ヒットポイントとマジックポイントと脳細胞
文字数 1,354文字
俺はなに食わぬ顔で歩きながら、大きく迂回してメインストリートへ戻った。
おっ! あの後ろ姿は。
「……ペン子さん」
「きゃっ、……ゆ、雄太さん?」
折りよく、ペン子さんを見つけられた。しかし、弥生が一緒ではない。
「弥生はどうしたんです?」
「あ、はい。逃げる途中ではぐれてしまって……」
「そうですか……無事ならいいんですけど」
まぁ、弥生とはぐれたおかげで、メールを怪しまれずに送れたという面もあるかもしれない。
「そういえば、いつの間に俺のメアドを調べたんです?」
「あ、それは……その、最初に男の娘戦士の候補をリストアップしたときに、住所氏名連絡先等は、全て調べさせていただきました。勝手に、すみません……」
「いえ、まぁ……今回、おかげで助かりましたから。それにしても、あの男の娘ソード、すごい武器ですね。あれがあればマジで楽勝ですよ!」
「ええ、男の娘戦士推進団体の科学力はすごいですから……。でも、あのソードは使いすぎると……」
「……ゆーくーん♪ ゆりちゃん♪」
そのとき、向こうから弥生が手を振りながら、走ってきた。よかった、無事だったか。
「みんな、無事でよかったよ~♪」
そして、ペットが飼い主に飛びつくような勢いで俺に抱きついてくる。さらには、思いっきりこちらの顔面に頬ずりしてくる。
「あ、ああ……弥生も無事でよかった……って、頬ずりはやめろって」
しかも、弥生って女の子みたいないい匂いするんだよな……! いよいよノックアウトされそうだから、本当に困る。
「あはは、いーじゃん、いーじゃん♪ 減るものじゃないし~♪」
――ずりずりずりずりずりずりずり……!
弥生に頬ずりされるたびに、ヒットポイントとマジックポイントと脳細胞が減らされていく気がするっ!
このままでは、弥生と付き合おうとか考えてしまいそうだ! 目を覚ませ、俺! 目の前にいるのは、顔は女だが、体は男だ! 連れションにも何度も言ってるし!
「はぁはぁはぁ……と、とにかく、離れようか、弥生……」
「え~っ、再会の記念に、もっとスキンシップとろうよぉ~♪」
「だめ、無理、俺が俺でいられる自信が揺らぐので、無理!」
「それでいいのに~♪」
「よ、よくないっ!」
ともかくも、俺は弥生の抱擁から逃れることに成功した。残り香というか、甘い弥生の匂いがして、クラクラする……。
「それにしても、ゆーくんのイトコ、本当にかわいかった♪ あれで本当に男の娘なんて、信じられないよっ!」
だから、お前が言っても説得力ないんだってば! 俺だって、お前が男だなんて信じられないよっ! 本当に存在自体がミステリーだ!
そして、乙女はというと、警察の人たちとなにやら話しているようだった。
そして、警察官はいまだに街を探し回っているらしい。無線を使って指示している警官とかいるし……。
「……今日はとんでもない日になっちまったな……。こんな日は、さっさと帰宅して寝るに限る」
「街案内途中になっちゃったけどね~。ま、ボクはいつでも案内するから♪」
「弥生さん、きょ、今日は、本当に、ありがとうございましたっ」
ここでまた警察に職質されたら面倒だからな。
俺とペン子さんは弥生と別れて、帰宅することにした。
おっ! あの後ろ姿は。
「……ペン子さん」
「きゃっ、……ゆ、雄太さん?」
折りよく、ペン子さんを見つけられた。しかし、弥生が一緒ではない。
「弥生はどうしたんです?」
「あ、はい。逃げる途中ではぐれてしまって……」
「そうですか……無事ならいいんですけど」
まぁ、弥生とはぐれたおかげで、メールを怪しまれずに送れたという面もあるかもしれない。
「そういえば、いつの間に俺のメアドを調べたんです?」
「あ、それは……その、最初に男の娘戦士の候補をリストアップしたときに、住所氏名連絡先等は、全て調べさせていただきました。勝手に、すみません……」
「いえ、まぁ……今回、おかげで助かりましたから。それにしても、あの男の娘ソード、すごい武器ですね。あれがあればマジで楽勝ですよ!」
「ええ、男の娘戦士推進団体の科学力はすごいですから……。でも、あのソードは使いすぎると……」
「……ゆーくーん♪ ゆりちゃん♪」
そのとき、向こうから弥生が手を振りながら、走ってきた。よかった、無事だったか。
「みんな、無事でよかったよ~♪」
そして、ペットが飼い主に飛びつくような勢いで俺に抱きついてくる。さらには、思いっきりこちらの顔面に頬ずりしてくる。
「あ、ああ……弥生も無事でよかった……って、頬ずりはやめろって」
しかも、弥生って女の子みたいないい匂いするんだよな……! いよいよノックアウトされそうだから、本当に困る。
「あはは、いーじゃん、いーじゃん♪ 減るものじゃないし~♪」
――ずりずりずりずりずりずりずり……!
弥生に頬ずりされるたびに、ヒットポイントとマジックポイントと脳細胞が減らされていく気がするっ!
このままでは、弥生と付き合おうとか考えてしまいそうだ! 目を覚ませ、俺! 目の前にいるのは、顔は女だが、体は男だ! 連れションにも何度も言ってるし!
「はぁはぁはぁ……と、とにかく、離れようか、弥生……」
「え~っ、再会の記念に、もっとスキンシップとろうよぉ~♪」
「だめ、無理、俺が俺でいられる自信が揺らぐので、無理!」
「それでいいのに~♪」
「よ、よくないっ!」
ともかくも、俺は弥生の抱擁から逃れることに成功した。残り香というか、甘い弥生の匂いがして、クラクラする……。
「それにしても、ゆーくんのイトコ、本当にかわいかった♪ あれで本当に男の娘なんて、信じられないよっ!」
だから、お前が言っても説得力ないんだってば! 俺だって、お前が男だなんて信じられないよっ! 本当に存在自体がミステリーだ!
そして、乙女はというと、警察の人たちとなにやら話しているようだった。
そして、警察官はいまだに街を探し回っているらしい。無線を使って指示している警官とかいるし……。
「……今日はとんでもない日になっちまったな……。こんな日は、さっさと帰宅して寝るに限る」
「街案内途中になっちゃったけどね~。ま、ボクはいつでも案内するから♪」
「弥生さん、きょ、今日は、本当に、ありがとうございましたっ」
ここでまた警察に職質されたら面倒だからな。
俺とペン子さんは弥生と別れて、帰宅することにした。