【パ障1】TRPGとパーソナリティ障害の関係って?
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TRPGを成り立たせている基盤は、結局のところ人対人のコミュニケーションよね。だから、TRPGを実践する上では、パーソナリティ障害に関係のある事柄に触れる機会が必ずあるはず。そう考えてテーマに選んだの。
医学的なコミュニケーション障害は、巷でイメージされているようないわゆる「コミュ障」とはかなり違うのよ。言葉の発声や聞き取りが苦手であるとか、そうした類の障害がコミュニケーション障害群としてまとめられているの。もちろんこれもTRPGの実践には関係してくるだろうけど、ここでは扱わない予定よ。
「まだ半分ある」が大きく偏っていると、目的地に着く前にガス欠で動けなくなってしまったりとか。
「もう半分しかない」が大きく偏っていると、ちょっと進んでは給油を繰り返して、到着予定が大きく遅れてしまったりとか。
そういうトラブルになってしまうんですね。
時々なら、そうしたトラブルは誰でも経験するだろうけど。でも、そうしたトラブルが起きる状態が長い期間で持続していて、それによって本人が苦しんだり、うまく社会生活を送れなくなっているような場合は、障害と呼ぶの。
そう。だから、別段苦しんでいたり社会生活に不具合を抱えていたりしていないような相手に対して「あいつは〇〇障害だ」のような言い方をするのは、間違ったこととして厳に慎まなければならないわね。そもそも医療倫理としての問題もあるけど。
製薬会社MSDが家庭向けに公開しているマニュアルによれば、「約13%の人が何らかのパーソナリティ障害に該当します」とのことよ。50人規模のコンベンションなら、6人くらいが当てはまることになる。
1割近くいるとなれば、他人事とは言えないでしょ。
それに、障害と呼べるほどの苦痛や不具合を感じないとしても、考え方や関わり方の偏りは誰にでもあるものだからね。極端ではあるけれど、パーソナリティ障害という物事を知り、考えることは、自分や他人のそうした偏りに気づくきっかけになるでしょう。そして、そうした知見は、余計なトラブルを防止したり、自分と他人との関わり方に新たな可能性を切り拓いたりすることに役立つはずよ。