3、漫画家鮭夫!

文字数 5,599文字

明日の座談会終了は昼12時になります。
ご質問などございましたら、それまでにこちらに書き込みよろしくお願い致します。
最後のチャプターになります。
鮭夫先生にお聞きしたいのですけれども、本格的にイラストレーターから漫画家になったのってどのタイミングだと思われますか?

最近、よそで「いつ自分は漫画家と名乗っていいのか?」みたいな話を聞いたりしたもので。

そうですねー。


雑誌で連載始まってからも、割と同期の漫画家さん同士「まだ自分で漫画家って名乗りにくい…」っていう戸惑いはお互いありましたね。新人あるあるな気はします。


イラストレーターの場合は「名刺を作って自分で名乗っちゃえばイラストレーター」っていう感じだったんですけども。これは最初から「イラストレーター」という肩書きを持って受注する態勢を作る必要があるからですかね。

そうなんですよね。

私も最初、漫画家って名乗るのドキドキしてました。

コミックリュウという月刊誌で「本格デビュー」する前の5年間も、一応猫雑誌やWEB媒体で漫画の単発や連載のお仕事はさせて頂いてたんですけども、あくまで「漫画も描けるイラストレーター」と自分では思ってましたし、漫画家とは名乗ってはいませんでしたねー。
やっぱり紙の雑誌で連載してこそ、みたいな意識はありましたか?
その当時の自分はそんな考えでした。


もちろんイラストレーターと同じく、自分で名乗る分には自由なんだし、コミティアに出て、商業作品以外にも漫画を発表し続けている人達を見ていたので、「アマチュアの『漫画家』」というものもあるなとは思ってましたが…


他の人が言う分にはいいけど、自分で名乗る分には抵抗がありましたね。

「WEBの連載で漫画家って名乗っていいのかなあ…みんなが思ってる漫画家って、『本屋さんに並んでる本に載ってる漫画』を描いてる人のことでしょ」…という。


そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

お、では現在は考え方が変わったということですか?
当時と違って、WEB雑誌、WEB連載というものが増えましたしね!


単行本になる場合、ならない場合があるにしろ、最終的に書店に並ばなくても、WEBでの連載って、かなりたくさんの人が読んでくれる媒体だなあ、と肌で感じています。


自分も今は紙の雑誌の連載作品よりWEB作品の方が多く読んでる気がします。

そうですね。私もWeb漫画出身なので、ほんとにそのとおりだと思います。実際、今現在もドンドンWeb雑誌、増えている印象があります。COMICリュウもWeb始めておりますし。そうした現状を見て、感覚が変わってきたんですかね?
森脇かみん先生のWEB漫画といえば「サイコミ」で描かれてていた「サブカルメディカル」ですね!?


こんな面白い漫画がいつでもタダで読めちゃうなんて!!


という所もWeb漫画の強みですよね!!


…という所もあって、今だったら「紙の雑誌、紙の単行本が出てこそ漫画家」とは考えてないだろうなー、という気はします。

あ、いや、なんか気を使っていただいて、すみません。
ち、ちが・・・


あたし・・・そんなつもりじゃっ・・・

えーっと、とりあえず、今は自分も漫画家と一応名乗って・・・


いや、今でも「名乗っていいのかな・・・」っていう気持ちが全くないわけではないですけども、


漫画家の条件・・・(あるのかどうかわからないですけど)というものは時代によって変わりそうですよね。

そうですね。今ではWebでも同人でも、それこそツイッターでも、漫画を描き続けていれば「漫画家」って名乗ってもいい時代な気がしてます。

自分がどう思っていても、読者から見れば立派な漫画家として認識されていれば、それでいいんじゃないですかね。

そうですね。「商業作家」という肩書きとなると別ですけど、前にも書いた通り、コミティアにも非商業漫画家とも言える猛者が山ほどいますからね!

あれ・・・この章「漫画家鮭夫」っていう仰々しいタイトルですけど、自分・・・漫画家なんだったっけ・・・まんがかってなんだ・・・字をずっと見てるとゲシュタルト崩壊してきた・・・

いかん。鮭夫先生が自我を喪失しようとされている?!


え、えーと、では最後の質問なんですが、鮭夫先生はデビュー作で連載を続け、5年目に突入した形になりますが、長期連載を続けてこられた秘訣などあったりされます?

宇宙の法則が乱れる!
鮭夫先生ご回答ありがとうございます!

とても参考になります!


また質問なのですが、鮭夫先生が漫画及び連載をする上でやった方が良いと思っている事と、これはやってはいけないと思う事を、よろしくければ3つ教えて頂けたら幸いです。


よろしくお願いします!

え? 秘訣・・・ ひけつ・・・
長期連載を続ける秘訣・・・・・・・・・


ぶっちゃけ、自分も知りたいくらいですよね!!


どうやったら続けられるかとか必勝法があったらみんな知りたい!!ですよね!!


・・・運良く連載が続いたのは結果論ですけど、自分なりに要因を考えるならいくつかあると思うんですが

万人に共通して長期連載が取れる方法なんてあったら、漫画関係者はみんな知りたいでしょうし、あったらすごいですよね。わかります。

ご自身がお考えになる点でよろしいかと。それだけで十分参考になると思いますよ。

なおたけさん、ご質問ありがとうございます!


>鮭夫先生が漫画及び連載をする上でやった方が良いと思っている事と、これはやってはいけないと思う事を、よろしくければ3つ教えて頂けたら幸いです。


えーっと、それは個人的に「連載中やってはいけない」と思うことだけですが、


・他人の作品をおとしめること

・原稿を落とすこと

・命を落とすこと


あんまりきれいにオチてないですね。

えっと、ヒトミ先生の連載がこれだけ長く続いてこれたのは、ひとえに読者様の応援があってこそ・・・




具体的かつ現実的に言えば、この作品のファンになって下さった方が、単行本を買い続けて下さって、出版社の期待する売り上げをクリアし続けてこれたということだと思いますが・・・

生臭い話をしております(魚類だけに)
まあ、でも生臭い話は避けて通れない感はあります。
ぶっちゃけ、「人外漫画」というようなジャンルが、ある程度流行しているちょうどいい時期に、連載ができたことも要因ですね・・・!

他の大人気人外娘漫画と併せて売って下さる書店さんも多かったと思います。


その中でも、単眼娘を主役とした漫画は数も少なかったので、需要と供給のバランスがちょうどよかった・・・というのもあるかもしれません!


どれも要因の一つだとは思いますが。


そのときの流行に合わせる。時代を読む感覚っていうのは大事だと思いますね。ニッチな層は自分たちが読みたいものに飢えてますし、そこをうまくつけたというのは素晴らしいと思います。

流行!大事ですよね!


とはいえ、人外キャラや単眼キャラという飛び道具的な奇抜さは、読者の興味を引くフックであって、継続して読んでもらう為には、広く共感できるような普遍性のあるテーマが必要かな、というのは心がけてきました。


キャラクターの見た目が異質なものだけに、「それでも根底は普通の人間と同じ、通じるものある」という感覚が際立つかもしれません。

・・・そういうのも、人外ジャンルの魅力の一つかも、と、個人的には思います。

といっている間に終了時間をオーバーしてしまいました。ここからは質問は終了させていただきます。ご質問下さった皆様ありがとうございました。
もう少しだけ座談会は続きます。

長々とおつきあいありがとうございます!(もうちょっとだけ続くんじゃ)


あとは、連載継続を意識する上で担当さんから言われたのは「縦軸」を入れることですね。


ヒトミ先生の保健室は基本的に1話完結で、生徒の悩みの相談に乗る・・・というスタンスですが、「この先どうなるのか」という人間関係などの変化なども盛り込むようにしました。

あとは、連載が続く中で読者を飽きさせないように、常に「何か新しいこと、面白いことをやろう」と、実験的、挑戦的なことはしているつもりです。


ヒトミ先生の保健室の場合は・・・まあ、子供達の成長譚である一方で、特殊性癖めいた題材を扱ってるのもあって・・・いろんなフェティシズムを追求しています。


(最近では膨体化、箱化、丸呑み、シュリンカーとか、更にニッチなものにも踏み込みました)


あくまで多くの人に読んでもらう想定で、コアになり過ぎず、グロテスクになり過ぎず、最後はほっこりできる優しい読後感に包み込んで、ごまかせるように。

・・・長期連載になったのは結果論ですが、個人的に考える要因はこんな感じでしょうか・・・?



連載がこんなに続いたのは、ホント運がよかったというか・・・


自分でも当初「2巻で終わるか、3巻も続けば御の字」くらいに思っていたので、驚いているくらいです・・・! 

鮭夫先生ありがとうございました。
すごく勉強になりました。運ももちろんあるんでしょうけど、そうした、読者に読んでもらう努力が連載を続けていける原動力になったのではないかと思いました。
では、本当に時間がアレなので、鮭夫先生から今回の感想や宣伝などを最後にお願い致します。

ありがとうございます!


本当にこんなマニアックな作品を読み続けてくれる読者様に感謝しかないですね!

担当者さんと編集部と出版社と流通・販売に関わって下さってる全ての皆様にも大感謝!


EYE ラヴユー!!

はい、というわけで、時間もオーバーしてしまいましたが、対談させて頂き、ありがとうございました!


対談? あれ、これ一人で喋りまくってる感じになってませんか?

大丈夫ですか?


ともあれ楽しかったです!

森脇先生、ご視聴して下さった1000万人の皆様ありがとうございました!!!!

数増えてますよ?
宣伝とか大丈夫ですか?
はい!ありがとうございます!


えー、現在月刊COMICリュウにて連載させて頂いております!

「ヒトミ先生の保健室」リュウコミックスより紙・電子書籍共に好評発売中です!


単眼の養護教諭ヒトミ先生が、異形な生徒の思春期の、心と身体の悩みに優しく寄り添い見守ります。

単眼の他にも多眼・多腕・ゾンビ・巨娘・女体化・獣人…なんでもありの異形系・思春期学園コメディー!


どうぞよろしく願いいたします!!

試し読みあり http://www.comic-ryu.jp/_hitomi/ 

単眼キャラや人外はちょっと・・・ 興味ない・・・という方でも、中学生を体験したことがあれば共感して頂けると思いますので、是非よろしくお願い致します。


「単眼キャラは最初ギョっとしたけど、読んでるうちに可愛く思えてきた・・・」という風にご評価も頂けているので、騙されたと思って読んでみてくださいねー・・・!!


いや、そこをなんとか!(嘆願)

10月に最新刊8巻が発売したばかりですよね。私も買いましたよ!
わーい!かみん先生ありがとうございます!!

なんて優しい!!


甘酸っぱい林間学校編を描いた最新8巻が現在発売中です!


果たしてこのあと10巻…そして連載6年目に突入できるかどうかは…


単行本の売れ行きにかかっております!

よろしくお願い致します!!

かみん先生の方からは何かお知らせはありますでしょうか!!


(ひとりで露骨に宣伝しまくった罪悪感から逃れようとする)

わわ、ありがとうございます。
私からは、現在も東京ネームタンクで講師してますので、ネームにお悩みの方はおいでください。というのと、来年の頭あたりで、どこかで読切りが載ると思いますが、詳しくは確定してから、というか、1月の座談会でw

という感じでしょうか。

読み切り! おでとうございます!!楽しみですね…!!




そして出た・・・!  謎の組織・・・噂のネームタンク・・・! 


かみん先生や他の先生からずっとお話しは聞いていて、自分もネームが苦手なので講義受けてみたいなーとずっと思ってたんですが・・・時間も取れずなかなか行けなくて・・・


でもWEB講座とかもあるんですよね?

そうなんですよ。東京の新宿に教室があるんですけど、遠方で来られない方用に、Web講座もございます。代表のごとうが懇切丁寧にネームの作り方を指導してくれますので、気になった方は是非、前述のサイトにアクセス!w
いや、ここまで書いておいて(回し者みたいになってしまうので)白々しいですが、


今回の対談のお誘いを受けた後、、せっかくだから受けてみようかな…と


実は今、WEB講座申し込んで受講してるところなんですよね…!


まだ雑誌の原稿が忙しいので、後追いで見てる状態ですが

それは! ありがとうございます! これからもネームタンクともどもよろしくお願い致します。
それでは、時間も随分オーバーしてしまいましたし、この座談会はこれにて終了とさせていただきます。

鮭夫先生、この度はためになるお話と、様々な資料をご用意いただき、本当にありがとうございました。

かみん先生、ありがとうございましたー!

お疲れ様でした!!楽しかったです!!


全国の100000000人の視聴者のみなさーん!

「サブカルメディカル」も「ヒトミ先生の保健室」も読んで下さいねー!!


ではではー!!

最後に次回告知です。

第三回「かみんの部屋 漫画家座談会」は1月23日20時~開催予定です。

気になる次回のゲストは

コミックバンチにて

「メシノトモ」

ガンガンONLINEにて

「構成/松永きなこ」

を好評連載中の


清水しの先生


です。

原作つき漫画、オリジナル漫画の同時連載をこなしていらっしゃる清水先生。独自の考え方などがあるご様子です。どんなお話が聞けるのか楽しみですね。

それでは、今回はこの辺で。

ご覧になっていただいた皆様、質問を下さった皆様、長丁場にお付き合いいただき、ほんとうにありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。


森脇かみんでした。


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※これは自由参加コラボです。誰でも書き込むことができます。

※コラボに参加するためにはログインが必要です。ログイン後にセリフを投稿できます。
※本コラボは完結済みです。

登場人物紹介

森脇かみん


漫画家。『東京ネームタンク』ネーム相談講師。


web、アプリ漫画「サイコミ」にて医療漫画「サブカルメディカル」でデビュー、連載。

連載終了後は企業案件漫画など。その他、漫画連載を企画中。

某医大医学部を中退し、漫画家になるため上京した過去を持つ。

医療知識があるので、その方面の質問に応えることもある程度可能。

日本シャーロック・ホームズ・クラブに所属する程度にミステリ好き。

鮭夫(しゃけお)


漫画家・イラストレーター。


富山県出身。

脱サラ後横浜に移住し、2008年よりイラストレーターとして活動。

ファミリー・児童向けのほのぼのイラストの他、WEB・携帯配信漫画などを手掛けている。


第12回龍神賞【銅龍賞】をゾンビ漫画『ジェネレーション・オブ・ザ・(リビング)デッド』で受賞。

同作品が「COMICリュウ」2013年2月号に掲載されて本格的デビューを飾る。

同誌2013年11月号より『ヒトミ先生の保健室』連載開始。

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