火計

文字数 3,724文字

 
 俺は先程の恐竜と一戦した時のことを考えていた。あの時オズワルトとレオノーレが助けに来てくれていなかったら?俺は恐竜と戦っていた時、実は勝算がない訳ではなかった。パーティの皆には言っていないことがある。実はミランダ先生から放課後の呼び出しがあった時の話には続きがあった。どうやら以前の俺の持ち物の一部が見つかったらしい。それで以前の俺の持ち物の一部である、剣の必殺の宝玉を2個返して貰っていた。必殺の宝玉はそれぞれ1日に1回までしか使えない(SPを消費しない)切り札であった。ここぞという所にしか使えないものである。なのであえて使わなかった。強すぎる力は身を滅ぼす。俺は使うのが怖かった。俺は手元に隠してある自身の宝玉を確かめてみる。


 剣の必殺(壱)*1、剣の必殺(弐)*1

 剣の必殺(壱)・・・空刃斬『くうはざん』→自身の攻撃力*20―相手の防御力=だいたい与えるダメージ
 剣の必殺(弐)・・・鬼斬り極文字『おにぎりごくもんじ』→自身の攻撃力*30―相手の防御力=だいたい与えるダメージ

 ◇
 ◇

 俺達は一緒に進んだバッファローの群れから離れて、アルスター山の方向へ向かって歩いた。

「俺達の身を守ってくれたバッファローの群れともお別れだな」・・・オズワルト

「ああ。俺達とは目指すところが違う」・・・アレス

 俺達は草原の中を進んでいく。

 ウォオオオオオオオオン!

 遠くで遠吠えが聞こえる。どうやら、肉食動物の縄張りに入ったようだ。

「草原は森と違って隠れる場所がない分、危険が多いかもしれない」・・・アレス

「ああ。最初は草原の方がいい所だと思っていたが、過酷な環境だ」・・・オズワルト

「だから私達エルフは森で生活しているのです」・・・レオノーレ

 ガルゥウウウアアアアッ!

 近くに1匹のハイエナがやってきた。

「迎え撃つ」・・・アレス

「恐竜に続いてハイエナか」・・・オズワルト

「倒しましょう」・・・レオノーレ

 アレスはペンダントに宝玉をそれぞれ埋め込む・・剣(弐)、ATK+10%、弱点分析、貫通(壱)、HP+10%

 NAME(名前) アレス
 才能限界値 5⇩⇩
 LV(レベル) 21
 HP(体力) 121(+10%)⇩⇩
 MP(魔力) 22⇩⇩
 SP(スキルポイント) 23⇩⇩
 ATK(攻撃) 47(剣+10)(+10%)⇩⇩
 DEF(防御) 23⇩⇩
 AGI(素早さ) 33⇩⇩
 弱点 ヒューマン


 オズワルトはペンダントに宝玉をそれぞれ埋め込む・・杖(弐)、雷(弐)、氷(弐)、炎(弐)、弱点分析、MP+10%、MP+20%

 NAME(名前) オズワルト
 才能限界値 7
 LV(レベル) 20
 HP(体力) 140
 MP(魔力) 78(+30%)
 SP(スキルポイント) 20
 ATK(攻撃) 55(杖+5)
 DEF(防御) 30
 AGI(素早さ) 50
 弱点 ヒューマン


 レオノーレはペンダントに宝玉をそれぞれ埋め込む・・弓(弐)、遠距離(小)、風(弐)、弱点分析、時空(壱)、AGI+10%

 NAME(名前) レオノーレ
 才能限界値 6
 LV(レベル) 15
 HP(体力) 150
 MP(魔力) 30
 SP(スキルポイント) 30
 ATK(攻撃) 36(弓+5)
 DEF(防御) 20
 AGI(素早さ) 45(+10%)
 弱点 エルフ


 俺は1匹のハイエナの至近距離に近づき、

「弱点分析」


 NAME(名前) (単体)ハイエナ
 LV(レベル) 10
 HP(体力) 150
 MP(魔力) 0
 SP(スキルポイント) 20
 ATK(攻撃) 50
 DEF(防御) 20
 AGI(素早さ) 50
 弱点 肉食動物


「肉食動物だけあって強いが倒せない相手ではない」・・・アレス

「恐竜を見た後だとなんだか安心します」・・・レオノーレ

「ああ。だが素早いぞ」・・・オズワルト

「今回は私に任せて」・・・レオノーレ

「分かった。敵は近接戦闘が強いから近づかせてはいけない。気をつけるんだ」・・・アレス

 レオノーレがハイエナ1匹の相手をすることに決まる。

 ガルゥウウウアアアアッ!

 双方共に臨戦状態である。

「いきます」・・・レオノーレ

 レオノーレはSPを4消費し、弓(弐)のスキルを発動する。

「私の最強の技を喰らいなさい。神弓(しんきゅう)

 レオノーレが矢を()る。矢は周囲に猛烈な風の渦を(まと)いながら目標であるハイエナに向かっていく。

 ハイエナは素早い動きで矢を咄嗟(とっさ)(かわ)してみせるが、


 キャウーーーン

(かわ)しても無駄よ。その矢の周囲は激しい風の(うず)によって切り(きざ)まれる」

 **ハイエナ HP 150→10 **


 ウォオオオオオオオオン!

 ハイエナは自身の力では勝てないと思ったのか、近くの仲間を呼んだようだった。

(とど)めよ」・・・レオノーレ

 レオノーレは矢を射て、傷ついたハイエナにとどめを刺した。

 **ハイエナ HP 10→0 **

「すぐにきっとハイエナの群れがやってくるはずだ」・・・オズワルト

「俺達パーティで迎え撃つぞ」・・・アレス


 ガウガウガウガウ

 ガウガウガウガウ

 どうやらハイエナの集団が襲来してきたみたいだ。

「気をつけろ。軽く10匹は超えているぞ」・・・アレス

「俺に案がある。ここは草原だ。火を使っても問題あるまい。ハイエナの周囲を火炎地獄にしてやる。」・・・オズワルト

 口元から(よだれ)()らして迫りくるハイエナの集団の方に向けてオズワルトは魔法を唱える。SPを8*X消費し、

業火(ごうか)に焼かれろ。ファイラ*X回」

 オズワルトはハイエナの集団を囲むように業火(ごうか)の魔法を撃つ。

 ハイエナは草原に燃え移った業火(ごうか)に囲まれる。

「これでハイエナは業火(ごうか)で焼け死ぬか、業火(ごうか)から飛び出してくるかの2択しかない」・・・オズワルト

(あぶ)り出されてきた所を狙うのだ」・・・オズワルト

「そのまま焼かれるのを待つか」・・・アレス

 ハイエナの集団の15匹の内、12匹が焼かれて焼死体となり、3匹が業火(ごうか)を飛び出してくる。

「俺が行く」・・・アレス


 俺はSPを4*3=12消費し、剣(弐)のスキルを発動する。

「切り(きざ)んでやる。(はやぶさ)斬り*3」・・・アレス


 ビューーーーンビューーーーンビューーーーン


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 と大地をめくりあげながら、傷を負った残りの3匹のハイエナ目掛けて斬撃が一直線に飛んでいく。


 ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーン

 傷を負った残りの3匹のハイエナは文字通り()端微塵(ぱみじん)となった。


「俺達の勝利だ」・・・アレス

「オズワルトさんの策略のおかげで助かりました」・・・レオノーレ

流石(さすが)はオズワルト。頼りになる」・・・アレス

「たまたま思いついただけだ。ありがとう」・・・オズワルト


 俺達はハイエナの集団を危なげなく一網打尽(いちもうだじん)にすることができた。

 ◇

 この戦闘のおかげでオズワルトがレベルアップする。どうやら才能限界値もアップしたようだ。そして、

「俺の剣(弐)の宝玉が強く光輝いている」・・・アレス

 俺の剣(弐)の宝玉は強く光輝き、(まばゆ)い光を放つ。そして光が収まると、剣(参)となっていた。


【オズワルトはレベルアップした】
【才能限界値が1上がりました】

 NAME(名前) オズワルト
 才能限界値 7
 LV(レベル) 20
 HP(体力) 140
 MP(魔力) 60
 SP(スキルポイント) 20
 ATK(攻撃) 50
 DEF(防御) 30
 AGI(素早さ) 50
 弱点 ヒューマン

 ⇩⇩⇩

 NAME(名前) オズワルト
 才能限界値 8
 LV(レベル) 21
 HP(体力) 147
 MP(魔力) 64
 SP(スキルポイント) 22
 ATK(攻撃) 53
 DEF(防御) 32
 AGI(素早さ) 52
 弱点 ヒューマン


【アレスの剣(弐)の宝玉が剣(参)になりました】

 剣(参)・・・疾風(しっぷう)斬り→相手の素早さ無視で先制攻撃。攻撃効果は若干低下。消費SP6。また以前のスキルを引き継ぐ。

 ◆

 俺達はハイエナの集団を倒した後は草原で何事も起こることなく無事にアルスター山の(ふもと)にたどり着くことができた。

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登場人物紹介

アレス


男子学生で本編の主人公


前衛で剣を扱う戦士


は選抜の特別任務を遂行できるほどの才能限界値を有していた。


とある事件を契機に世間平均では7あると云われている才能限界値5にまで落ち込んでいる。

オズワルト


男子学生で見た目は長身で顔立ちが整っている


性格も気配りの出来る男で人望が厚い。優秀な後衛の魔法使い

レオノーレ


エルフ女子学生で人間との意思疎通得意でない。見た目はアレス曰く、可愛いらしい

森で育ったこともあり、夜眼利くを扱うのが得意。前衛も後衛もカバーできる中衛の狩人で弓使い。

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