第135話 準々決勝組みあわせ抽選会
文字数 1,359文字
僕らの次は玄武組と青龍組の対戦だ。それぞれ、予選を勝ち残った二チームが戦ったんだけど、下馬評どおりだ。玄武のドムドと、青龍のゲンチョウが勝った。
僕はこのとき初めて、ドムドとゲンチョウのパーティーが戦うのを見た。だけど、両チームとも大将のドムドとゲンチョウは出てこない。中堅までで勝ちあがりを決めた。
「今日の試合では大将まで出てきたとこなかったね」
「そうだな。パーティーが総合的に強いってことだ」
昼ごはんの休憩をはさんだあと、明日からの準々決勝のための組みあわせ抽選会が行われた。ここからは白虎とか青龍とか関係なく、予選勝ちぬきチームと推薦枠パーティーが平等にクジをひいて、対戦相手を決める。
「あれが推薦枠の人たち?」
「そうみたいだな」
どのチームも代表で一人か二人しか来てない。
見なれた顔はない……わけではなかった!
「あれ? トーマス? トーマスなんじゃない? 僕に呪文の唱えかた教えてくれたよね?」
てか、ホワイトドラゴンのウロコを持って帰って、竜毒から助けてあげたトーマス。やっと元気になったんだ。
「ああっ、ワレスさん推薦のトーマスパーティーって、トーマスのことなんだ!」
トーマスはうろたえた。
「ああ、かーくん。ひさしぶり。そのせつはありがとう。君はおれの命の恩人だよ」
「トーマスの仲間は誰なの?」
「えっと……」
トーマスはまわりを見まわして口ごもった。なんか変だな。
「トーマス、僕らの仲間になるって言ってなかったっけ」
「ああ、うん。かーくん。ちょっと、その、今、忙しいから、またあとで」
「ええっ? 忙しくないよ? クジひくだけだよ?」
「と、とにかく、あとでゆっくり話をしよう」
逃げられてしまった。
猛がクスクス笑ってる。
「かーくん。クジびき始まるぞ」
「ああ、うん」
各チームの代表が一人ずつ、クジをひいていく。
僕のひいた棒には4ー2と書かれてた。
「第四試合の二チームめってことだね」
「そう。4ー1のヤツらが、おれたちの対戦相手」
残り八チームか。
最後まで残ったとしたら、あと三試合。せめて準決勝までは行きたいところだなぁ。
全員がクジをひいて、ボードにそれぞれのパーティーの札がかけられていく。
僕らのチームがあたったのは、ゲンチョウ——おおっ、ウワサのゲンチョウパーティーだ。
猛が考えこむ。
「ゲンチョウパーティーか。強敵だな」
「うん。がんばろうね」
デギルさんの部下たちビーツパーティーは、白虎の推薦枠とあたるみたいだ。トーマスパーティーは玄武の推薦枠と。
「ん? トーマスのパーティーって、白虎組じゃないんだ」
「組みは朱雀みたいだな」
「ふうん」
蘭さんたちはいまだに会わないけど、どうなってるんだろ?
白虎門から入ってきたなら、僕らとどっかで対戦したはずだし、朱雀門なのかな?
それとも、まだヒノクニに到着してないとか?
ほんとに心配になってくる。
「明日は午前、午後にわけて、二試合ずつ行われます。それぞれのチームは試合開始三十分前までには会場に入っていてください」
大会の進行係にそう説明された。
「午後から何しようか? 都見物?」
「そうだな。まだ観光してなかったか」
話しながら、会場を出ていく。
レンガ造りの洋館や和風の豪邸のあいだを歩いていると、僕は気づいた。
誰かがあとをつけてくる!