第301話 豪のゴドバ戦2
文字数 1,552文字
とにかく、先制攻撃中だから、まだ蘭さんたちパーティーの順番だ。バランの薔薇が発動。ケロちゃんの石化舌。
クマりんはパパ呼び。モリーが蘭さんに変身して、雷帝だ。うん。魔法攻撃なら力、とられないですむ。
ランスは弓聖だから、後衛攻撃できる。雷神の怒りを使った。
「無限大がゴールドのままだね」
「合計で十万はダメージあたえてるはずだけどな」
ワレスさんは動かないな。
ゴドバの背中側で、僕らのとこからはあんまり見えないんだけど、ずっと立ってるだけみたいだ。らしくない。
「どうしよう? やっつける? 僕の素手パンチ一つで倒せるけど」
「おれ、思ったんだけどさ」
「うん。何?」
「あいつ、復活して数値あがったのに、見かけはチャっちくなったろ?」
「うん」
「もしかして、フェニックスの灰の効果が薄れてるのかなって」
「どういうこと?」
「巨体だから灰の量は増えてくけど、灰を何度も吸いとられてるわけだ。フェニックスの復活能力の濃度は、だんだん弱くなってるんじゃないかってこと」
「なるほど」
それはあるかもしれない。
つまり、ゴドバにとってフェニックスの復活能力は後天的に得たものだ。
バケツに入れた水を思い浮かべてほしい。そこに一滴の青いインクをたらす。このインクがフェニックスの能力だ。水を半分すてて、減ったぶんの水分を新しく水道からつぎたす。これを何度かくりかえしてたら、確実にインクの色は薄くなる。猛が言いたいのは、そういうことだろう。
「このまま、何度も倒して、そのたびに灰を集めたら、アイツ、復活しなくなるかな?」
「その可能性はないわけじゃないな」
「でも、数値は高くなるんだよね?」
「のっとるや進化はそのまま使うだろうしな」
でも、もっと大勢がいるならともかく、僕らの人数じゃ、とても五分で全部の灰をひろえない。それなら、猛の言う水中のインク方式を試すしかない。
「じゃ、やっちゃおっか?」
「やってみよう!」
ワレスさんが動かないんで、僕らの順番だ。
さっきの断捨離効果がまだ僕には残ってる。百億攻撃の男、かーくん!
「みんなー! 僕、たたくから、バッグの準備してぇー! あと、バッグに灰を吸いとってねって話しかけてみて!」
そう言えば、僕ってミャーコポシェットに話しかけてるもんな。なぜか答える魔法のポシェット。
「行くよー? 百億パーンチ!」
どうせどうせ、僕のヘナチョコこぶしだからね。またまた、ポコっと一発。
それでも、ぶったおれるんだな。爽快。
バーサーカー会得するのつらかったけど、やっといてよかった。あのときの努力があるから、今の僕がある。
グラグラゆれて、ゴドバは倒れた。もう何回めかわかんないけど、またもや灰になる。
「ミャーコ!」
「ミャッ!」
やっと三村くんとトーマスも帰ってくる。
「シャケ、トーマス! 灰、灰! 集めて!」
「え? こうか?」
「かーくんさん。手ですくうには限界が……」
「カバンに名前つけて! 話しかけるんだよ」
「ええーッ? おれ、そんなん、ようせんで?」
「いいからやって!」
今回もフェニックスのお母さんは灰を吸いこむ。だんだん羽の色つやがよくなってきた。目に見えて元気になった。
今回は半分以上、六割ていどの灰を集めたように思う。だけど、五分後、やっぱりアイツは灰のなかから、ぬっと起きあがってきた。
「……半分以上の灰をとっても、まだ復活するんだ」
「すみません。根性論の問題です。ですが、確実にヤツの復活の効果は弱まっています」と、ふえ子のお母さんが言う。ふえ子のお母さん。ふえ母さん……ふえ花さん!
「よしっ。じゃあ、どんどん倒して、どんどん灰、集めよう!」
復活したゴドバはさらに細長くなってた。見るからにバランス悪い。異常。やたらに巨大なエンピツみたい。
「ブオーッ!」
また、
進化
だ!