第16話 フィリアとルインが!?
文字数 2,257文字
※
朝食を終えた後、
「それじゃあ、ワタシは行くから」
「忙しくなると思うが……」
「気にしないで。
誰に頼まれなくても、どうせ作るつもりだったからね」
小さく笑うレナァ。
そんな彼女に、
「れ、れなぁ……さま、どうか、よろしくおね……うえ……」
まだ二日酔いが治っていない一本角が、レナァを見送ろうと立ち上がった。
が……身体がふらっと揺れる。
「き、キミは暫く寝ていてくれ」
「も、申し訳……」
その言葉に甘えるように、アーヴィーはテーブルに項垂れた。
「引き籠って製作もいいけど、たまに身体を動かすといいのだわ。
そうじゃないと、デブるのよ?」
「残念ながら食べた分は胸にいってしまうんだ」
「むっ――それはわたしに対する当てつけなのかしら!?」
「さてね。
ラスがいるから大丈夫だと思うけど……ルインも気を付けてね」
「わかってるのだわ。
油断はしないつもりよ」
一応、これは二人の互いへのエールのつもりなのだろう。
「それじゃあ、行くね。
ラスも……気を付けて……」
「ああ」
不安そうなレナァに俺はしっかりと頷き返すと、彼女は安心するみたいに酒場を出て行った。
※
レナァが工房へ発ったあと、俺たちはフィリアに朝食を運んでやる。
「く~すぴ~……ラス~、大好き~」
寝ているにも関わらず告白された。
彼女はどんな夢を見ているのだろうか?
「いい加減、起きるのだわ」
ルインがフィリアを起こす為に身体をゆさゆさする。
「ん~……ラス……激し、すぎるよぅ……」
ゆさゆさされるだけで、胸が生き物みたいにぷるんと揺れる。
「うぅ……なんだか無性に腹が立ってきたのだわ。
この、この脂肪がっ! これが悪いのだわ!」
ルインが苛立ちから暴走を始め、フィリアの二つの大きな果実を揉みしだき始める。
「んっ……ら、ラス……」
「この! この! これでラス様をたぶらかすつもりなのね!
むぅ……悔しいけど、柔らかくて、気持ちいい……って、ダメ、ダメなのだわ!
こんなの脂肪、ただの脂肪よ!」
「あんっ……ラスぅ……もっと、もっとしてぇ……」
おい、フィリア。
お前、絶対に起きてるだろ?
寝言にしては出来過ぎてる。
そう思ってしまうくらいの反応を見せた。
「ら、ラス様を誘惑するみたいな声を上げるんじゃないのよ!」
揉みしだいていると、果実の中央にある突起が布越しでもわかるくらい尖り始めている。
「お、落ち着け、ルイン」
「わかってるのだわ。
もう……ほら、早く起き――んっ!?」
「っ……」
何が起こったのか説明しよう。
フィリアとルインが抱き合いながら……いや、一方的にフィリアが抱きしめながらキスしていた。
しかも完全に舌が入っている。
見ているのが恥ずかしくなるほどの濃厚なキスに、ルインは目を丸くしている。
「んっ……ラスぅ……もっと……はぁ……」
どうやらフィリアは、魔女っ子を俺だと思っているようだ。
「ぅ……ぁ……やめ……んっ!?」
ガクガクガクとルインの身体が震え出した。
股を擦り合わせてぽ~っと頬を染める。
「……や、やめろって――言ってるのだわ!」
ドン! と、なんとかフィリアを引き剥がした。
「はぁ、はぁ……野獣なの、この女は邪神じゃなくてエロ猿なのよ!」
「んあ……あれ、ラス、ルイン……?」
やっとフィリアが目を覚ました。
寝惚け眼を擦りながら俺たちを交互に見る。
「ら、ラス様、今のはノーカン! ノーカンだから!
あ、あの女が初めてなんて、あ、ありえないのだわ!」
必死な顔で否定するルイン。
なんだかちょっとかわいそうになってしまうほどで。
「まぁ、犬に噛まれたくらいに思っておくといいぞ」
「そ、そうなのよ!
あいつは犬、あいつは野獣、あいつは――ああああああっ!」
「なに騒いでいるの?」
ショックを受けるルインの気持ちなど知らずに、フィリアは不思議そうに首を傾げているのだった。
※
朝食をするフィリアに目的地を伝える。
「神界に行くの?
あそこってイヤな奴しかいないから、あまり行きたくないのよね」
「ならわたしとラス様だけでいいのだわ。
そのほうが二人で旅行気分を味わえるもの」
「い、行かないなんて言ってないわよ!」
邪神のフィリアにとっては、神というのは好んで相対したい相手ではないのだろう。
中にはあったら即バトルになるくらい犬猿の仲な神もいるらしいからな。
「安心しろ、フィリア。
何かあってもお前を必ず守ってみせる」
「――ラス!?」
「い、いや……仲間として、な」
「ラス様ラス様、わたしのことも守ってくれるのよね!」
「ああ」
「でも、あたしのほうを優先して守ってくれるよね!」
「なに言ってるのだわ?
わたしのほうに決まっているのよ!」
バチバチと睨み合う二人。
「と、とりあえず……準備ができたら行くとしよう」
また大規模魔法をぶっ放す前に、俺は二人の争いを止めたのだった。
そして俺たちは魔法陣を使って神界に向かった。
ルインがエルフの長老から聞いておいてくれた座標にも問題なく、俺たちは直ぐに目的地にたどり着くことができた。
朝食を終えた後、
「それじゃあ、ワタシは行くから」
「忙しくなると思うが……」
「気にしないで。
誰に頼まれなくても、どうせ作るつもりだったからね」
小さく笑うレナァ。
そんな彼女に、
「れ、れなぁ……さま、どうか、よろしくおね……うえ……」
まだ二日酔いが治っていない一本角が、レナァを見送ろうと立ち上がった。
が……身体がふらっと揺れる。
「き、キミは暫く寝ていてくれ」
「も、申し訳……」
その言葉に甘えるように、アーヴィーはテーブルに項垂れた。
「引き籠って製作もいいけど、たまに身体を動かすといいのだわ。
そうじゃないと、デブるのよ?」
「残念ながら食べた分は胸にいってしまうんだ」
「むっ――それはわたしに対する当てつけなのかしら!?」
「さてね。
ラスがいるから大丈夫だと思うけど……ルインも気を付けてね」
「わかってるのだわ。
油断はしないつもりよ」
一応、これは二人の互いへのエールのつもりなのだろう。
「それじゃあ、行くね。
ラスも……気を付けて……」
「ああ」
不安そうなレナァに俺はしっかりと頷き返すと、彼女は安心するみたいに酒場を出て行った。
※
レナァが工房へ発ったあと、俺たちはフィリアに朝食を運んでやる。
「く~すぴ~……ラス~、大好き~」
寝ているにも関わらず告白された。
彼女はどんな夢を見ているのだろうか?
「いい加減、起きるのだわ」
ルインがフィリアを起こす為に身体をゆさゆさする。
「ん~……ラス……激し、すぎるよぅ……」
ゆさゆさされるだけで、胸が生き物みたいにぷるんと揺れる。
「うぅ……なんだか無性に腹が立ってきたのだわ。
この、この脂肪がっ! これが悪いのだわ!」
ルインが苛立ちから暴走を始め、フィリアの二つの大きな果実を揉みしだき始める。
「んっ……ら、ラス……」
「この! この! これでラス様をたぶらかすつもりなのね!
むぅ……悔しいけど、柔らかくて、気持ちいい……って、ダメ、ダメなのだわ!
こんなの脂肪、ただの脂肪よ!」
「あんっ……ラスぅ……もっと、もっとしてぇ……」
おい、フィリア。
お前、絶対に起きてるだろ?
寝言にしては出来過ぎてる。
そう思ってしまうくらいの反応を見せた。
「ら、ラス様を誘惑するみたいな声を上げるんじゃないのよ!」
揉みしだいていると、果実の中央にある突起が布越しでもわかるくらい尖り始めている。
「お、落ち着け、ルイン」
「わかってるのだわ。
もう……ほら、早く起き――んっ!?」
「っ……」
何が起こったのか説明しよう。
フィリアとルインが抱き合いながら……いや、一方的にフィリアが抱きしめながらキスしていた。
しかも完全に舌が入っている。
見ているのが恥ずかしくなるほどの濃厚なキスに、ルインは目を丸くしている。
「んっ……ラスぅ……もっと……はぁ……」
どうやらフィリアは、魔女っ子を俺だと思っているようだ。
「ぅ……ぁ……やめ……んっ!?」
ガクガクガクとルインの身体が震え出した。
股を擦り合わせてぽ~っと頬を染める。
「……や、やめろって――言ってるのだわ!」
ドン! と、なんとかフィリアを引き剥がした。
「はぁ、はぁ……野獣なの、この女は邪神じゃなくてエロ猿なのよ!」
「んあ……あれ、ラス、ルイン……?」
やっとフィリアが目を覚ました。
寝惚け眼を擦りながら俺たちを交互に見る。
「ら、ラス様、今のはノーカン! ノーカンだから!
あ、あの女が初めてなんて、あ、ありえないのだわ!」
必死な顔で否定するルイン。
なんだかちょっとかわいそうになってしまうほどで。
「まぁ、犬に噛まれたくらいに思っておくといいぞ」
「そ、そうなのよ!
あいつは犬、あいつは野獣、あいつは――ああああああっ!」
「なに騒いでいるの?」
ショックを受けるルインの気持ちなど知らずに、フィリアは不思議そうに首を傾げているのだった。
※
朝食をするフィリアに目的地を伝える。
「神界に行くの?
あそこってイヤな奴しかいないから、あまり行きたくないのよね」
「ならわたしとラス様だけでいいのだわ。
そのほうが二人で旅行気分を味わえるもの」
「い、行かないなんて言ってないわよ!」
邪神のフィリアにとっては、神というのは好んで相対したい相手ではないのだろう。
中にはあったら即バトルになるくらい犬猿の仲な神もいるらしいからな。
「安心しろ、フィリア。
何かあってもお前を必ず守ってみせる」
「――ラス!?」
「い、いや……仲間として、な」
「ラス様ラス様、わたしのことも守ってくれるのよね!」
「ああ」
「でも、あたしのほうを優先して守ってくれるよね!」
「なに言ってるのだわ?
わたしのほうに決まっているのよ!」
バチバチと睨み合う二人。
「と、とりあえず……準備ができたら行くとしよう」
また大規模魔法をぶっ放す前に、俺は二人の争いを止めたのだった。
そして俺たちは魔法陣を使って神界に向かった。
ルインがエルフの長老から聞いておいてくれた座標にも問題なく、俺たちは直ぐに目的地にたどり着くことができた。