(二)‐5

文字数 290文字

 コンクールの結果は、郁雄を含め一〇人いる部員のほとんどが残念に終わった。ただ、部長の絵が奨励賞に、恵美のが佳作に選ばれた。
 その記念に奨励賞の作品が美術館に展示されると言うことで、部員全員で見に行った。その帰り道、郁雄は恵美と話をした。彼女は他人と話すことが苦手だったり、人付き合いが嫌いというわけでもなく、絵を描くことに対する情熱が強いということを知った。将来は絵で食べていきたいという。もちろんファインアートでは難しいかもしれないので、イラストレーターやキュレーターになるなどという形にはなるかもしれないけれども、美大へ進学してアートの仕事をしたいということだった。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み