第14話 伏魔殿PTA
文字数 2,543文字
新年度が走り出す、ホットなこの時期。予定していた記事の順番を入れ替え、今回はかの有名なPTA問題を取り上げることにしました。
そうです。春の風物詩PTA!
子育てママを苦しめる伏魔殿 PTA!
ジャンケンに負けた人が生け贄として捧げられる、悪魔の殿堂PTA!
画像は中国明代の小説『水滸伝』の挿絵より「伏魔殿」。逃げてますねえ。
こちらは西洋絵画の「パンデモニウム」。
……何これって言われそうですが、PTAってこのぐらい恐ろしい所だと思われているんですよ、本当に(笑)!
だからこそ、どのママさんも何とかして逃げようと算段するわけです。
逃げたい人にとって、役員選びの保護者会はまさに地獄。すでに役員を終えた人は、冷めた視線を「まだ」の人に送ってプレッシャーをかけます。一方で「まだ」の人がいるにも関わらず、同じ人が二度目、三度目の負担を求められるといった不公平もしばしば。
聞いた話ですが、くじ引きで「委員長に大当たり」してしまったママさんが教室の窓から飛び降りようとしたケースもあるとか。もちろん周囲が必死に止めたそうですが……そこまでする!? 冗談でしょ!?(いや、ご本人は大真面目だったのかもしれませんが)
とにかくそれほどまでに恐れられ、嫌がられているPTAって何なんだという話です。
私事ですが、ご報告です。
このたびジゾウが入学した中学校において、私はめでたくPTA副会長に就任しました!
(ちなみに会長は男性)
自分でも叫んじゃう。ひえ~(笑)! 何てことだ!
次はムンクの『叫び』でもアップするか。
なぜ辞退しなかったのかって? あんたの場合、介護を理由に断ることもできたでしょって?
確かにそう。でも他のメンバーも仕事や自らの持病、その他もろもろの事情を抱えながら何とか時間を作って頑張っているんですよ。自分だけ逃げればいいってもんじゃない。
それから後述しますが、ジゾウには少し発達障害があり、特別支援教室の力を借りることになっています。私としては、お世話になる学校に対して少しでも恩返しをしなければなりません。
働くママさんの方が多くなった今、こうしたボランティア活動ってかなりの負担です。PTAの存在意義を問う意見も多いですよね。
確かに外からは何をやっているのか分からないし、行事も組織も形骸化。ベルマーク集めとか、バザーとか、仕事を休んでまでやることか? という声については私もまったく同感です(うちの中学ではもう廃止したらしい)。
お金をかけた広報誌作りなどは、編集作業が好きな人にとっては楽しいお仕事ですが、そうじゃない人がやると苦痛でしかありません。しかもその場合、読めたものではない物ができあがるわけで……。
シーっ。声が大きい。
とにかく問題が多いのです(笑)。ボランティアというからには、自発性が前提となるはずなのに、現実はそうじゃない。「学校の嫁」批判というのもありますが、無償労働での学校の下働きというイメージは相当に強いですね。
加入自体が任意なのですが、実際にはほぼ強制で、しかも集めた会費は一部の保護者の懇親会などにも使われ……批判は無制限に出てきます(笑)。
だけど本当にPTAっていらないんでしょうか?
何でもPTAとは、戦後まもない時期にGHQの指示でアメリカのやり方が持ち込まれたものだそうです。日本に民主主義を根付かせるための組織です。学校、保護者、地域が三位一体となって、子供たちの学ぶ環境を整える。理念は素晴らしいじゃありませんか。これがまともに機能していたら誰も文句は言わないでしょう。
それに子供を育てるという大変な仕事を、園や学校に丸投げでいいはずはないのです。
PTAなんかいらない、と廃止した途端、学級崩壊や子供たちの非行が目に余る事態となって、慌てて復活した、なんて話も聞いたことがあります。やっぱり実用面でもそれなりの役割は果たしているわけです。
それに先生たちは激務に耐えて子供たちのために尽くしてくれていますが、これも役員をやればこそ見えてきます。学校の現状を知って、どんなヘルプが必要なのか考えるのが、今のPTA役員の仕事なのかもしれませんね。
私もせっかく役職に就いたからには、できる範囲で「改革」をしていきたいもの。うまくいくかどうかは分かりません。任期は二年ですが、たぶん一年目は先輩のやり方を学ぶだけで精一杯。問題に切り込んでいくのは来年度になるでしょう。
最近では、
「学校のお手伝いは喜んでしますが、今のPTAに加入する意思はありません」
という人も多いようです。私の推測ですが、その学校のPTA執行部に人間関係の問題がある(と見られている)んじゃないでしょうか。悩みのすべては人間関係って話もありますしね。
確かに学校によっては、PTA執行部が仲良しママ友グループで埋め尽くされています。なり手がいないため、友達を拝み倒して引っ張ってくるからそうなるんですね。
しばしば排他的な組織になり、とても外部の人が入れる雰囲気ではなくなります。
何も知らずに、そういう組織に入ったら大変。
誰も親切に仕事を教えてはくれないし、雑談にさえ加わらせてもらえなかったりもする。ひどい場合、大事な会合の予定を教えてもらえない、なんてことも。
何という体たらく! 子供には「いじめは駄目よ」なんて言っておきながら、親は何をやっているんでしょう。これじゃ、次の役員になりたがる人がいなくて当然です。
綺麗ごとを言うなって言われそうですけど、大人のいじめってなかなか陰湿かつ狡猾なのです。PTA批判は、実はこんなところから端を発しているのかもしれません。
私は基本的に「そんなの許すまじ!」。だからこそ自分が責任者になってしまった方が、いろいろコントロールしやすいんじゃないかと思っています。もちろん相手は生半可じゃない母親たちですから、「副会長」の私には修羅場が待ち受けているのかもしれませんが……
いや、その時は戦うのみでしょう! そもそも子育てって戦いなわけです。恐がっている場合じゃありません。
というわけで、次の記事では実際に戦った時の話を書いてみます。
中学はこれからなので、幼稚園時代の話です。
そうです。春の風物詩PTA!
子育てママを苦しめる
ジャンケンに負けた人が生け贄として捧げられる、悪魔の殿堂PTA!
画像は中国明代の小説『水滸伝』の挿絵より「伏魔殿」。逃げてますねえ。
こちらは西洋絵画の「パンデモニウム」。
……何これって言われそうですが、PTAってこのぐらい恐ろしい所だと思われているんですよ、本当に(笑)!
だからこそ、どのママさんも何とかして逃げようと算段するわけです。
逃げたい人にとって、役員選びの保護者会はまさに地獄。すでに役員を終えた人は、冷めた視線を「まだ」の人に送ってプレッシャーをかけます。一方で「まだ」の人がいるにも関わらず、同じ人が二度目、三度目の負担を求められるといった不公平もしばしば。
聞いた話ですが、くじ引きで「委員長に大当たり」してしまったママさんが教室の窓から飛び降りようとしたケースもあるとか。もちろん周囲が必死に止めたそうですが……そこまでする!? 冗談でしょ!?(いや、ご本人は大真面目だったのかもしれませんが)
とにかくそれほどまでに恐れられ、嫌がられているPTAって何なんだという話です。
私事ですが、ご報告です。
このたびジゾウが入学した中学校において、私はめでたくPTA副会長に就任しました!
(ちなみに会長は男性)
自分でも叫んじゃう。ひえ~(笑)! 何てことだ!
次はムンクの『叫び』でもアップするか。
なぜ辞退しなかったのかって? あんたの場合、介護を理由に断ることもできたでしょって?
確かにそう。でも他のメンバーも仕事や自らの持病、その他もろもろの事情を抱えながら何とか時間を作って頑張っているんですよ。自分だけ逃げればいいってもんじゃない。
それから後述しますが、ジゾウには少し発達障害があり、特別支援教室の力を借りることになっています。私としては、お世話になる学校に対して少しでも恩返しをしなければなりません。
働くママさんの方が多くなった今、こうしたボランティア活動ってかなりの負担です。PTAの存在意義を問う意見も多いですよね。
確かに外からは何をやっているのか分からないし、行事も組織も形骸化。ベルマーク集めとか、バザーとか、仕事を休んでまでやることか? という声については私もまったく同感です(うちの中学ではもう廃止したらしい)。
お金をかけた広報誌作りなどは、編集作業が好きな人にとっては楽しいお仕事ですが、そうじゃない人がやると苦痛でしかありません。しかもその場合、読めたものではない物ができあがるわけで……。
シーっ。声が大きい。
とにかく問題が多いのです(笑)。ボランティアというからには、自発性が前提となるはずなのに、現実はそうじゃない。「学校の嫁」批判というのもありますが、無償労働での学校の下働きというイメージは相当に強いですね。
加入自体が任意なのですが、実際にはほぼ強制で、しかも集めた会費は一部の保護者の懇親会などにも使われ……批判は無制限に出てきます(笑)。
だけど本当にPTAっていらないんでしょうか?
何でもPTAとは、戦後まもない時期にGHQの指示でアメリカのやり方が持ち込まれたものだそうです。日本に民主主義を根付かせるための組織です。学校、保護者、地域が三位一体となって、子供たちの学ぶ環境を整える。理念は素晴らしいじゃありませんか。これがまともに機能していたら誰も文句は言わないでしょう。
それに子供を育てるという大変な仕事を、園や学校に丸投げでいいはずはないのです。
PTAなんかいらない、と廃止した途端、学級崩壊や子供たちの非行が目に余る事態となって、慌てて復活した、なんて話も聞いたことがあります。やっぱり実用面でもそれなりの役割は果たしているわけです。
それに先生たちは激務に耐えて子供たちのために尽くしてくれていますが、これも役員をやればこそ見えてきます。学校の現状を知って、どんなヘルプが必要なのか考えるのが、今のPTA役員の仕事なのかもしれませんね。
私もせっかく役職に就いたからには、できる範囲で「改革」をしていきたいもの。うまくいくかどうかは分かりません。任期は二年ですが、たぶん一年目は先輩のやり方を学ぶだけで精一杯。問題に切り込んでいくのは来年度になるでしょう。
最近では、
「学校のお手伝いは喜んでしますが、今のPTAに加入する意思はありません」
という人も多いようです。私の推測ですが、その学校のPTA執行部に人間関係の問題がある(と見られている)んじゃないでしょうか。悩みのすべては人間関係って話もありますしね。
確かに学校によっては、PTA執行部が仲良しママ友グループで埋め尽くされています。なり手がいないため、友達を拝み倒して引っ張ってくるからそうなるんですね。
しばしば排他的な組織になり、とても外部の人が入れる雰囲気ではなくなります。
何も知らずに、そういう組織に入ったら大変。
誰も親切に仕事を教えてはくれないし、雑談にさえ加わらせてもらえなかったりもする。ひどい場合、大事な会合の予定を教えてもらえない、なんてことも。
何という体たらく! 子供には「いじめは駄目よ」なんて言っておきながら、親は何をやっているんでしょう。これじゃ、次の役員になりたがる人がいなくて当然です。
綺麗ごとを言うなって言われそうですけど、大人のいじめってなかなか陰湿かつ狡猾なのです。PTA批判は、実はこんなところから端を発しているのかもしれません。
私は基本的に「そんなの許すまじ!」。だからこそ自分が責任者になってしまった方が、いろいろコントロールしやすいんじゃないかと思っています。もちろん相手は生半可じゃない母親たちですから、「副会長」の私には修羅場が待ち受けているのかもしれませんが……
いや、その時は戦うのみでしょう! そもそも子育てって戦いなわけです。恐がっている場合じゃありません。
というわけで、次の記事では実際に戦った時の話を書いてみます。
中学はこれからなので、幼稚園時代の話です。