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文字数 414文字
「やっと会えたね」
桜の木の下で座っている私に手を差し伸べるあなた。
逆光でどんな姿かみえないけど、はじめて会った気がしない。
これは私が子供の時からよくみる夢。
数年に一度だったり、連日だったり。
たまにみる同じ夢。
この夢にはどんな意味があるのだろう。
そう思って二度寝すると次の日には忘れてしまう、そんな夢。
(窓から見える景色は水色の空と青色の海。
聞こえてくるのは静かな波の音と電車が通る音。
窓から入り込む匂いは海の潮の香りと……強烈な豚骨の匂い。
そう……ここは。
海近くにあるラーメン屋の二階にある2Kアパートの一室。
波の音は人がいなくなった夜中しか聞こえないし、電車が通るたびに家には小規模な地震が発生するのが現実です。)
さて! こんな妄想をしている彼女の名前は、
この物語の主人公である。
現実が受け入れられなくて、理想を越えて……妄想気味になるのが