十一、すぐにここにもゾンビが雪崩れ込んで……
文字数 484文字
玄関先で、奥さんはざるいっぱいの茄子を抱いたまま倒れていました。
Kが奥さんの安否を尋ねます。幸いにも奥さんに怪我はありませんでした。
奥さんは息せき切らしながら何度も私たちに謝ってきます。
ですが、私たちは同時に奥さんの手を取り、立ち上がらせました。それから、散らばった茄子をざるに集めて、奥さんの手に握らせました。私は言いました。
Kも言いました。そして、私たちは声を合わせて――、
そう言い放ち、同時に腰の得物を抜き放ったのです。銀色の輝きを発する鋭利なる刃を。私の愛刀、三池典太を――、Kの佩刀、甕割ノ太刀を――。