに、距離をどんどん縮めてきた。
すると鳥男が煙幕を張るかのように、ミサイルの方角にゴルフボールほどの数十個の白い球を放った。球が本当にゴルフボールなら、もったいない。
 落ち着いたら、ドライバーかアイアンを探し出して、そのボールを使わせてもらったのに。ま、冗談だが。その玉が何か、後で知った。空中版の機雷だ。
 機雷で多少の時間稼ぎにはなったが、ミサイルを阻止することはできなかった。軌道を変えて機雷を簡単にかわすと、また背後に迫ってきた。1分も経たないうちに追いつかれて、ドカーンだろう。お陀仏だ。
 だが悪運は、いや幸運は、俺たちを見放していなかったようだ。天の味方か? 岩山の側面にぽっかりと人が余裕で入れる岩窟があった。鳥男は迷わず岩窟の中にそのまま飛び込んだ。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み