第42話 オシリスは夢のなか

文字数 1,129文字



 さて、このシリーズはタクミとユーベルの超能力コンビが月面都市で事件を解決していく、SFミステリーです。
 なので、トリックが現代では起こりえないものになっています。クローンとか、ESPとか、未来の科学とか。そこを論理的に解いていくところに醍醐味があるわけです。そういう意味では『タイプJ』に似てますね。

 表紙の絵は手描きの色鉛筆画です。まだデジタルで描くようになる前ですね。
 このころは下絵にペン入れして、コピーしたペン画に彩色してたかな。手描きは一回失敗すると、とりかえしがつかないので、万一のためにコピーがあると助かることがよくあった。
 『鈴音』を書いてたころに描いた絵です。なので、この次ページで鈴音の表紙を載せましょうか。タッチが似てます。

 ん? 技術的なことですか?
 色鉛筆なんで、とにかくシャカシャカ塗り続けるだけです。
 強いて言えば、淡い色から濃い色へと塗っていき、当然のことながら白い部分は塗らないことで紙の色を残します。
 そして、一度にきつく色づけしようとせず、何度も何度もウンザリするほど重ね塗りすることで、きめ細かくなり、微妙なグラデーションをつけていきます。
 この絵を描いたころには、まだ知らなかった技法ですが、色鉛筆の芯をカッターで削って粉状にします。それを指や筆などで広げながら塗ると、広範囲を手早く塗ることができます。こうやって塗るとパステルみたいに、ぼやんとなるので、動物の下地にこれ、上から毛を一本ずつ手描きするなどすれば、毛並みの表現がリアルになります。
 瞳などはあとからホワイトでハイライト入れたり。

 さて、この表紙、候補としてモノクロのバージョンもありました。



 これはこれでいいんだけど、やっぱり地味だし、目立たないんでボツに。


 『オシリスは夢のなか』
 二十三世紀の月面都市を舞台にした超能力探偵シリーズ。
 タクミはディアナシティーのサイコセラピスト。患者のユーベルの社会復帰のためにいっしょに探偵事務所をひらくことに。
 ESPの存在があたりまえになった23世紀では、超能力を使った犯罪が多発していた。タクミはAランクの、ユーベルはBランクのエンパシストだから、超能力を使って事件を解決するのだ。
 さっそく事務所にやってきた超絶美少女は
 、なんと! 月の大富豪の若くして亡くなった細君のクローン再生体だった。夫が双子の弟と入れかわっているのではないか、調べてほしいと依頼されるのだが……。
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