ちゃんと見てるからね！
文字数 1,167文字
うぅーーーーん……
ん、どうしたの？
いやぁ、好きって何だろうって考えてね……
さっきからそんな事考えてたの……？
この頃、学園の女の子達と山あり谷ありキャッキャウフフでイチャイチャな生活を送ってた訳だけどさ。爽快なアクションも派手な事が起こる訳でも無い、言ってしまえば選択肢を選び続けるだけなのにここまで続けられたモチベーションって何だったのかなって
その子が好きだから、とか？
そうだね。その子の笑顔を見たいから、その子を幸せにしてあげたいっていうのは私にとって割と大きな理由だとは思う……
でもそれはその子を選んだ後の話で、その前に最も重要な要因があるんだ……
えーっと……声と見た目、とか……？
そう。声と見た目、そして更に言えば属性だね……。この3つを見てから誰を攻略するかを決めると思うんだ
それからまぁ話を進めるんだけど、その子を深く知っていく内に何か自分の思ってたのと違うとか、やっぱりこっちのキャラの方が良かったなぁって事もある訳だよ……
そうなるとちょっと嫌だね……
そうなんだよねぇ、こっちが勝手に理想を押し付けてただけなんだけど何か裏切られた感じに思えちゃうんだよ……
でもね、さっき言った3要素は見事に私の心を掴んでるんだよ、凄く複雑なんだよ。あれ、好きって何だ？って話
えっと……。つまり見た目か性格か……って事だよね？
私の言いたい事をこんなに簡潔にまとめるなんて、流石ちーちゃんだね……！
私がエンディングまで続けられた要因はキャラへのラブだったのか、それともライクなのか。どっちなのかなぁ、ってさ……
そもそもイツキちゃんはどのゲームでもクリアまでやってると思うんだけど……
確かに！そもそも私はゲームにラブなんだったね！
忘れてたんだね……
当たり前な事というのは突然見落としてしまうという訳だよ……
深い事言うね……
とすると、エンディングまで進める動機は正直何でも良くて、好みと僅かにあったやましい気持ちだけでヒロインを選んでいた……。つまり私は性格よりも見た目を重視するタイプという事になって……
あれ？もしかして私って薄情なんじゃ……
考え過ぎじゃないかな……
いいや……今日1日で蘭ちゃんに私がガワしか見てない面食いウーメンなんて誤解をされてたらと思うと、私は朝しか寝られないよ！
頑張って学校には行こうね……
こうしちゃいられない！何としてもこの疑いだけは晴らしておかないと！
イツキは携帯を取り出す！
そして電話をかけ始めた！
あ、もしもし！イツキさん、どうしたんですか？
もしもし蘭ちゃん！？一応言っとくけど蘭ちゃんの内面もちゃんと見てるから！愛してるよ！じゃーね！
ぇえ？！あの、それってどういう、ぇ
イツキは電話を切った！
これでよし……。どうにか蘭ちゃんに私が中身を重視する立花樹だという事を伝えられたよ……！
寧ろ変に思われたんじゃないかな……
