第13話 榛名春奈、倉庫内作業中⑥
文字数 1,563文字
裂帛の気合いから放たれた強烈な左手刀…それを喰らった魔法の手×1が榛名春奈の左側面へ打ち落とされ、そのまま動かなくなる。
と声を上げる春奈に対し、残った魔法の手×3がユラユラと蠢き始めた。
そう言って、春奈はブラを守っていた右手を、すぅーと下ろし攻撃に特化した構えを取る。
下着姿にされ追いつめられた榛名春奈。彼女は先程までと違い、格段に集中力を上げていた。
右手を解放し、二刀となった春奈は眼前に迫る魔法の手を払い退け続ける。
一見、激しく手刀を繰り出し続ける彼女が優勢に見えた。
しかし、もう一人の自分とも言うべきAIハルナの前には、榛名春奈の努力も叶わない。
『対象の速度超過を確認。魔法の手の抑制を解放します』
AIハルナの指示により突如として、高速で動き始めた3本の手が春奈のブラとショーツに伸びる。
『戦術パターンA~Dまでをランダムに選択します』
…スピードで並ばれては手数が物を言う…再び激しい攻防が繰り広げられる中、春奈は魔法の手達が放つ多彩な攻撃を読み誤る。そして、一瞬だが彼女の対応が遅れてしまった。
その瞬間、半円を描きつつ左右に展開していた魔法の手×2が、弧を描いて春奈の両乳房を急襲する。
彼女は反射的に背中を反らして回避しようとするも間に合わず、チッと音を立てて魔法の手×2が春奈の両胸に触れる。
その刹那、触られた2ヶ所を発信元として、そこから彼女のカラダ中に電流が走った。その原因は一瞬前の攻撃において魔法の手×2の指先が、ブラジャー越しに彼女の先端をかすめていたからだった。
全身を走るビリビリとした感覚に、春奈は思わず声を上げる。先程までとは違う、速度と戦術性に富んだ攻撃。そして、とうとうセクロス技巧を見せ始めた魔法の手を相手に、一転して彼女は苦戦を強いられ始めた。
寄せては返す波のように、魔法の手の連続攻撃は留まるところを知らない。
しかも、それぞれが緩急をつけながら榛名春奈を翻弄してゆく。
彼女は左右の手刀を振り回し、魔法の手×3との攻防を続けていた。そこへ、AIハルナから新たな作戦が告げられる。
『リヴァイヴァルを発動します』
打ち落とされたまま、じっと攻撃に参加せずにいた魔法の手×1…それが、ピクン! と身を震わせた。
異変に気付いた春奈が対処しようと動きかけた時、魔法の手×2が彼女のブラの前面を軽く、チョンとタッチしてそのまま胸を押し上げる。
驚いた春奈が慌てて手刀を振り上げ追い払うと、その隙にとばかりに、もう1本の魔法の手が彼女のショーツを狙う。
次第に、前面の攻撃に気を取られていく春奈。その時、残りの4本目がムクリと起き上がり、地を這うようにして榛名春奈の背後へ回り込もうとしていた。
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