天上院ナナヒメ VS 大心知真桜 3

文字数 843文字

【NO.2 HOLE 65yard Par3】
ああ、もう少しだったのに……!
またも、あわやホールインワンです!
天上から、的を射抜くようなロブショット。

かつてジュニアで敵なしだったというのも頷けるな。
どうされますか、魔王様。

もし必要であれば、私の力を……
それには及ばない
ま、またパターを!?
ふむ
おみごとです、魔王様
信じられない……グリーンのうえの話じゃないのよ?

デコボコだって、ラフだってあるのというのに……
このホールは引き分けですね。

天上院さんの1UPで、3番ホールへ向かいましょう。



【NO.3 HOLE 144yard Par3】
比較的距離のあるパー3……

「ハイプライドショット」の有効範囲外ですね。
そろそろ仕掛けるとしようか。

シニー、これを見るがいい。
それは、ナナヒメちゃんとの契約書……

『勝利したあかつきには、金5000万円を要求する』と書いてありますね。
おかしいと思わないか?

いくら調子が良いとはいえ、これだけの大金を賭けた試合でこのパフォーマンス。

並大抵のメンタルで立ち向かえることではない。

つまり……
ナナヒメちゃんは、この契約書の中身を知らない……ということでしょうか。
おそらく、借金取りの差し金だろう。

プレッシャーのない状態で戦わせて、あわよくば借金を回収しようという。
つまり魔王様の作戦は、
『契約書の内容をナナヒメちゃんにバラして、精神的な揺さぶりをかける』ということでしょうか。
いいや、それでは借金取りの思う壺だ。

ナナヒメにとって5000万円はあまりに大きすぎる額で、現実味がない。

ビビって調子を崩してくれればいいが、逆におかしなスイッチが入って、ゾーンにでも入られたりしては厄介だ。

まあ、見ていろ。
ニアピン賞?
そうだ。
このホール、よりピンに近づけた方がボーナスを得る。
ボーナスって……いくら?
50円
じゅうえん!!
あああ、バンカーに……!

ミスショットしちゃった……。
うーん、ちょろい。
……なんだか可哀想になってきちゃいました。
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登場人物紹介

名前:大心知真桜(おごろち・まおう)


《プロフィール》


ゴルフによる世界征服を本気で目指している中学二年生。

「相手のメンタルを崩せば負けない」が信条で、様々な策を弄して相手のメンタルを崩しにいく策略家。

大勢でスコアを競うストロークプレーには興味がなく、より相手と近い距離で緊張感のあるマッチプレーを好んでいる。ゴルフの能力は突出しているわけではないが、強靭なメンタルと多彩なギフトを駆使することで、マッチプレーでは無敵の強さを誇る。


負かしたゴルファーたちで『魔王軍』を組織しており、定期的なオフラインお茶会の他、VR空間に用意した魔王城にてオンライン会議や交流会を重ねている。現在の配下は99人で、有力なプロやジュニアゴルファーが在籍している。退会するには真桜に再戦を挑んで勝利する必要があるが、メンバーの結束が強く、これまで退会希望者はいない。


年齢:14歳 中学二年生

身長:高い

能力値(ABCDEFGランク評価 Dでプロ級)

パワー:C 技術:D 知能:A メンタル:A

ゴルフ:8年

ギフト:魔王結界(打球の軌道で黒い霧を張る。触れた飛翔物は地面に落ちる)など多数

スキル:メンタリズム(相手の思考を把握し操作する


マオウという名前のせいか、小さい頃より悪役に憧れていた。

相手のことを理解し、その力を極限まで引き出してから倒すというこだわりを持っている。

まず挑戦を受けたら、諜報部隊を使って相手を調査し、さらに自分で確認にいって弱点を探し出す。


性格は明るく前向きで、強いカリスマ性を持っている。

他人に強い興味を持って接するため「私のことを本当に理解してくれているのは、この人だけだ」という印象を与えやすい。


中学を卒業するまでには、国内のゴルフ業界を牛耳っている『覇剣財閥』を傘下に収め、高校を卒業するまでには世界征服を成し遂げたいと考えている。

名前:シニー・ゴドルフィン( Chiny  Godolphin )


《プロフィール》


英国在住時に世界大会で優勝するが、クラブを振るたびに自らの体が傷つくという原因不明の症状が起こり、ゴルファーの道を諦めることになってしまう。

それでもゴルフに関わりたいと12歳で来日し、覇剣ゴルフアカデミーのキャディ養成学科に通ったが、一緒にラウンドしたプレイヤーが謎の怪我を繰り返すことから、「死神」「呪われた子」と呼ばれ、誰からも相手をされなくなってしまった。


将来に絶望し、命を絶とうと考えたときに「勝利をすれば何でも願いを叶えてくれる」という『ゴルフの魔王』の噂を聞く。

真桜との勝負に命がけのプレーで勝利をし、ずっと側にいさせて欲しいと望んだ。

現在は真桜の専属キャディとして一緒に生活をしている。


年齢:14歳 中学二年生

身長:低い

〈キャディ〉

経験 :1年(覇剣ゴルフアカデミーを除籍)

ギフト:死神の盟約(強力な技術支援系だがプレイヤーの体を傷つけてしまう)

〈ゴルファー〉

能力値(ABCDEFGランク評価 Dでプロ級)

パワー:D 技術:A 知能:C メンタル:B

ゴルフ:6年

ギフト:死神の鎌(0番アイアンによる強力無比のショット。打つ度に自らの体を傷つける)


過去の経緯のため性格は怖がりで、真桜が近くにいないと何も出来ない。真桜に心の底から忠誠を誓っている。

マッチプレーで真桜を負かした唯一のゴルフプレイヤー。

名前:天上院ナナヒメ(てんじょういん・ななひめ)


《プロフィール》

日本有数の富豪である天上院家の令嬢だったが、ライバルであった覇剣財閥の策略によって没落し、現在は安アパートで内職をする生活を送っている。

幼いころからゴルフを嗜んでおり、国内外の大会で好成績を収めてきた。


年齢:13歳 中学ニ年生

身長:普通

能力値(ABCDEFGランク評価 Dでプロ級)

パワー:D 技術:B 知能:E メンタル:C

ゴルフ:6年

ギフト:ハイプライドショット(自尊心の高さを弾道に反映し、はるか上空からターゲットを狙うロブショット)


世間知らずのお嬢様で、貧乏ネタを使いやすいポジション。

後先を考えないお人好しで、見ているだけで非常に危なっかしく庇護欲をそそるタイプ。

天上院家が没落をした経緯などは理解しておらず、とにかくお金を集めれば家族と再会できるはずだと必死に頑張っている。


ゴルフの腕は相当高く、全国でもトップクラス。

天上院家が没落する前の、全盛期で自信満々だったころはメンタルもずば抜けていて、ほぼ無敵に近い状態だった。


学費や家賃などの生活費は借金取りのお姉さんが貸してくれている。

使用しているクラブも現役時代に使っていたもので、お姉さんが差し押さえている。

名前:借金取りのお姉さん


借金のカタに天上院ナナヒメを引き取った、謎のお姉さん。

ナナヒメに学費や生活費を貸し付け、ボール磨きの内職を手配している。


年齢:18歳

身長:高い

〈キャディ〉

経験 :なし

ギフト:能力貸付(体力気力をプレイヤーに貸し付け、終了後に利子を付けて返済させる)


その正体は、覇剣財閥の長女であり跡取り候補の覇剣百合子。

天上院家を裏切った父親の行為を良しとせず反発している。

ナナヒメは本来、覇剣ゴルフアカデミーに連れていかれる予定だったが、独断でナナヒメを引き取ることにした。


ところが家出をしたことで収入が途絶え、これ以上ナナヒメの面倒が見られない。

そこで「ゴルフの魔王」の噂を聞き、勝ってお金が得られればそれで良し、負けたらナナヒメの面倒を見てもらおうと考えた。


父親と覇剣財閥を一泡吹かせてやりたいと考えていて、大心知真桜にも強い興味を持っている。

覇剣財閥と真桜軍との大規模なゴルフ戦争を画策している。


可愛い女の子が大好き。

名前:桐森さゆ(きりもり さゆ)

《プロフィール》

桐森骨董店の看板娘。

性格はのんびり屋だが、一つのことを正確に継続する優れた集中力を持っている。

(お弁当にタンポポの花を置く仕事を、何時間でも笑顔で続けられるタイプ)

幽霊や妖精のようなものと意思疎通ができるという不思議な力がある。


年齢:13歳 中学一年生

身長:標準

能力値(ABCDEFGランク評価 Dでプロ級)

パワー:G 技術:G 知能:F メンタル:E

ゴルフ:未経験

ギフト:みんなの思い出(ゴルフ場の過去のプレイヤーたちの記憶やプレーを読み取りることが出来る)

スキル:超精密体内時計(リズムや時間を正確に把握)

   :霊感(幽霊や妖精のような存在と意思疎通)


個性豊かな他キャラクターたちの中にあって、いつも明るくふわふわしている緩衝材のような立ち位置で、「おばあちゃんっぽい」と言われがちな性格。

ゴルファーとしては、コンマ1秒刻みの正確な体内時計を武器に、着実に力を付けていく。

『うさぴょんショット』と命名するショットは、イリスからのアドバイスである「リズムよく打つこと。『いち、に』でも『アン、ドゥ』でもいいから」を元に、自分がリズムを取りやすい『うさ、ぴょん』としたもの。

このリズム感を元に、「うさぎ3匹分振りかぶる」「うさぎ6匹と4分の3分振りかぶる」という独自のストローク方法を考え出し、うさぴょんショットが成長していく。

イリスからは「ものすごくゆっくり動くメトロノーム(精密機械)」と称される。


ゴルフを始める動機はイリスの頼みからで、元々興味があるわけではないが、イリスとご先祖様の話を聞いたり、自分もゴルフを始めたことで少しずつハマっていく。

ギフトは当初はないが、自身の素質である霊感から派生して、『みんなの思い出(ゴルフ場の過去のプレイヤーたちの記憶やプレーを読み取ることが出来る)』というギフトを持つことで、様々なストーリーの中心となりうる主人公ポジションを担っていくことになる。

名前:イリスロード・クイーン(irislord  gueen)

《プロフィール》

1914年の米国に生まれ、類まれな才能を持ちながら早逝した天才ゴルフ少女で『虹の女王』の異名を持つ。

1928年に来日した折、プレイ中の事故(落雷)により命を落としてしまった。

死後、ライバルだった日本人の『桐森雪花』が遺品であるゴルフクラブを預かり、およそ100年を経て、雪花の子孫である桐森さゆが実家の蔵から見つけ出した。

幽霊となって現れたイリスロードは「満足できる勝負が出来ないと天国へはいけない」とさゆに協力を求め、雪花と同格のライバルを探すことになる。


年齢:14歳

身長:高い

能力値(ABCDEFGランク評価 Dでプロ級)

パワー:C 技術:A 知能:C メンタル:B

ゴルフ:9年

ギフト:レインボーショット(描いた虹のイメージを辿る正確無比なショット)

スキル:憑依(さゆの体を借りて自由に動くことが出来る)

   :虹の女王(雨上がりの天候で能力が大幅に強化される)


好奇心旺盛で、聡明かつ善良なキャラクターであるが、ゴルフになると人が変わる。

誰にでも勝負をふっかけて、ゴルフをするためなら手段を選ばないトラブルメーカー。

生前も性別を偽って男子ゴルフ大会に参加をしており、「どうしてあの子はゴルフになるとおかしくなるのか」と家族たちを悩ませていた。


自分が死んでしまったこと、当時の家族たちが誰も生きていないことを知り、一人で泣いているところをさゆに慰められる。

その後は、持ち前の好奇心さで現代の知識をスポンジのように吸収し、さゆが使えない携帯電話を操作したり、カラオケやゲームなどを楽しめるようになっていく。

さゆの体に憑依することで、ひとつの食べ物を2人で味わったり、感覚を共有することが出来る。

この能力はイリスがさゆにゴルフをレクチャーする際にも活用されるが、長時間の憑依によってさゆの体力が消耗してしまうため、時間が限られてしまう。

さゆの体力作りによって憑依時間を伸ばすこと、自分を満足させてくれる対戦相手探しが目標となる。

名前:うさぴょん

《プロフィール》

クラブカバーに入って、ふよふよ浮いている謎のうさぎ妖精。

時々出てきては、さゆにアドバイスを与えてくれる。


中に入っているのは、さゆの先祖でありイリスロードのライバルだった桐森雪花の魂。

本来は自分がイリスと戦いたいと思っていたが、イリスを霊体化させるために力を使い果たしてしまい、こんな姿になってしまった。

名前:桐森雪花(きりもり せつか)


《プロフィール》


さゆのご先祖様で、曽祖父の妹にあたる。


外見はさゆに瓜二つだが、中身がまったく違う。(イリス談

他人を寄せ付けないクールな雰囲気で、勝利をしても笑顔一つこぼさない。


当時、世界最強の女子ゴルファーと評されていた。

さゆとは比較にならない霊能力の持ち主で、除霊や霊媒を生業としていた。


ライバルであるイリスを失った後は、自身もゴルフを辞め、二度と姿を現さなかった。

その後、世界各地でギフト能力を持つゴルファーが誕生していく。

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