第4話

文字数 1,027文字

「おい、人間!起きろ!」

俺は、頭に何かガンガン当たる感触で目を覚ました。

「んだよ…」

手を伸ばし"それ"を掴むと、引き寄せ確認する。
黒い卵だ。

「こら、人間!早く起きろ」
「うるさい…今何時だ?」

スマホを見ると、まだ朝の5時だ。

「まだ5時じゃん。寝る」

俺は"それ"を放り投げ、頭から布団を被った。

「こら!我を投げるとは失礼だぞ」
「知らんし。寝る」
「我を粗末に扱うと後悔するぞ」

俺は無視して目を閉じる。
ウトウトし始めた時、布団に何かが入ってきた。

「バッドポイント!!」

機械的な声と共に、突如頭を叩かれた。

「イテッ!卵!いい加減しろ…?」

苛立たしさから布団を蹴飛ばし起き上がる。
そこにいたのは、黒いドローンだった。

「は?ドローン?」

しかし、ドローンにしては様子がおかしい。
機体から、ピコピコハンマーが出ている。

「それは、ニョローン。管理ロボットだ」
「ニョローン?ふざけた名前だな」
「ふざけてなどおらん!ニョローンは優秀だ。これから、ニョローンが我らを監視し、ポイントをカウントする」
「ポイント?なんだそれ?」

俺が尋ねると“それ"は、胸を張り得意気に説明を始めた。

「ポイントは高ければ高いほど、孵化した際、魔力が高くなる。尚且つ外見にも作用する」
「外見?」
「そうだ。高ポイントだと見目麗しく孵化できるのだ」
 
俺は頭を抱え、心の中でくだを巻く。

(ポイントってなんだよ。マジで言ってんのか?)

「で…ポイントってどうやってカウントすんの?」

仕方なく聞いてみる。

「ポイントは、お前次第だ」
「俺次第?」
「そうだ。我に対する態度や対応によりカウントされる。バッドポイントは−5ポイント。ナイスポイントは+5ポイント。一週間の総合ポイントによって、我の魔力と外見が決まるという訳だ」
「ちょっと待てよ!それって責任重大じゃん!」

俺は、呆然と"それ"を見つめた。

「重く考えなくても良い。お前を選んだのは我だ。例え、総合ポイントが低くとも恨んだりはしない」

意外にまともな返しに驚いた。
思ったより悪い奴じゃないかもしれない…

「まずは、我に名を付けよ。名付けと共にポイントのカウントが始まる」
「え?さっきのバッドポイントは?」
「あれは、名付け前だからノーカウントだ」
「なんだよそれ!俺叩かれたんだぞ!」
「たまに、そんな事もある。まぁ…誤作動というやつだ」

"それ"はバツが悪そうにそっぽを向いた(そんな感じに見えた)

「なんだよ!優秀なロボットじゃないのかよ!」

俺は、先行きに不安しかなかった。

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